似た意味を持つ「伺っております」(読み方:うかがっております)と「聞いております」(読み方:きいております)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「伺っております」と「聞いております」という言葉は、どちらも誰かからすでに聞いてあることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「伺っております」と「聞いております」の違い
「伺っております」と「聞いております」の意味の違い
「伺っております」と「聞いております」の違いを分かりやすく言うと、「伺っております」は謙る相手から話を聞いた時に使う、「聞いております」は謙る相手ではない人から話を聞いた時に使という違いです。
「伺っております」と「聞いております」の使い方の違い
一つ目の「伺っております」を使った分かりやすい例としては、「課長の実家はこちらだと伺っております」「担当者様より状況の方を伺っております」「本件については吉田様から伺っております」などがあります。
二つ目の「聞いております」を使った分かりやすい例としては、「この件に関しては弊社社長より聞いております」「これについては上司からそう聞いております」「そのことでしたら父から聞いております」などがあります。
「伺っております」と「聞いております」の使い分け方
「伺っております」と「聞いております」はどちらも誰かからすでに聞いてあることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「伺っております」は謙る相手から話を聞いた時に使う言葉で、ビジネスシーンにおいて社外の人などに対して「部長より伺っております」とするのは間違った使い方になります。この場合は部長は身内なので、「部長より聞いております」の方を使うのが正解です。
では「伺っております」をどう使うのかというと、「この件について御社の部長様から伺っております」のように、聞いた相手を謙る場合に使うと覚えておきましょう。
一方、「聞いております」は身内などの謙る必要がない相手から聞いたことを伝える場合に使います。
「伺っております」と「聞いております」の英語表記の違い
英語には謙譲語や尊敬語がないので、「伺っております」も「聞いております」を直訳した英語表記はありませんが、近い表現として、「Are you saying」「confirming that you said」などがあります。
「伺っております」の意味
「伺っております」とは
「伺っております」とは、誰かからすでに聞いてあることを意味しています。
表現方法は「お噂は伺っております」「伺っておりますので」
「お噂は伺っております」「伺っておりますので」などが、「伺っております」を使った一般的な言い回しになります。
「伺っております」の使い方
「伺っております」を使った分かりやすい例としては、「その件については先方を通じて伺っております」「貴方のお噂はかねがね伺っております」「この件に関しては村上社長から伺っております」「御社の社員を通じて伺っております」などがあります。
「伺っております」は、聞くの謙譲語の「伺う」に、「いる」の丁重語「おる」と丁寧語「ます」が合わさり、誰かからすでに聞いてあることの意味で使われている言葉です。
「伺っております」は謙る相手から話を聞いた時に使う言葉なので、部長や先輩などの身内から聞いた場合には使うことはできません。この場合は「聞いております」に置き換えるようにしましょう。
「伺っております」は二重敬語ではなく正しい日本語
「伺っております」を二重敬語だと思う人もいると思いますが、結論を言ってしまうと二重敬語ではなく、正しい日本語になります。二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることです。
「伺っております」は謙譲語の「伺う」に、丁重語の「おります」が合わさった言葉なので、二重敬語の例には当てはまらない正しい敬語表現になります。
「伺っております」の類語
「伺っております」の類語・類義語としては、相手の話をありがたく聞くことを意味する「拝聴する」があります。
「聞いております」の意味
「聞いております」とは
「聞いております」とは、誰かからすでに聞いてあることを意味しています。
表現方法は「聞いておりますので」「聞いておりますが」
「聞いておりますので」「聞いておりますが」などが、「聞いております」を使った一般的な言い回しになります。
「聞いております」の使い方
「聞いております」を使った分かりやすい例としては、「課長から確かにそう聞いております」「この件に関しては先輩から聞いております」「あれについてのことでしたら妻から聞いております」「このことに関しては母から聞いております」などがあります。
「聞いております」は、話を情報として受け入れることを意味する「聞く」に、「いる」の丁重語「おる」と丁寧語「ます」が合わさり、誰かからすでに聞いてあることの意味で使われている言葉です。
「聞いております」は謙る相手ではない人から話を聞いた場合に使う言葉なので、直属の上司や先輩などの話を、社外の人に伝える場合などの使います。
反対に、謙る必要がある相手から話を聞いた場合は、「伺っております」に置き換えるのが適切だと覚えておきましょう。
「聞いております」の類語
「聞いております」の類語・類義語としては、相手の話をありがたく聞くことを意味うる「拝聞する」などがあります。
「伺っております」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、誰かからすでに聞いてあることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「伺っております」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「聞いております」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、誰かからすでに聞いてあることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「聞いております」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「伺っております」と「聞いております」はどちらも誰かからすでに聞いてあることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、謙る相手から話を聞いた時に使うのが「伺っております」、謙る相手ではない人から話を聞いた時に使うのが「聞いております」と覚えておきましょう。