似た日本語の「ご利用になられる」(読み方:ごりようになられる)と「ご利用になる」(読み方:ごりようになる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ご利用になられる」と「ご利用になる」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。
「ご利用になられる」と「ご利用になる」の違い
「ご利用になられる」は「ご利用になる」の間違い
「ご利用になられる」と「ご利用になる」の違いを分かりやすく言うと、「ご利用になられる」とは「ご利用になる」の間違った使い方、「ご利用になる」とは目上の人が利用するのを表現することです。
「ご利用になられる」は誤字
一般的には「ご利用になられる」という言葉は存在しません。読み方が似ていることから、「ご利用になる」のことを間違えて「ご利用になられる」を使っている人がほとんどです。
「ご利用になる」は正しい日本語
正しい言葉である「ご利用になる」を使った分かりやすい例としては、「必要に応じてご利用になるのがいいと思います」「こちらの椅子をご利用になる方はいますか」「こちらのサービスをご利用になることは可能ですか」などがあります。
「ご利用になる」という言葉はあっても、「ご利用になられる」という言葉は存在しません。同時に「ご利用になる」という単語の意味について「目上の人が利用するのを表現すること」と覚えておきましょう。
「ご利用になる」の英語表記
英語圏では敬語表現を使わないため、「ご利用になる」を直訳した英語はありませんが、近い表現として「make use of」「utilize」などがあります。
「ご利用になられる」の意味
「ご利用になられる」とは
「ご利用になられる」とは、「ご利用になる」の間違った使われ方です。
「ご利用になられる」が間違っている理由
「ご利用になられる」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「ご利用になる」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「ご利用になられる」と「ご利用になる」を間違ってしまう理由としては、より丁寧に表現しようとして敬語重ねてしまうのが原因です。ただし、「ご利用になられる」は二重敬語なので、間違った敬語の使い方と覚えておきましょう。
二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることです。
「ご利用なられる」の場合だと、「ご利用になる」が利用することの尊敬語であり、「られる」が尊敬の気持ちを表わす助動詞になります。そのため、「ご利用になる+られる」という「尊敬語+尊敬語」の例に当てはまり、二重敬語となってしまうので注意が必要です。
したがって、目上の人が利用するのを表現することの正しい敬語表現は「ご利用になる」と覚えておきましょう。
「ご利用になられる」の他にも、二重敬語として間違って使われている日本語はたくさんあります。例を挙げると、「お話になられる」「ご覧になられる」「お休みになられる」「お越しになられる」「おっしゃられました」などがあります。
二重敬語はより丁寧な言い回しに聞こえますが、敬語の過剰表現であり、まわりくどい印象を与えてしまうため適切ではありません。特にビジネスシーンで使ってしまうと、相手に悪い印象を与える可能もあるので気を付けましょう。
「ご利用になる」の意味
「ご利用になる」とは
「ご利用になる」とは、目上の人が利用するのを表現することを意味しています。
「ご利用になる」の使い方
「ご利用になる」を使った分かりやすい例としては、「こちらの席をご利用になることをお勧めします」「この機械をご利用になることは可能でしょうか」「社長は毎朝東横線をご利用になる」「部長は会社前のコンビニをよくご利用になる」などがあります。
「ご利用になる」は「利用する」を尊敬語にした表現で、目上の人が目上の人が何かを利用する場合に使う言葉です。尊敬語とは話し手が聞き手や話題の主のその動作や状態などを高めて待遇することを意味しています。
「ご利用になる」は基本的にビジネスシーンなどのかしこまった場面で使う言葉です。そのため、日常生活などのカジュアルな場面ではあまり使わないと覚えておきましょう。
「ご利用になる」は話し言葉と書き言葉どちらでも使える
「ご利用になる」は電話対応や接客などの話し言葉として使うことが多いですが、アンケートなどの書き言葉としても使うことが可能です。
例えば、お客様に店を訪れる理由を聞きたい場合などにアンケートで、「当店をご利用になる理由を教えてください」のような言い回しで使うことができます。
「ご利用になる」の類語
「ご利用になる」の類語・類義語としては、目上の人が効果的に利用することを意味する「ご活用する」、目上の人が人や物を使うことを意味する「ご使用になる」、目上の人がそのもののもつ機能を生かして用いることを意味する「ご運用する」などがあります。
「ご利用になられる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「ご利用になる」という言葉を間違えて「ご利用になられる」と表現している時などが挙げられます。
「ご利用になられる」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「ご利用になる」を間違えて使っている可能性が高いです。
「ご利用になられる」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「ご利用になられる」ではなく、「ご利用になる」と表現するのが正しい使い方になります。
「ご利用になる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、目上の人が利用するのを表現することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ご利用になる」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。
「ご利用になられる」と「ご利用になる」どちらを使うか迷った場合は、「ご利用になられる」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「ご利用になる」を使うようにしましょう。