似た意味を持つ「ボケ」と「ツッコミ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ボケ」と「ツッコミ」という言葉は、「漫才における役割分担」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ボケとツッコミの違い
ボケとツッコミの意味の違い
ボケとツッコミの違いを分かりやすく言うと、ボケはとぼけた発言をする役割を表現する時に使い、ツッコミはボケの誤りなどを指摘する役割を表現する時に使うという違いです。
ボケとツッコミの使い方の違い
一つ目のボケを使った分かりやすい例としては、「面白いことをするボケに対してツッコミも笑いをこらえきれていなかった」「彼のボケ方は分かってもらえないこともある」「ボケナスやおたんこなすなど、罵倒にナスが使われるのはなぜだろう」などがあります。
二つ目のツッコミを使った分かりやすい例としては、「ツッコミを入れるタイミングで観客の笑いを誘うこともできる」「ノリツッコミができるようにお膳立てするボケが一番頭を使うだろう」「信号待ちのツッコミによって玉突き事故が起きていた」などがあります。
ボケとツッコミの使い分け方
ボケとツッコミはどちらも、日本の漫才における役割分担を指す言葉であり、「才蔵」と「太夫」の二人一組で行われる古典萬歳に現代の漫才の起源があるとされていますが、担う役割が大きく異なります。
ボケは、とぼけた役や滑稽な役を演じる人を指します。その他にも、頭の働きが鈍くなることや画像が鮮鋭ではない状態を表す言葉として使われることや、他者に対する悪口として使われることもあります。
一方のツッコミは、相手の誤りやとぼけを指摘して話の筋を進める役を指し、その際の指摘に対しても用いられる言葉です。その他にも、勢いよく突進することや、内面に深く入り込むことも意味します。
つまり、ボケは笑いを誘うような所作をしたり冗談を言う役割を担い、ツッコミはボケの誤りを指摘して笑いどころを観客に提示する役割を担うという違いがあります。
ボケとツッコミの英語表記の違い
ボケを英語にすると「the funny man」「boke」となり、例えば上記の「面白いことをするボケ」を英語にすると「the funny man who does the interesting stuff」となります。
一方、ツッコミを英語にすると「the straight man」「tsukkomi」となり、例えば上記の「ツッコミを入れるタイミング」を英語にすると「the timing of tsukkomi」となります。
ボケの意味
ボケとは
ボケとは、とぼけた役や滑稽な役を演じる人を意味しています。
その他にも、画像が鮮鋭ではない状態を意味する言葉として使われています。
ボケの使い方
「ボケの発する言葉をツッコミが聞き返すだけでも面白い」「彼はわざとボケてつっこませようとさせているのだろうか」「寒いギャグでボケを連発する人は周囲に愛されていた」などの文中で使われているボケは、「とぼけた役」の意味で使われています。
一方、「海外から帰ってきて時差ボケに悩んでいる」などの文中で使われているボケは「頭が鈍くなること」の意味で使われ、「写真がボケておりショックだった」などの文中で使われているボケは「画像が鮮鋭ではない状態」の意味で使われています。
ボケは漢字で「惚け」「呆け」「暈け」と表記されますが、常用漢字ではないためカタカナで表記されることがほとんどです。漫才において、間違ったことを言ったり、冗談を言う役割であり、それを正してくれるツッコミの対の役割を持つ人を指します。
ボケの特徴
本来は「とぼけ」と呼ばれており、「つっこみ、とぼけ」と表現されていたのが徐々に、「つっこみと、ぼけ」のように転じたことによって「ボケ」と呼ばれるようになったとされています。
また、「ボケが始まる」「時差ボケ」などのように頭の働きが鈍くなることを意味したり、「バカ」「アホ」などと並ぶ悪口として使われることもあり、皮の色つやが失われたナスを意味する「ボケナス」を他者への罵りとして使われることもあります。
その他にも、「ピンボケ」などのように、カメラのレンズの被写界深度の変化によって生まれる画像が鮮鋭ではない状態を表す言葉として使われることもあります。
ボケの対義語
ボケの対義語・反対語としては、堅実や、記憶、判断が確実である様子を意味する「しっかり」、処理や対応がはっきりしている様子を意味する「テキパキ」があります。
ボケの類語
ボケの類語・類義語としては、画像が不鮮明になることを意味する「ブレ」、薄くぼかしてある状態やかすれてハッキリ見えない状態となることを意味する「かすむ」などがあります。
ツッコミの意味
ツッコミとは
ツッコミとは、相手の誤りやとぼけを指摘して話の筋を進める役やその指摘を意味しています。
その他にも、勢いよく突進することや、内面に深く入り込むことを意味する言葉として使われています。
ツッコミの使い方
「分かりやすくボケてくれる人がいるとノリツッコミしやすい」「面白いツッコミができる人は話も面白いと思っている」などの文中で使われているツッコミは、「相手のとぼけを指摘して話の筋を進める役」の意味で使われています。
一方、「突っ込み癖のある人は周りを見ない傾向があるように思う」「車が突っ込み動けない状態になったため助けを求めた」などの文中で使われているツッコミは、「勢いよく突進すること」の意味で使われています。
ツッコミの漢字表記
ツッコミは漢字で「突っ込み」と表記されますが、ボケと並べてカタカナ表記することがほとんどです。ボケ役の冗談や誤りに対して、ツッコミは笑いどころを観客に提示し、ボケを手の甲や小道具などで叩いて笑いを誘う役割を持ちます。
基本的には、ボケ一人に対してツッコミは一人の二人一組で構成されていますが、ボケ二人とツッコミ一人の「トリオ漫才」が行われることもあります。
表現方法は「ノリツッコミ」
上記例文の「ノリツッコミ」とは、ボケの冗談に対してツッコミをせずに一時的に同調し、ある程度会話をした後でツッコミを入れてオチをつける方法を指します。
ツッコミの類語
ツッコミの類語・類義語としては、真面目に返答することや、その回答を意味する「マジレス」などがあります。
ボケの例文
この言葉がよく使われる場面としては、とぼけた役や滑稽な役を演じる人を意味する時などが挙げられます。
例文2の「天然ボケ」とは、周囲からズレた発言や行動をすることで結果として笑いを誘う変わり者を指す言葉です。
その他にも、例文3のようにボケた人に対して罵る時に用いられることや、例文4のように頭が鈍る状態を表したり、5のようにカメラのレンズの被写界深度の変化によって生まれる画像が鮮鋭ではない状態を表す言葉としても使われています。
ツッコミの例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の誤りやとぼけを指摘して話の筋を進める役やその指摘を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、勢いよく突進することを表す言葉として使われることもあります。
ボケとツッコミは、どちらも「漫才における役割分担」を表します。どちらを使うか迷った場合は、とぼけた発言をする役割を表す場合は「ボケ」を、ボケの誤りなどを指摘する役割を表す場合は「ツッコミ」を使うと覚えておけば間違いありません。