【空目】と【空耳】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「空目」(読み方:そらめ)と「空耳」(読み方:そらみみ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「空目」と「空耳」という言葉は、どちらも「実際と間違えること」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




空目と空耳の違い

空目と空耳の意味の違い

空目と空耳の違いを分かりやすく言うと、空目とは見間違いを表し、空耳とは聞き間違いを表すという違いです。

空目と空耳の使い方の違い

一つ目の空目を使った分かりやすい例としては、「私はその場にいなかったので空目されたようだ」「夜中にUFOを見たなんて空目だよ」「あの子に空目を使われると断れない」「困窮した人を空目するなんてできません」などがあります。

二つ目の空耳を使った分かりやすい例としては、「天の声が聞こえたなんて、あなたの空耳だろう」「元カレの声を空耳するほど忘れられません」「英語の歌なのに日本語に空耳してしまう」「聞こえているはずなのに空耳を使っている」などがあります。

空目と空耳の使い分け方

空目と空耳という言葉は、どちらも五感を表すことばであり、実際と間違えることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

空目とは、「UFOを見たなんて空目だ」のような使い方で、実際にはないものが見えた気がすること、見間違えを意味します。近年では、ネットスラングとして「読み間違え」を表す言葉です。また、目だけで上のほうを見る目つきや、見ていないふりをすることの意味もあります。

空耳とは、実際にはない音や声を聞いたように思うことを意味し、聞き間違えを表す言葉です。例えば、その場にいない人の声が聞こえたような気がすることを「空耳」と言います。また、聞こえないふりをするという意味もあり、「空耳を使う」「空耳を走らす」などと表現します。

つまり、空目は見間違いの意味で使用され、空耳は聞き間違いの意味で使用されることが多い言葉です。空目よりも空耳という言葉はよく使用されていることから、空目は空耳をもじった造語だと思われることがありますが、空目は古くから存在し、辞書にも掲載されている正しい日本語なのです。

「空耳」の方がなじみがある人が多いことから、「空目」は「空耳」をもじった造語だと思われる例もありますが、先述のように「空目」は古くからある単語です。なお、「空耳」には”聞いても聞かないふりをすること”という意味もあります。

空目と空耳の英語表記の違い

空目を英語にすると「mistake in vision」「pretending not to see」「looking upwards」となり、例えば上記の「私は空目された」を英語にすると「I was mistaken in vision for a minor」となります。

一方、空耳を英語にすると「mishearing」「pretending not to hear」「hearing things」となり、例えば上記の「あなたの空耳だろう」を英語にすると「You must be hearing things」となります。

空目の意味

空目とは

空目とは、実際にはないものが見えたような気がすることを意味しています。

その他にも、「瞳を上にあげて見ること、うわめ」「見ていながら見ないふりをすること」の意味も持っています。

空目の読み方

空目の読み方は「そらめ」です。誤って「くうもく」「からめ」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「空目した」「空目を使う」「空目する」

「空目した」「空目を使う」「空目する」などが、空目を使った一般的な言い回しです。

空目の使い方

「彼を見かけた気がしたが空目だった」「法事で亡くなった父を空目した」「空目がひどいようなら病院に行きましょう」の文中で使われている空目は、「実際にはないものが見えたような気がすること」の意味で使われています。

一方、「甘えるように空目遣いをする」「直視できなくて空目になる」の文中で使われている空目は「ひとみを上にあげて見ること」の意味で、「英語の先生は教室内でのイジメを空目している」の文中で使われている空目は「見ないふりをすること」の意味で使われています。

空目の「空」は「うつろ」と読み、中身や根拠がないことを表します。空目とは、ありもしないものを見たように思うことを意味し、転じて、実際と見間違えることを意味します。空目はインターネット上で読み間違えの意味で用いられ、見間違えの意味から派生した一種のネットスラングとも言えます。

空目という言葉は、瞳だけで上のほうを見る「上目」の意味もあります。顔の向きはそのままで、目線だけを上げて誰かを見上げる動作を「空目を使う」と言います。また、実際には見ていながら見ていないふりをすることの意味もありますが、昨今この意味ではあまり使用されていません。

「空目遣い」の意味

空目を使った言い回しには「空目遣い」があります。空目を使うとは、顔の方向を変えず、視線だけを上の方向に向けて見ることを意味します。「空目使い」「上目使い」「上目遣い」とも言います。

空目の対義語

空目の対義語・反対語としては、目をこらして見つめることを意味する「凝視」、じっと見つめることを意味する「熟視」などがあります。

空目の類語

空目の類語・類義語としては、を意味する「幻覚」、を意味する「見間違え」、見あやまることや見まちがえることを意味する「見誤り」、目だけを上に向けて相手を見ることを意味する「上目づかい」などがあります。

空耳の意味

空耳とは

空耳とは、実際にはない音や声が聞こえたように思うことを意味しています。

その外にも、「聞いているのに聞こえないふりをすること」の意味も持っています。

表現方法は「空耳を使う」「空耳がする」「空耳が多い」

「空耳を使う」「空耳がする」「空耳が多い」などが、空耳を使った一般的な言い回しです。

空耳の使い方

「名前を呼ばれたと思ったが空耳のようだ」「空耳が面白いアニソンを紹介します」「面白い空耳曲を一緒に聴きましょう」「空耳がなぜ生じるのか教えてください」などの文中で使われている空耳は、「実際にはない音が聞こえたように思うこと」の意味で使われています。

一方、「面倒なので空耳を使うことにした」「大事な話をしてるのに空耳を走らすな」「悪口は空耳を使って知らないふりをする」などの文中で使われている空耳は、「聞こえないふりをすること」の意味で使われています。

空耳とは、上記の例文にあるように二つの意味がありますが、一般的には「実際にはない音が聞こえたように思うこと」の意味で使用されています。「聞こえないふりをすること」の意味では、「空耳を使う」「空耳を走らす」の言い回しで使用されることがほとんどです。

「空耳を走らす」の意味

上記の例文にある「空耳を走らす」とは、本当は聞いているのに聞こえないふりをすることを意味する慣用表現です。「空耳を使う」とも言います。

「空耳潰す」の意味

空耳を用いた慣用句には「空耳潰す」(読み方:そらみみつぶす)があります。空耳潰すとは、聞こえているのに、わざと聞こえないふりをすることを意味します。

空耳の対義語

空耳の対義語・反対語としては、その声や音などをしっかり聞くことを意味する「聞き占める」などがあります。

空耳の類語

空耳の類語・類義語としては、実際には音がしていないのに聞いたように感じることを意味する「幻聴」、知っているのに知らないようなそぶりをすることを意味する「知らんぷり」、聞かれたことに対してわざと知らないふりをするを意味する「とぼける」などがあります。

空目の例文

1.このごろ疲れているのか空目がひどいので、眼科できちんと診てもらおうと思います。
2.高校の時の同級生とすれ違った気がしたけど、空目だったのかもしれない。
3.SNSでよく書かれている「空目」はネットスラングや方言だと思っていたのに、広辞苑に載っていたので驚いた。
4.思春期の娘は、いつからか頼み事をする時だけ空目遣いをするようになっていた。
5.目の前で困っている人を空目したことは、誰しも一度はあるでしょう。
6.給料日前で懐が寒いので、ただの紙切れなのに大金が落ちていると空目してしまいました。
7.彼女の空目遣いには、どうしても断れないというか、魔性の魅力を感じてしまうのです。
8.我々は困窮した人を空目することはできません。何らかの形で助ける手を差し伸べましょう。
9.先日繁華街を歩いていると高校時代の恋人を見かけた気がしたが、どうやら空目だったようだ。
10.担任の先生は私がいじめられていることを空目しており、私は誰の助けも得られないことを悟り、絶望しました。

この言葉がよく使われる場面としては、ありもしないものを見たように思うこと、瞳を上にあげて見ること、見て見ないふりをすることを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2の空目は、ありもしないものを見たように思うこと、見間違いの意味で用いられています。例文4の空目は瞳を上にあげて見ること、例文5の空目は見て見ないふりをすることの意味で用いられています。

空耳の例文

1.なぜか最近やけに空耳がひどいので、一度病院に行って検査してもらうつもりです。
2.好きな俳優の声をしょっちゅう空耳するほど、私は夢中になると頭がそれで一杯になってしまいます。
3.タモリ倶楽部の「空耳アワー」は面白いので、録画して欠かさず観ています。
4.都合が悪くなると空耳を走らす彼に、ほとほと愛想が尽きました。
5.どうせ説教されるだけだから、母親に呼ばれたけど空耳を使いました。
6.母親は私たち兄弟がお小遣いの値上げをアピールしているのに、空耳を使ってごまかすことがよくあるのだ。
7.お局様たちの悪口が聞こえたら、空耳を使って知らないふりをするのが得策だと思っている。
8.その時間にこの部屋には誰もいなかったのだから、声が聞こえたなんて、あなたの空耳だろう。
9.静かな夜に眠れないでいると、まるで空耳のような遠い踏切の警報機の音が聞こえて来た。
10.誰もいない教室から笑いをこらえる声がしたと思ったが、どうやらだたの空耳だったようだ。

この言葉がよく使われる場面としては、音がしないのに音が聞こえたように感じること、聞いているのに聞かないふりをすることを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文2にある空耳は、音がしないのに音が聞こえたように感じることの意味で用いられています。例文4や例文5の空耳は、聞いているのに聞かないふりをすることの意味で用いられています。

例文3の「空耳アワー」とは、、テレビ朝日系列のバラエティ番組「タモリ倶楽部」で放送されているミニコーナーのひとつです。外国語で歌われているのに日本語のように聞こえる歌詞を視聴者から募集する企画であり、聞き間違いを「空耳」と表現しています。

空目と空耳という言葉は、どちらも「実際とは違うこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、見間違えを表現したい時は「空目」を、聞き間違えを表現したい時は「空耳」を使うようにしましょう。

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