似た意味を持つ「触らぬ神に祟りなし」(読み方:さわらぬかみにたたりなし)と「君子危うきに近寄らず」(読み方:くんしあやうきにちかよらず)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「触らぬ神に祟りなし」と「君子危うきに近寄らず」という言葉は、どちらもどちらも危ないところには近づかない方がいいことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「触らぬ神に祟りなし」と「君子危うきに近寄らず」の違い
「触らぬ神に祟りなし」と「君子危うきに近寄らず」の意味の違い
「触らぬ神に祟りなし」と「君子危うきに近寄らず」の違いを分かりやすく言うと、「触らぬ神に祟りなし」は一般的に使われている、「君子危うきに近寄らず」は一般的に使われていないという違いです。
「触らぬ神に祟りなし」と「君子危うきに近寄らず」の使い方の違い
一つ目の「触らぬ神に祟りなし」を使った分かりやすい例としては、「触らぬ神に祟りなしと言うし友人同士の喧嘩には首を突っ込まないようにしている」「触らぬ神に祟りなしと言うし怒っている人には話しかけない方がいいだろう」などがあります。
二つ目の「君子危うきに近寄らず」を使った分かりやすい例としては、「君子危うきに近寄らずなのですぐ怒る人には近づかない方がいいだろう」「君子危うきに近寄らずなので心霊スポットには行かない方がいいと思います」などがあります。
「触らぬ神に祟りなし」と「君子危うきに近寄らず」の使い分け方
「触らぬ神に祟りなし」と「君子危うきに近寄らず」はどちらもどちらも危ないところには近づかない方がいいことを良いしており、大きな違いはありません。
あえて違いを挙げるならば、「触らぬ神に祟りなし」は一般的に使われているのに対して、君子危うきに近寄らず」は一般的に使われていないという点です。
「触らぬ神に祟りなし」と「君子危うきに近寄らず」の英語表記の違い
「触らぬ神に祟りなし」も「君子危うきに近寄らず」も直訳した英語はありませんが、近い表現として「Don’t ask for trouble」「If you play with fire you get burned」「Keep out of harm’s way」などがあります。
「触らぬ神に祟りなし」の意味
「触らぬ神に祟りなし」とは
「触らぬ神に祟りなし」とは、その物事にかかわりさえもたなければ災いを招くことはないことを意味しています。
「触らぬ神に祟りなし」の使い方
「触らぬ神に祟りなし」を使った分かりやすい例としては、「触らぬ神に祟りなしだし機嫌の悪い人に話しかけるのは辞めよう」「触らぬ神に祟りなしなので落ち着くまで少し様子を見ようと思っています」「触らぬ神に祟りなしと言うし今日は兄のことを放っておこう」などがあります。
「触らぬ神に祟りなし」はその物事にかかわりさえもたなければ災いを招くことはないことを意味することわざです。ことわざとは、古くから言い伝えられてきた教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉のことを意味しています。
「触らぬ神に祟りなし」は面倒になりそうなことには手出ししない方がいいや、余計なトラブルには首を突っ込まない方が自分のためだという戒めのニュアンスで使うというのが特徴です。
「触らぬ神に祟りなし」の由来
「触らぬ神に祟りなし」の由来は御霊信仰です。御霊信仰とは日本の信仰の一つであり、大きな不満を抱きながら亡くなった人や不幸な死に方をした人の霊が祟り神となって現世に災いをもたらすとされています。
この御霊信仰が盛んだった時代に、霊は祟りや災いをもたらすから無闇に関わらない方がいいという言い伝えが広まり、これが転じて、その物事にかかわりさえもたなければ災いを招くことはないことを「触らぬ神に祟りなし」と言うようになりました。
「触らぬ神に祟りなし」の類語
「触らぬ神に祟りなし」の類語・類義語としては、余計なことに関わるとあらぬ災いに合うことを意味する「近づく神に罰当たる」、自分からあえて災難を呼ぶようなことをしなければ諸事安泰なことを意味する「当たらぬ蜂には刺されない」などがあります。
「君子危うきに近寄らず」の意味
「君子危うきに近寄らず」とは
「君子危うきに近寄らず」とは、地位が高く賢い人は危ないところに近づかないことを意味しています。
「君子危うきに近寄らず」の読み方
「君子危うきに近寄らず」の読み方は「くんしあやうきにちかよらず」です。誤って「きみこあやうきにちかよらず」などと読まないようにしましょう。
「君子危うきに近寄らず」の使い方
「君子危うきに近寄らず」を使った分かりやすい例としては、「美味しい話には裏があるので君子危うきに近寄らずだ」「感染症が拡大しているので君子危うきに近寄らずで不要な外出は控えようと思います」などがあります。
「君子危うきに近寄らず」は地位が高く賢い人は危ないところに近づかないことを意味することわざです。
「君子危うきに近寄らず」は射幸心を煽るような美味しい話や、犯罪の可能性がある儲け話などの危険な話には乗らない方がいいという、戒めとして使うのが特徴になります。
また、自分に都合の悪いことや苦手なことがある場合に、危険な場所には近づかないということを強調し、それを避ける口実としても使うことが可能です。
「君子危うきに近寄らず」は危ないことに近づかない賢明な人に対しての、褒め言葉としても使えると覚えておきましょう。
「君子危うきに近寄らず」の由来
「君子危うきに近寄らず」中国の資料には記載されていないので正確な出典は不明ですが、君子が由来とは言われています。君子とは学識や人格ともに優れた立派な人ことを意味しています。
そのため、君子たちはとても賢いので自ら進んで危ないところには行くことはしません。このことが転じて、地位が高く賢い人は危ないところに近づかないこと「君子危うきに近寄らず」と言うようになりました。
「君子危うきに近寄らず」の類語
「君子危うきに近寄らず」の類語・類義語としては、危ないことをするのは大きな過ちに繋がりかねないので最初から避けるほうがいいことを意味する「危ないことは怪我のうち」、人に疑われるような行動を取らない方がいいことを意味する「瓜田に履を納れず」などがあります。
「触らぬ神に祟りなし」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、その物事にかかわりさえもたなければ災いを招くことはないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「触らぬ神に祟りなし」は戒めの言葉として使われることが多い言葉です。
「君子危うきに近寄らず」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、地位が高く賢い人は危ないところに近づかないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「君子危うきに近寄らず」は戒めの言葉として使われることが多い言葉です。
「触らぬ神に祟りなし」と「君子危うきに近寄らず」はどちらも危ないところには近づかない方がいいことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、一般的に使われているのが「触らぬ神に祟りなし」、一般的に使われていないのが「君子危うきに近寄らず」と覚えておきましょう。