似た意味を持つ「キャンセルさせてください」(読み方:きゃんせるさせてください)と「キャンセルさせていただきたく存じます」(読み方:きゃんせるさせていただきたくぞんじます)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「キャンセルさせてください」と「キャンセルさせていただきたく存じます」という言葉は、どちらも予定を取り消して欲しいとお願いすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「キャンセルさせてください」と「キャンセルさせていただきたく存じます」の違い
「キャンセルさせてください」と「キャンセルさせていただきたく存じます」の意味の違い
「キャンセルさせてください」と「キャンセルさせていただきたく存じます」の違いを分かりやすく言うと、「キャンセルさせてください」は目上の人に対して使うのは避けた方がいい表現、「キャンセルさせていただきたく存じます」は目上の人に対して使っても問題ない表現という違いです。
「キャンセルさせてください」と「キャンセルさせていただきたく存じます」の使い方の違い
一つ目の「キャンセルさせてください」を使った分かりやすい例としては、「諸事情により予約をキャンセルさせてください」「すみません、今回の参加はキャンセルさせてください」「急用が入ったため出席をキャンセルさせてください」などがあります。
二つ目の「キャンセルさせていただきたく存じます」を使った分かりやすい例としては、「説明会への参加をキャンセルさせていただきたく存じます」「今回はキャンセルさせていただきたく存じます」などがあります。
「キャンセルさせてください」と「キャンセルさせていただきたく存じます」の使い分け方
「キャンセルさせてください」と「キャンセルさせていただきたく存じます」はどちらも予定を取り消して欲しいとお願いすることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「キャンセルさせてください」は、正しい敬語表現ではあるものの、やや命令文口調である「ください」を使っているので、親しい上司、目下の人、立場が同等な人に対して使っても何も問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に使うのは避けた方がいい言葉になります。
一方、「キャンセルさせていただく存じます」はもらうの謙譲語「いただく」に、思うの敬語表現である「存じます」が合わさった柔らかい表現でう。そのため、目上の人に対して使っても問題ないと覚えておきましょう。
したがって、「キャンセルさせてください」は目上の人に対して使うのは避けた方がいい表現なのに対して、「キャンセルさせていただく存じます」は目上の人に対して使っても問題ない表現というのが違いになります。
「キャンセルさせてください」と「キャンセルさせていただきたく存じます」の英語表記の違い
「キャンセルさせてください」も「キャンセルさせていただきたく存じます」も英語にすると「Please allow me to cancel」となります。
「キャンセルさせてください」の意味
「キャンセルさせてください」とは
「キャンセルさせてください」とは、予定を取り消して欲しいとお願いすることを意味しています。
「キャンセルさせてください」の使い方
「キャンセルさせてください」を使った分かりやすい例としては、「急用が入ってしまったので週末の飲み会はキャンセルさせてください」「今回の注文はキャンセルさせてください」「申し訳ないのですが来月の約束をキャンセルさせてください」などがあります。
「キャンセルさせてください」は約束や予約を取り消すことを意味する「キャンセル」に、やりたいという気持ちを願い出ることを意味する「させてください」が合わさり、予定を取り消して欲しいとお願いすることの意味で使われている言葉です。
「キャンセルさせてください」は目上の人に使うのを避けた方がいい表現
「キャンセルさせてください」は丁寧な表現ではあるものの、目上の人に対して使うのは避けた方がいい表現になっています。なぜなら、「ください」という表現が命令形であるため、不快に思う人もいるからです。
そのため、ビジネスシーンなどで使いたいのであれば、直属の上司など近い関係の人にのみ使うようにしましょう。
もし、「キャンセルさせてください」を目上の人に対して使いたいのであれば、さらに丁寧な表現である「キャンセルさせていただきたく存じます」や「キャンセルさせていただけると幸いです」などを使うのが適しています。
「キャンセルさせてください」の類語
「キャンセルさせてください」の類語・類義語としては、撤回することを意味する「取り消しをお願いします」、予定していたことを辞めることを意味する「取り止め」などがあります。
「キャンセルさせていただきたく存じます」の意味
「キャンセルさせていただきたく存じます」とは
「キャンセルさせていただきたく存じます」とは、予定を取り消して欲しいとお願いすることを意味しています。
「キャンセルさせて頂きたく存じます」は誤用
「キャンセルさせていただきたく存じます」を「キャンセルさせて頂きたく存じます」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「行かせていただきます」の「いただきます」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
「キャンセルさせていただきたく存じます」の使い方
「キャンセルさせていただきたく存じます」を使った分かりやすい例としては、「お手数をおかけしますがキャンセルさせていただきたく存じます」「諸般の事情によりキャンセルさせていただきたく存じます」などがあります。
「キャンセルさせていただきたく存じます」は約束や予約を取り消すことを意味する「キャンセル」に、自身の何らかの動作を遠慮しながら行うことを意味する「させていただく」、思いますを丁寧な表現にした「存じます」が合わさった言葉です。
「キャンセルさせていただきたく存じます」は正しい敬語表現
「キャンセルさせていただきたく存じます」を二重敬語だと思う方がいるかと思いますが、二重敬語ではなく正しい敬語表現になります。二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることです。
「キャンセルさせていただきたく存じます」の「いただきたく存じます」は「いただく」と「存じる」の二つの言葉から成り立っているので、二重敬語の例に当てはまらないと覚えておきましょう。
したがって、「キャンセルさせていただきたく存じます」は正しい敬語表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うことも使うことができる言葉です。
「キャンセルさせていただきたく存じます」の類語
「キャンセルさせていただきたく存じます」の類語・類義語としては、予定を取り消して欲しいとお願いすることを意味する「キャンセルをお願いいたします」があります。
「キャンセルさせてください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、予定を取り消して欲しいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「キャンセルさせてください」は目上の人に対して使うのは避けた方がいい表現になります。
「キャンセルさせていただきたく存じます」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、予定を取り消して欲しいとお願いすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「キャンセルさせていただきたく存じます」は目上の人に対して使っても問題ない表現です。
「キャンセルさせてください」と「キャンセルさせていただきたく存じます」はどちらも予定を取り消して欲しいとお願いすることを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、目上の人に対して使うのは避けた方がいい表現なのが「キャンセルさせてください」、目上の人に対して使っても問題ない表現なのが「キャンセルさせていただきたく存じます」と覚えておきましょう。