【軍配】と【采配】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「軍配」(読み方:ぐんばい)と「采配」(読み方:さいはい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「軍配」と「采配」という言葉は、指揮に使う道具という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




軍配と采配の違い

軍配と采配の意味の違い

軍配と采配の違いを分かりやすく言うと、軍配は勝者を決めることを表現する時に使い、采配は指図をすることを表現する時に使うという違いです。

軍配と采配の使い方の違い

一つ目の軍配を使った分かりやすい例としては、「先日の選挙では新しい候補者に軍配を上げた」「知名度では他者に軍配が上がるだろう」「行司の軍配が返され、両力士ともに構えた」などがあります。

二つ目の采配を使った分かりやすい例としては、「明快な采配は多くのファンを魅了した」「新しい監督による采配は鮮やかなものだった」「采配批判も最近はSNSでよく見かけるようになった」などがあります。

軍配と采配の使い分け方

軍配と采配はどちらも、軍勢の大将が持ち指揮を執る際に使っていた道具です。軍配は円形やひょうたん型の羽に長い柄を付けたもので、軍の配置や、軍勢に対して進退を指図する際に使われていました。

今日では、相撲にて行司が勝敗を決定する際に勝者へと向けて軍配を上げており、これが転じて、勝利することや勝者と認めることを「軍配を上げる」と表現するようになります。

一方の采配は、30cm程度の柄に紙片や獣毛などを細長く垂らしたもので、これを振り合図を送る際に使われていました。これが転じて指揮を取ること自体を意味するようになりました。

軍配も指揮をするという意味で使われていましたが、勝者が決まる際に使われる言葉で、采配は相手に対して指図や命令をする際に使われる言葉であることがわかります。

軍配と采配の英語表記の違い

軍配を英語にすると「referee’s fan」となりますが、例えば上記の「軍配を上げる」を英語にすると「give a decision」となり、軍配だけで使う場合とは大きく異なります。

一方、采配を英語にすると「directions」となり、例えば上記の「明快な采配」を英語にすると「lucid directions」となります。

軍配の意味

軍配とは

軍配とは、軍隊の配置や進退の指図および指揮に使う団扇を意味しています。

軍配の読み方

軍配は「ぐんばい」という読み方をする言葉ですが、「ぐんぱい」と読むこともでき、どちらでも意味は変わらず、「軍配団扇」の略語です。本来は、戦国時代に武将らが自分の軍勢を指揮するのに用いた道具です。

軍配の使い方

軍配を使った分かりやすい例としては、「軍配を返されたら取組を始めなければならない」「行司が軍配を引いた時会場はしんと静まり返った」「軍配の房によって階級が異なる」などがあります。

一方、「軍配が上げられた時ファンから批難が殺到した」「あえて軍配を上げるならばとドリンクを勧められた」「先輩後輩対決は後輩に軍配という見出しが目立つ」などの文中で使われている軍配は、勝利を決することを意味する慣用句の一部として使われています。

「軍配を上げる」の意味

上記の例文にある「軍配を上げる」は、戦国時代に武士たちが相撲を取る際に行司役が軍配を勝敗を決める際の道具として軍配団扇を使ったことが由来であると言われています。今日の相撲でも使われており、この行為が転じて慣用句も使われるようになりました。

その他にも、制限時間となった時に行司が軍配を裏返して伝えることを意味する「軍配を返す」や、両力士が取り組みを開始する姿勢となった際に行う「軍配を引く」という表現もありますが、どちらも日常会話ではほとんど使われない相撲用語です。

軍配の類語

軍配の類語・類義語としては、人を欺くように前もって考えておく手段を意味する「謀略」、自分の目的を達成するために相手を陥れる手段を巡らすことを意味する「策略」、多くの人々をまとめて率いることを意味する「統率」などがあります。

采配の意味

采配とは

采配とは、指図や指揮を意味しています。

采配は采幣とも書く

采配は「采幣」という表記もありますが、どちらも「さいはい」という読み方をします。16世紀頃から使われ始めた柄に紙片や獣毛などを細長く垂らした道具ですが、これを使って武将らが指揮を行ったことから、今日では指揮そのものを意味するようになりました。

采配の使い方

采配を使った分かりやすい例としては、「先輩は采配を振ることに定評がある」「上司自ら現場に足を運んで采配をとるとは思わなかった」「メンバーが持つ技術を無視して人員采配が行われた」などがあります。

一方、「采配で掃除を行う」「ちり払いに采配を使う」などの文中で使われている采配は、「はたき」の意味で使われていますが、こういった使われ方は日常生活においてはもちろんビジネス間などでもほとんどしません。

「采配を振る」「采配をとる」の意味

上記の例文にある「采配を振る」や「采配をとる」は、陣の先頭に立って自ら指揮や運営に当たることを意味する表現で、戦場で大将が指揮を執る様子から由来して、今日でも同じような意味で使われており、「采をとる」という表現がされることもあります。

また、采配という言葉を使った「采配を振るう」という表現は、2017年度の世論調査では5割以上の人が正しいと答えていますが、これは誤用で「采配を振る」が正しい使い方となります。

采配の類語

采配の類語・類義語としては、そのものの機能や能力を生かして用いることを意味する「運用」、団体などの機能を発揮させることができるように組織をまとめ動かすことを意味する「運営」、あることを行うよう言いつけることを意味する「命令」などがあります。

軍配の例文

1.長きにわたってライバル視している企業との戦いでは、前年は敗北を喫したが今回は自社に軍配が上がった。
2.昼食時に通っていたいつもの店と最近近くにできた新しい店、どちらか選んで軍配を上げるとなると悩ましい。
3.軍配は戦国時代から知られているものだからか、軍配ナズナ、軍配昼顔など、軍配に似た形をしている生物の名前の一部として使われている。
4.今シーズン初試合は応援しているチームに軍配が上がることとなり、幸先いいスタートを切れたのではないかと勝手に思っている。
5.行事が軍配を返したことを合図として両力士に立ち合いが促されることとなり、はっけよいの掛け声でより厳かな空気で会場が包まれた。
6.学校の中庭に生えていた植物の実がハート型でかわいいねと友だちと話していたら、これは相撲の軍配に似ているからグンバイナズナというんだと先生が教えてくれた。
7.同じ大学出身同士の勝負は激闘の末に、〇〇氏に軍配があがったが、なかなかいい勝負でした。
8.行司の軍配は階級によって房の色が違う。立行司(木村庄之助)は紫色なのに対して、幕内の行司は紅白、幕下に至っては緑か白となっている。
9.夫婦喧嘩はだいたい女に軍配があがるものだから、男は言いたいことを言ったらすぐに引き下がるべきだろう。
10.今まではandroidスマホとiPhoneだと必ずiPhone一択だったが、今回ばかりはandroidに軍配かな。

この言葉がよく使われる場面としては、軍隊の配置や進退の指図および指揮に使う団扇を意味する時などが挙げられます。

例文1や例文2、例文4の軍配は単に軍配団扇を意味するのではなく、「軍配を上げる」や「軍配が上がる」といった表現で、勝者や勝利を決することを意味します。

采配の例文

1.過去の経験や今ある知識を買われて、次のプロジェクトに関する采配のほとんどを委ねられることになった。
2.彼による言葉の采配は頭ごなしな命令ではないため耳に入れやすく、何をしていいかも分かりやすい。
3.相手の考えを理解しようとする姿勢は、采配を振る時や顧客と話しをする時に誠実であると思ってもらいやすい。
4.采配に疑問を覚えた後輩が上司に直接掛け合ってみたようで、理不尽だと思われていた計画も皆が取り組みやすいようになった。
5.今回の采配ミスで6点差を付けられて試合に負けたチームのファンは激怒しており、SNSでは批判の声が多く上がっていた。
6.試合に勝てば称賛されるが、負ければ采配ミスだと言われる。監督業は名誉でもあるがその分ストレスや孤独に耐える覚悟がなければ務まらない。
7.新しい監督の采配は当初は理解されず批判も多かったが、勝利を収めるにつれ徐々に理解されるようになった。
8.まさか社長自らが現場に赴いて采配を取るとは思わなかったので、現場にいた私達はとても緊張しました。
9.我がチームの監督の采配が見事にハマって、対戦チームの連勝をストップさせることに成功しました。
10.もしもプロジェクトの采配に失敗すれば、上司に責任が及ぶことになるが、私はそれを望んではいなかった。

この言葉がよく使われる場面としては、指図や指揮を意味する時などが挙げられます。

例文2の「言葉の采配」とは、言葉で軍勢を指揮することや、指揮する際の号令を意味する表現です。

例文5の「采配ミス」とは、指示間違いをした時や、人員配置で間違いをした時に使われる言葉で、スポーツの試合からビジネスシーンまで多岐にわたって使われています。

軍配と采配どちらを使うか迷った場合は、勝者を決めることを表す場合には「軍配」を、指図や指揮することを表す場合は「采配」を使うと覚えておけば間違いありません。

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