似た意味を持つ「講座」(読み方:こうざ)と「講義」(読み方:こうぎ)と「講習」(読み方:こうしゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「講座」と「講義」と「講習」という言葉は、学問などの教授に関する言葉という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
講座と講義と講習の違い
講座と講義と講習の意味の違い
講座と講義と講習の違いを分かりやすく言うと、講座は教育を行う場所を表現する時に使い、講義は教える側を表現する時に使い、講習は教わる側を表現する時に使うという違いです。
講座と講義と講習の使い方の違い
講座という言葉は、「特別講座を選択して受講する」「異なる教授による講義がまとまって一つの講座とされている」などの使い方で、大学でや大学院におかれる研究や教育のための組織を意味します。
講義という言葉は、「教授が講義を中断したのは虫が入ってきたからだ」「今日は生徒が代わりに講義を行う予定だ」などの使い方で、学問の方法や成果などについてその内容や性質などを聞かせることを意味します。
講習という言葉は、「冬期講習に出掛けるのも寒くて億劫だ」「高齢者のための講習のために早起きをしなければならない」などの使い方で、集まって学問や技芸などを学習することを意味します。
講座と講義と講習の使い分け方
講義と講習は、指導をすることや学習をすることを意味する言葉ですが、前者は学問の方法や研究などの内容を聞かせることを意味し、後者は学問や技芸などを学習することを意味します。
一方の講座は、研究や教育のための組織であったり、大学で行われる講義を真似た形式の講習会などを意味するため、学ぶ場所を指します。講義がまとまったものを講座とすることがあります。
そのため、講座は「講座する」などの動詞としての使い方をすることはできませんが、講義と講習は「講義する」、「講習する」という使い方をすることができます。
また、どの言葉も「授業」という言葉に言い換えて使うことができます。
これが、講座、講義、講習の明確な違いです。
講座の意味
講座とは
講座とは、大学でや大学院におかれる研究や教育のための組織を意味しています。
講座の本来の意味
講座の本来の意味は、講師が座る場所というもので、教育の組織や授業を元から表していたわけではありません。
表現方法は「講座を開く」「講座を受ける」「講座を受講する」
「講座を開く」「講座を受ける」「講座を受講する」などが、講座を使った一般的な言い回しです。
講座を使った言葉として、「公開講座」「教養講座」があります。
「公開講座」の意味
一つ目の「公開講座」とは、大学などが在籍していない一般人に対して開設する講義を指す言葉です。大学ではなく、企業などが行う一般向けの講座に対しても使われます。
「教養講座」の意味
二つ目の「教養講座」とは、文学や歴史などの知識を身につけるための講座を指す言葉です。学生などに対するものではなく、社会人向けのものを指すことが多い言葉です。
講座の類語
講座の類語・類義語としては、学校などで一定期間に割り当てて行わせる学習などの範囲を意味する「課程」、課せられた項目を意味する「課目」、なすべきものとして割り当てられた仕事や学業を意味する「課業」などがあります。
講義の意味
講義とは
講義とは、学問の方法や成果などについてその内容や性質などを聞かせることを意味しています。
実際に人が声で他に伝える場合に使われることがほとんどですが、評論文や小説、講義の内容が記録されている書物のタイトルに対しても使われることがあります。
表現方法は「講義を受ける」「講義を聴く」「講義をする」
「講義を受ける」「講義を聴く」「講義をする」などが、講義を使った一般的な言い回しです。
講義を使った言葉として、「英国詩人講義」「講義所」があります。
「英国詩人講義」の意味
一つ目の「英国詩人講義」とは、ハズリットによって書かれた英国の詩人と作品が取り上げられている評論文で、中世から1818年に発行された年までの作品が扱われています。
「講義所」の意味
二つ目の「講義所」とは、講義を行うところを指しますが、キリスト教徒が集まって聖書の研究などを行うための場所も意味します。
講義の類語
講義の類語・類義語としては、学校などで学問や技芸を教え授けることを意味する「授業」、大勢の前で自分の意見や主張を述べることを意味する「演説」、大勢の人に向かってある題目に従って話をすることを意味する「講演」などがあります。
講習の意味
講習とは
講習とは、集まって学問や技芸などを学習することを意味しています。
表現方法は「講習を受ける」「講習に参加する」「講習会を開く」
講習という言葉は、「講習する」という使い方をすることができますが、あまりなされず、「講習を受ける」「講習に参加する」「講習会を開く」という使い方がほとんどです。
講習を使った言葉として、「高齢者講習」「認定講習」があります。
「高齢者講習」の意味
一つ目の「高齢者講習」とは、70歳以上の高齢者が運転免許証を更新する時に受ける講習を指す言葉です。
講義や運転のための適性検査、実際の運転講習を行い、加齢によって起きた身体機能の変化を自覚し、助言や指導を受けることが必要とされています。
「認定講習」の意味
二つ目の「認定講習」とは、資格を取得するために行う講習を指す言葉です。大学などの教職課程によらずに教員免許を取得するのに必要な講習である「教育職員免許法認定講習」や、「応急処置技能認定講習」などがあります。
講習の類語味
講習の類語・類義語としては、教えを受けて習うことを意味する「伝習」、講義して説明することを意味する「講説」、講義し教授することを意味する「講授」、講義そのものやそれを行うことを意味する「レクチャー」などがあります。
講座の例文
この言葉がよく使われる場面としては、学問の方法や成果などについてその内容や性質などを聞かせることを意味する時などが挙げられます。
基本的には、学習する場を表す言葉で、「講座する」などの動詞としての使い方をすることはできません。
講義の例文
この言葉がよく使われる場面としては、学問の方法や成果などについてその内容や性質などを聞かせることを意味する時などが挙げられます。
どの講義という言葉も、講座や講習という言葉に置き換えて使うことができます。
講習の例文
この言葉がよく使われる場面としては、集まって学問や技芸などを学習することを意味する時などが挙げられます。
どの講習という言葉も、講座や講義という言葉に置き換えて使うことができます。
ただし、「講義」の対象を学生とする場合は大学生を指すことがほとんどであるため、例文3の対象が大学生と認識されてしまう可能性が高いことから、小学生や中高生を想定する場合には置き換えて使うことにはあまり適していません。
講座と講義と講習どれを使うか迷った場合は、教育を行う場所を表す場合は「講座」を、教える側を表す場合は「講義」を、教わる側を表す場合は「講習」を使うと覚えておけば間違いありません。