【支払う】と【払う】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「支払う」(読み方:しはらう)と「払う」(読み方:はらう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「支払う」と「払う」という言葉は、どちらも金銭を渡すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「支払う」と「払う」の違い

「支払う」と「払う」の意味の違い

「支払う」と「払う」の違いを分かりやすく言うと、「支払う」は義務的なニュアンスがある、「払う」は義務的なニュアンスがないという違いです。

「支払う」と「払う」の使い方の違い

一つ目の「支払う」を使った分かりやすい例としては、「タクシー代を代わりに支払う」「代金をクレジットカードで支払う」「今回は小切手で支払うことにしました」「マンションをローンで支払うことにしました」「借金を支払うことができました」などがあります。

二つ目の「払う」を使った分かりやすい例としては、「本棚の上の埃を払う」「食べ物に群がる虫を手で払う」「古い本を払うことにしました」「あなたはもっと注意を払うべきだと思います」「上着の塵をブラシで払う」などがあります。

「支払う」と「払う」の使い分け方

「支払う」と「払う」はどちらも金銭を渡すことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「支払う」は代金や債務としてのお金を相手に渡すことを意味しており、義務的なニュアンスがあります。一方、「払う」もお金を渡すことを意味していますが、義務的なニュアンスがないというのが違いです。

分かりやすい例を挙げると、お店で物を購入した際にお金を渡すのは義務なので「支払う」を使います。

一方、居酒屋で割り勘の話になった際に、「ここは私が払うよ」とすると、お店にお金を渡すのは義務であるものの、一緒に飲んだ人の代金を払うのは義務ではないので「払う」が正しい表現になります。

「支払う」と「払う」の英語表記の違い

「支払う」を英語にすると「pay」「shell out」となり、例えば上記の「借金を支払うことができました」を英語にすると「I feel a lot better now that I’ve paid off my loan」となります。

一方、「払う」を英語にすると「brush」「give」「pay」「devote」となり、例えば上記の「上着の塵をブラシで払う」を英語にすると「brush one’s jacket」となります。

「支払う」の意味

「支払う」とは

「支払う」とは、代金や料金を払い渡すことを意味しています。

表現方法は「現金で支払う」「クレジットカードで支払う」

「現金で支払う」「クレジットカードで支払う」などが、「支払う」を使った一般的な言い回しになります。

「支払う」の使い方

「支払う」を使った分かりやすい例としては、「公共料金を支払うためにコンビニへ向かう」「1千ドルの勘定を支払う」「従業員に給料を支払う」「毎月3万円の養育費を支払う」「車の代金300万円を支払う」「現金ではなくクレジットカードで支払う」などがあります。

「支払う」は代金や料金を払い渡すことを意味する動詞です。

「支払う」の特徴

「支払う」は代金を相手方に渡す場合に使う言葉で、義務的なニュアンスというのが特徴になります。

また、代金や債務の際によく使うと覚えておきましょう。

「支払う」の類語

「支払う」の類語・類義語としては、渡すべき金や物を受け取る側に渡すことを意味する「納める」、代金の支払いのことを意味する「会計」、相互の貸し借りを計算してきまりをつけることを意味する「清算」などがあります。

「払う」の意味

「払う」とは

「払う」とは、本体にとって邪魔なものを取り除くことを意味しています。

その他にも、わきへ追い退けること、横に勢いよく動かすこと、貴人の通行や密談などのために人をその場から去らせること、力で相手を恐れさせて押さえつけること、金銭を渡すこと、不要品などを売り渡すこと、自分の物を取り去ってそれまでいた所をあけることの意味も持っています。

さらに、ある目的のために大切なものを使うこと、心を向けたり注いだりすること、何もない状態になること、討伐することの意味も持っています。

表現方法は「手で払う」「敬意を払う」「お金を払う」

「手で払う」「敬意を払う」「お金を払う」などが、「払う」を使った一般的な言い回しになります。

「払う」の使い方

「駐輪場にあるクモの巣を払う」「手でハエを払う」などの文中で使われている「払う」は、「本体にとって邪魔なものを取り除くことやわきへ追い退けること」の意味で使われています。

一方、「彼はあたりを払う風貌をしている」「ご飯代は私が払うよ」などの文中で使われている「払う」は、「力で相手を恐れさせて押さえつけることや金銭を渡すこと」の意味で使われています。

「払う」は様々な意味を持つ動詞です。したがって、使う場面によって上手に意味を使い分けるようにしましょう。

「払う」の特徴

「払う」はとても幅広い範囲で使うことができる言葉です。

「払う」の類語

「払う」の類語・類義語としては、取ってなくすることを意味する「除く」、そこから他の場所へ移したり行かせたりすることを意味する「退ける」、投げて外へ出すことを意味する「放り出す」などがあります。

「支払う」の例文

1.現金で支払うよりもポイントが付いてお得なので、クレジットカードを使用するようにしています。
2.車の代金を一括で支払うのは厳しいので、24回払いにすることにしました。
3.妻と離婚する際に、毎月5万円の養育費を支払うことを約束しました。
4.賃貸物件の初期費用は、契約日当日までに支払う必要があります。
5.このお店はクレジットカードが使えないので、しぶしぶ現金で支払うことにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、代金や料金を払い渡すことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「払う」は義務的なニュアンスがある場合に使う言葉です。

「払う」の例文

1.パソコンの中に埃が溜まっていたので、エアダスターで払うことにしました。
2.戦争は大きな犠牲を払う割には、小さな成果しか得ることができないので、決して行ってはいけないと思う。
3.部下に人を払うようにお願いし、内密な話をすることにしました。
4.今年の春で大学を卒業するので、この下宿所から払うことになりました。
5.彼は私たちにとって偉大な人物なので、皆敬意を払う。

この言葉がよく使われる場面としては、本体にとって邪魔なものを取り除くことを表現したい時などが挙げられます。

その他にも、ある目的のために大切なものを使うこと、貴人の通行や密談などのために人をその場から去らせること、自分の物を取り去ってそれまでいた所をあけること、心を向けたり注いだりすることの意味も持っています。

例文1は本体にとって邪魔なものを取り除くこと、例文2はある目的のために大切なものを使うこと、例文3は貴人の通行や密談などのために人をその場から去らせること、例文4は自分の物を取り去ってそれまでいた所をあけること、例文5はを向けたり注いだりすることの意味で使っています。

「支払う」と「払う」はどちらも金銭を渡すことを意味しています。どちらの言葉を使うか迷った場合、義務的なニュアンスがあるのが「支払う」、義務的なニュアンスがないのが「払う」と覚えておきましょう。

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