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【傾向】と【動向】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「傾向」(読み方:けいこう)と「動向」(読み方:どうこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「傾向」と「動向」という言葉は、どちらも「ある方向に向かうこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




傾向と動向の違い

傾向と動向の意味の違い

傾向と動向の違いを分かりやすく言うと、傾向とは過去から現在の特徴を表し、動向とは現在から未来への動きを表すという違いです。

傾向と動向の使い方の違い

一つ目の傾向を使った分かりやすい例としては、「日本経済はインフレ傾向が続く見通しです」「大学入試の傾向と対策についてお話します」「AIを利用して傾向分析を行っています」「非英語圏への留学は増加傾向にある」などがあります。

二つ目の動向を使った分かりやすい例としては、「今後の動向を見守る必要がある」「地域ごとの人口動向を見る」「消費動向指数の推移をグラフに落とし込む」「市場関係者は為替動向に注視しています」などがあります。

傾向と動向の使い分け方

傾向と動向という言葉は、どちらも人々の態度や社会の現象などが特定の方向に向かうことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

傾向とは、ある方向や態度に傾くことを意味します。「インフレ傾向が続く」「大学入試の傾向と対策」のような使い方で、今までの特徴や変化から言える現在のありさまを表現し、過去に関連していうニュアンスがあります。

動向とは、人の心理や行動などが動いていく方向や、社会情勢などが動く方向を意味します。「今後の動向を見守る」のような使い方で、物事や社会などの大きな流れを示し、現在から将来における物事の動きを表現します。

つまり、傾向とは過去から現在の特徴を表す言葉であり、動向とは現在から未来への動きを表現します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

傾向と動向の英語表記の違い

傾向も動向も英語にすると「tendency」「trend」「inclination」となり、例えば上記の「インフレの傾向」を英語にすると「a tendency to inflation」となります。

傾向の意味

傾向とは

傾向とは、物事の大勢や態度が特定の方向に傾くこと、または、傾きがちであることを意味しています。

その他にも、「思想的にある特定の方向に偏ること、特に、左翼的思想に偏ること」「心理学で、一定の刺激に対して一定の反応を示す生活体の素質」の意味も持っています。

傾向の読み方

傾向の読み方は「けいこう」です。同じ読み方をする熟語に「蛍光」や「経口」がありますが、意味が異なるので書き間違いに注意しましょう。

表現方法は「傾向がある」「傾向する」

「傾向がある」「傾向する」などが、傾向を使った一般的な言い回しです。

傾向の使い方

「日本は少子化の傾向にあります」「傾向スコアマッチングを用いて推定する」「年をとると英語の発音が難しくなる傾向があります」などの文中で使われている傾向は、「大勢や態度が特定の方向に傾くこと」の意味で使われています。

一方、「学位時代は傾向文学にハマりました」「彼は共産主義的傾向がある」などの文中で使われている傾向は「思想的に特定の方向に偏ること」の意味で、「青年期における固執傾向を調査する」などの文中で使われている傾向は「心理学で、一定の刺激に反応を示す素質」の意味で使われています。

傾向とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているので、文脈により意味を捉えるようにしましょう。傾向の「傾」は訓読みで「かたむく」と読み、その方に向くことを表し、「向」は訓読みで「むく」と読み、その方向や状態にかたむくことを表す漢字です。

「傾向文学」の意味

傾向を用いた日本語には「傾向文学」があります。傾向文学とは、特定の目的や思想主義を宣伝しようとする態度の強い文学を意味する文芸用語です。主として社会主義文学を指し、明治前期の政治小説や昭和前期のプロレタリア文学などにみられます。

傾向の対義語

傾向の対義語・反対語としては、つりあいがとれて物事が安定した状態にあることを意味する「平衡」などがあります。

傾向の類語

傾向の類語・類義語としては、物事の全体のありさまや成り行きを意味する「大局」、物事がある方向や状態に向かうことを意味する「趨向」、いくらかその傾向にあることを意味する「気味」、人の性質の傾向を意味する「性向」などがあります。

動向の意味

動向とは

動向とは、個人や社会などが、現在および将来において動いていく方向や傾向を意味しています。

表現方法は「動向を見る」「お客様の動向」「動向を追う」

「動向を見る」「お客様の動向」「動向を追う」などが、動向を使った一般的な言い回しです。

動向の使い方

動向を使った分かりやすい例としては、「生成AIの技術動向を追う」「注意深く景気の動向を見守るべきです」「英語学習における学生の動向を調査する」「景気動向指数の使い方をご存知でしょうか」などがあります。

その他にも、「消費者の動向を注視する」「雇用動向調査の概要をチェックする」「現地の最新動向をいち早くお届けします」「インバウンド旅行者の消費動向を見る」「eコマースビジネスの動向と展望を分析する」などがあります。

動向の「動」は、状態や情勢あるいは内容などが変わることを表す漢字です。ある方にむかうことを表す「向」と結びつき、動向とは、人々の心理や行動の動きを意味します。また、社会や組織の思潮や情勢などの動く方向も表す言葉です。

「景気動向指数」の意味

動向を用いた日本語には「景気動向指数」があります。景気動向指数とは、景気の現状や転換点および先行きを総合的に把握するための総合指数を意味します。内閣府が毎月公表するもので、景気の局面判断や転換点判定に有効なDIと、景気動向の大きさやテンポなど量感を把握できるCIがあります。

「動向する」は誤用

動向を用いた誤った表現には「動向する」があります。正しくは「同行する」であり、連れ立って一緒に行くことを表します。

動向の対義語

動向の対義語・反対語としては、現在の状態やありさまを意味する「現状」などがあります。

動向の類語

動向の類語・類義語としては、ある方向へと動く勢いや社会などの全体の流れを意味する「趨勢」、物事の一般的な傾向や大体の状況を意味する「大勢」、物事が次第に変化していくようすや過程を意味する「成り行き」、ファッションの流行や経済変動の動向などを意味する「トレンド」などがあります。

傾向の例文と使い方

1.フェイクニュースを見分ける能力があると過信している人ほど、実はその能力が低い傾向があるようです。
2.社会がグローバル化するなかで、英語力を重視する傾向はより進んでいくでしょう。
3.このところ景気は回復傾向が見られるも、人手不足が懸念材料になっています。
4.きちんと家計簿をつければ、お金の使い方の傾向が把握できるようになるでしょう。
5.人間には理性があるのだから、傾向性に抗うことができる存在のはずです。

この言葉がよく使われる場面としては、ある方向や態度に傾くこと、特定の思想に傾くこと、心理学で一定の刺激に対して反応を示す素質を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、傾向の慣用的な言い回には「傾向がある」「傾向が見られる」「回復傾向」などがあります。例文5にある「傾向性」とは、広義には性向を意味し、カントの倫理学では習慣的になった感覚的欲望を表す言葉です。

動向の例文と使い方

1.スマートフォンの使い方に関する動向調査を実施し、年代別に分析する予定です。
2.私は、アパレル業界に転職してからお客様の動向に対して敏感になりました。
3.先日、資源エネルギー庁は気候変動に関する最近の動向を発表しました。
4.Webマーケティングを活用すれば、最新の動向を追うことができるでしょう。
5.為替レートの動向を見ると、各国の国力や相関関係がある程度わかるものです。

この言葉がよく使われる場面としては、個人や集団の心理・行動の動いて行く方向、現象の動いて行く方向を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、動向の慣用的な言い回しには「動向調査」「最近の動向」「動向を追う」「動向を見る」などがあります。例文2の「お客様の動向」とは、顧客のトレンドやニーズの移り変わりを意味します。

傾向と動向という言葉は、どちらも「ある方向に向かうこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、過去から現在の様子を表現したい時は「傾向」を、現在から未来への様子を表現したい時は「動向」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
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