【先触れ】と【前触れ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「先触れ」(読み方:さきぶれ)と「前触れ」(読み方:まえぶれ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「先触れ」と「前触れ」という言葉は、どちらも前もって知らせることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




先触れと前触れの違い

先触れと前触れの意味の違い

先触れと前触れの違いを分かりやすく言うと、先触れと前触れどちらも同じ意味を持つ言葉なのですが、前触れの方がよく使われているという違いです。

先触れと前触れの使い方の違い

一つ目の先触れを使った分かりやすい例としては、「先触れしてから訪問するのは大切です」「大地震が起きる先触れだろう」「この花が咲くのは春がくる先触れだ」「夏の先触れ」などがあります。

二つ目の前触れを使った分かりやすい例としては、「海洋生物が異常な行動をしている場合は地震が起こる前触れだ」「茶柱が立ったなら幸運が訪れる前触れだろう」「彼は前触れもなく音信普通になった」などがあります。

先触れと前触れは同じ意味を持つ言葉になります。そのため、互いに文章を置き換えても問題ないことが多いです。

例えば上記の、「大地震が起きる先触れだろう」を「大地震が起きる前触れだろう」と置き換えても、全く同じ意味を持つため問題はありません。

また、「茶柱が立ったなら幸運が訪れる前触れだろう」を「茶柱が立ったなら幸運が訪れる先触れだろう」と置き換えることも可能です。

先触れより前触れの方が一般的

先触れと前触れの違いとしては、前触れの方が一般的に使われていることです。また、先触れは室町時代や江戸時代に使われていたのも違いになります。

先触れと前触れの英語表記の違い

先触れを英語にすると「sign」となり、例えば上記の「夏の先触れ」を英語にすると「signs of summer 」となります。

一方、前触れを英語にすると「harbinger」「forerunner」となり、例えば上記の「地震の前触れ」を英語にすると「harbinger of the earthquake」となります。

先触れの意味

先触れとは

先触れとは、前もって知らせることを意味しています。その他にも、あとから来る物事を感じさせることの意味持っています。

先触れの使い方

「取引先へいく際には訪問日を先触れしておくことが重要です」「遅刻する場合は電話で先触れしておくのが常識です」などの文中で使われている先触れは、「前もって知らせること」の意味で使われています。

一方、「日食は不幸の先触れと言われている」「この花が咲いたということはそろそろ梅雨入りしそうですね」などの文中で使われている先触れは、「あとから来る物事を感じさせるこ」の意味で使われています。

先触れは室町時代や江戸時代の言葉

先触れは前もって知らせることと、あとから来る物事を感じさせることという二つの意味を持っています。ただし、今ではあまり使う機会のない言葉です。

また、先触れという言葉は、室町時代や江戸時代に役人が旅行する際、あらかじめ沿道の宿駅に人馬の継ぎ立てや休泊などを準備させるという意味でも使われていました。

先触れの類語

先触れの類語・類義語としては、物事が起こりそうな気配のことを意味する「兆し」、良いことが起こる前兆のことを意味する「幸先」、未来の事象を示すものとしての自然現象に現れる変化のことを意味する「予兆」などがあります。

先触れの先の字を使った別の言葉としては、先に立って案内することを意味する「先案内」、ある物事するより以前に行われることを意味する「先立つ」、少し前のことを意味する「先程」、これから起こるであろうことを予測することを意味する「先読み」などがあります。

前触れの意味

前触れとは

前触れとは、前もって知らせることを意味しています。その他にも、 何か事が起こるのを予想させるような出来事の意味も持っています。

前触れの使い方

「前触れしてから訪問しないとすれ違いになることがある」「何の前触れも無しく別れ話を切り出してきた」などの文中で使われている前触れは、「前もって知らせること」の意味で使われています。

一方、「大噴火の前触れとして地震が発生することがある」「ゾロ目を見つけた時は良いことが起こる前触れと言われている」などの文中で使われている前触れは、「何か事が起こるのを予想させるような出来事」の意味で使われています。

前触れは二つの意味を持つ言葉なのですが、どちらの意味でも使う機会があります。また、ビジネスシーンでも日常生活でも使うため、見かけたことがある人も多いはずです。

表現方法は「前触れも無く」「前触れ無しに」

前もって知らせることの意味で前触れを使う場合は、「前触れも無く」「前触れ無しに」などと表現するのが一般的です。

前触れの類語

前触れの類語・類義語としては、何かが起こる前に現れる印のことを意味する「前兆」、前もって告げ知らせることを意味する「予告」、未来の物事を予測して言うことを意味する「予言」、物事が起こる前触れのことを意味する「兆候」などがあります。

前触れの前の字を使った別の言葉としては、一つ前のことを意味する「前回」、ある物事が行われる前の評判のことを意味する「前評判」、前に挙げた例のことを意味する「前例」、ある特定の日の前の晩のことを意味する「前夜」などがあります。

先触れの例文

1.訪問日を先触れすることによって、相手が準備しやすくなるだろう。
2.この雷は梅雨明けの先触れに違いないはずだ。
3.地震の回数が増えてきたのは、火山がもう少しで噴火するという先触れだろう。
4.春に大雪が降るのは、何かかが起こる先触れなのだろうか。
5.初夏の先触れのような日々が続いてるので、夏物の商品がよく売れる。

この言葉がよく使われる場面としては、前もって知らせることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、あとから来る物事を感じさせることを表現したい時にも使います。

例文1は前もって知らせることの意味で使われています。また、例文2から例文5はあとから来る物事を感じさせることの意味で使っています。

前触れの例文

1.前触れしてから取引先を訪ねるのが、社会人としての常識です。
2.彼女が前触れも無く音信普通になったのだが、何か事件に巻き込まれたのだろうか。
3.小さな地震が多発するのは、大地震の前触れと言われています。
4.友達だと思っていた男性から、何の前触れも無しに告白されてとても驚いてる。
5.前触れの無い失神を繰り返す場合は、大きな病気にかかってる可能性が高いため、早めに検査を受けにいこう。

この言葉がよく使われる場面としては、前もって知らせることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、何か事が起こるのを予想させるような出来事を表現したい時に使います。

例文1は前もって知らせることの意味で使われています。特に、ビジネスシーンで前触れを使う場合は、前もって知らせることの意味で使うことが多いです。また、例文2のような、前触れも無くという表現方法はよく使われています。

先触れと前触れは全く同じ意味を持つ言葉なので、どちらを使っても問題はないです。ただし、どちらを使うか迷った場合には、一般的に使われてる前触れを使った方が相手に意味が伝わることが多いはずです。

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