【出向く】と【赴く】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「出向く」(読み方:でむく)と「赴く」(読み方:おもむく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「出向く」と「赴く」という言葉は、どちらも一定の位置へ向かって進むことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「出向く」と「赴く」の違い

「出向く」と「赴く」の意味の違い

「出向く」と「赴く」の違いを分かりやすく言うと、「出向く」はいずれは元の所に戻るというニュアンスがある、「赴く」はいずれは元の所に戻るというニュアンスがないという違いです。

「出向く」と「赴く」の使い方の違い

一つ目の「出向く」を使った分かりやすい例としては、「商品の説明をするために取引先へ出向く」「調査のために事故現場へ出向く」「先生がわざわざ出向いていただく」「必要であれば名古屋まで出向くつもりです」などがあります。

二つ目の「赴く」を使った分かりやすい例としては、「海路で韓国を経由してマレーシアへ赴く予定です」「病気がようやく快方へ赴く」「足の赴くままに川沿いを散歩しました」「彼女はただちに任地へ赴きました」などがあります。

「出向く」と「赴く」の使い分け方

「出向く」と「赴く」はどちらも一定の位置へ向かって進むことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「出向く」はその到着点に長い間いるのではなく、いずれは元の所に戻るという前提がある場合に使います。

一方、「赴く」は「日本語教師として海外赴く」のように、目的があってその地点へ移動するという意味で使います。こちらはいずれは元の所へ戻るというニュアンスはありません。

また、「赴く」は一定の位置へ向かって進むことの意味の他に、「病気が快方へ赴く」のような物事がある方向や状態に向かうことの意味も持っているのも違いの一つです。

「出向く」と「赴く」の英語表記の違い

「出向く」も「赴く」も英語にすると「go」「proceed」「get」「become」となり、例えば上記の「彼女はただちに任地へ赴きました」を英語にすると「She immediately proceeded to her new post」となります。

「出向く」の意味

「出向く」とは

「出向く」とは、自分の方から目的の場所へ行くことを意味しています。

「出向く」の読み方

「出向く」の読み方は「でむく」です。誤って「しゅっこうく」「しゅつむく」などと読まないようにしましょう

「出向く」の使い方

「出向く」を使った分かりやすい例としては、「ボランティアのために被災地へ出向く」「新任の支店長が着任の挨拶に出向く」「クライアントと会食のために横浜へ出向く」「取引先と面談のために空港へ出向く」などがあります。

「出向く」は自分の方から目的の場所へ行くことを意味する動詞です。

「出向く」はビジネスシーンにおいてもよく使われています。また、「取引先に出向くようにいたします」と敬語表現とセットで使うことで、目上の人に対しても使用することができると覚えておきましょう。

「出向く」の特徴

「出向く」はその到着点に長い間いるのではなく、いずれは元の所に戻るという前提があるというのが特徴です。

そのため、「遠距離恋愛をしている彼氏と同棲するために大阪へ出向く」のような使い方はしません。正しい使い方をしたいのであれば、「遠距離恋愛をしている彼氏と同棲するために大阪へ赴く」や「遠距離恋愛をしている彼氏と同棲するために大阪に行く」などを使うようにしましょう。

「出向く」の類語

「出向く」の類語・類義語としては、向こうへ移動することを意味する「行く」、式や行事などに参加して列席することを意味する「参列」、訪問することを意味する「顔出し」、ある目的をもつ集まりに一員として加わり行動をともにすることを意味する「参加」などがあります。

「赴く」の意味

「赴く」とは

「赴く」とは、ある場所や方角へ向かって行くことを意味しています。その他にも、物事がある方向や状態に向かうことの意味も持っています。

「赴く」の漢字表記

「赴く」は別の漢字表記で「趣く」とすることも可能です。

「赴く」の使い方

「戦地に赴く兵士の顔はみなこわばっていました」「緊急の案件があったので現場へ赴く」などの文中で使われている「赴く」は、「ある場所や方角へ向かって行くこと」の意味で使われています。

一方、「彼は心の赴くままに行動することが多い」「病気が快方に赴く」などの文中で使われている「赴く」は、「物事がある方向や状態に向かうこと」の意味で使われています。

「赴く」はある場所や方角へ向かって行くことや物事がある方向や状態に向かうことの二つの意味を持つ動詞です。

基本的に目的がある、もしくは行かなければならない理由があってある地点に移動するという場合に使うため、いずれは元の所に戻るというニュアンスがありません。そのため、戻ることが確定していない「戦地へ赴く」のような言い回しでも使われています。

「赴く」の特徴

「赴く」は常用漢字表に載っている言葉なので、公用文や新聞などでも使うことができるというのが特徴です。

「赴く」の由来

「赴く」の由来は、「面」(読み方:おも)+「向く」で、顔がその方向を向くことが来ています。それが転じて、ある場所や方向へ向かう意味になりました。

「赴く」の類語

「赴く」の類語・類義語としては、ある目的があってわざわざその場所へ行くことを意味する「訪ねる」、訪問することの丁寧な表現である「伺う」、仕事などをするためにある所に出向くことを意味する「出張る」などがあります。

「出向く」の例文

1.沈没事故を起こした会社の社長が、遺族の所に出向いて謝罪をしました。
2.この件を無事に解決するために、私が直接出向くことにしました。
3.トップや上司が自ら現場に出向くことで、場の緊張感を引き上げる。
4.これから取引先に出向くので、身なりはきちんとしている必要があります。
5.故人の家へ出向く前に、遺族に弔問の許可をとるのがマナーです。

この言葉がよく使われる場面としては、自分の方から目的の場所へ行くことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「出向く」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「赴く」の例文

1.戦場カメラマンとして戦地へ赴くからには、命を賭ける覚悟が必要だと思います。
2.とても天気が良かったので、足の赴くままにホテル周辺を散歩しました。
3.来年度から地方の支店に赴くことになったので、引っ越しの準備を始めました。
4.何事も経験が大事なので、若い頃は興味の赴くままに行動するのが良いと思っています。
5.彼の怪我快方に赴いているので、プレシーズンまでには復帰できると思いますよ。

この言葉がよく使われる場面としては、ある場所や方角へ向かって行くことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物事がある方向や状態に向かうことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「赴く」はある場所や方角へ向かって行くこと、例文4と例文5の「赴く」は物事がある方向や状態に向かうことの意味で使っています。

「出向く」と「赴く」はどちらも一定の位置へ向かって進むことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、いずれは元の所に戻るというニュアンスがあるのが「出向く」、いずれは元の所に戻るというニュアンスがないのが「赴く」と覚えておきましょう。

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