【大事をとって】と【念のため】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「大事をとって」(読み方:だいじをとって)と「念のため」(読み方:ねんのため)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「大事をとって」と「念のため」という言葉は、どちらも注意を払って行動することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。

「大事をとって」と「念のため」の意味の違い




「大事をとって」と「念のため」の違い

「大事をとって」と「念のため」の違いを分かりやすく言うと、「大事をとって」よりも「念のため」の方が何か注意したい点や確認したい点が多い場合に使うという違いです。

「大事をとって」と「念のため」の使い方の違い

一つ目の「大事をとって」を使った分かりやすい例としては、「感染症の疑いがあるので大事をとってお休みします」「娘は熱が少しあるので大事をとって学校をお休みさせました」「今日は大事をとって早めに寝ることにしました」などがあります。

二つ目の「念のため」を使った分かりやすい例としては、「念のためもう一度確認していただけると幸いです」「念のため私の携帯電話の番号を教えておきますね」「念のためこの事件をもう一度調べることにしました」「念のため机の裏を探してみました」などがあります。

「大事をとって」と「念のため」の使い分け方

「大事をとって」と「念のため」はどちらも注意を払って行動することを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、何か注意したい点や確認したい点がある場合には「念のため」の方を使うことが多い点です。

ただし、「大事をとって」と「念のため」はほぼ同じ意味を持つ言葉なので、置き換えて使用しても問題ないと覚えておきましょう。

「大事をとって」と「念のため」の英語表記の違い

「大事をとって」を直訳した英語はありませんが、近い表現として「play it safe」「being carefu」などがあります。

一方、「念のため」を英語にすると「just to make sure」「by way of precaution」となり、例えば上記の「念のため机の裏を探してみました」を英語にすると「I searched behind the desk just to make sure that nothing was there」となります。

「大事をとって」の意味

「大事をとって」とは

「大事をとって」とは、軽々しく物事をしないことを意味しています。

表現方法は「大事をとって休む」「大事をとって欠席」

「大事をとって休む」「大事をとって欠席」などが、「大事をとって」を使った一般的な言い回しになります。

「大事をとって」の使い方

「大事をとって」を使った分かりやすい例としては、「部下の体調が思わしくないため大事をとって早退させました」「あの企業は良くない噂があるので大事を取って取引を中止することにしました」「大きな怪我ではなかったが大事をとって今日は安静にしておきます」などがあります。

「大事をとって」は重大な事柄のことを意味する「大事」に、うまく動かして事を行うことを意味する「取る」が合わさり、軽々しく物事をしないことを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「大事をとって」はビジネスシーンと日常生活のどちらでも使うことができる言葉です。また、前後の文章を敬語表現にすることによって、目上の人に対しても使うことができると覚えておきましょう。

「大事をとって」は「大事をとってお休みします」のように、風邪や体調不良で会社や学校を休む言い回しとしてよく使われています。

「大事をとって」の特徴

「大事をとって」は自分を大事にするというニュアンスと勘違いしやすいですが、そうではなく、非常事態を避けるというニュアンスで使う言葉です。そのため、自分も他人に対しても使うことができます。

「大事をとって」の類語

「大事をとって」の類語・類義語としては、注意深く行動することを意味する「慎重に行動する」、危険が起こらないようにあらかじめ考えた行動をすることを意味する「安全策を取る」などがあります。

「念のため」の意味

「念のため」とは

「念のため」とは、大丈夫ではあるが注意をしながら行動することを意味しています。

「念のため」の漢字表記

「念のため」を漢字にすると、「念の為」と表記することができます。

表現方法は「念のため休む」「念のため確認」

「念のため休む」「念のため確認」などが、「念のため」を使った一般的な言い回しになります。

「念のため」の使い方

「念のため」を使った分かりやすい例としては、「念のため一本早い電車で向かうことにしました」「念のため余分に購入することにしました」「念のため緊急時の連絡先をお聞きしてもよろしいでしょうか」「提出期限が迫っているので念のためお知らせいたします」などがあります。

「念のため」は注意することを意味する「念」に、原因や理由のことを意味する「ため」が合わさり、一層注意して確かめることを意味する慣用句です。

「念のため」はビジネスシーンと日常生活のどちらでも使うことができる言葉です。また、前後の文章を敬語表現にすることによって、目上の人に対しても使うことができると覚えておきましょう。

「念のため」の特徴

「念のため」は電話や口頭などの話し言葉として使うのが一般的です。そのため、メールなどの書き言葉として使わないように注意しましょう。

「念のため」の対義語

「念のため」の類語・類義語としては、用心の上にも用心深く物事を行うことを意味する「石橋を叩いて渡る」、めったにないことが起こるのに備えることを意味する「万が一に備えて」、注意して確かめることを意味する「念押し」などがあります。

「大事をとって」の例文

1.新作ゲームの発売予定日は来月だが、テスト結果が不十分なため、大事をとって延期することにしました。
2.熱はそこまで高くないですが、今日は大事をとってお休みさせていただきます。
3.息子は熱があるみたいなので、大事をとって学校をお休みさせることにしました。
4.エース選手が腰の張りがあると訴えたていたので、大事をとって欠場させることにしました。
5.検査の結果大した怪我ではなかったものの、大事をとって一日休むことにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、軽々しく物事をしないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「大事をとって」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「念のため」の例文

1.今何も症状はないが頭をぶつけたので、念のため病院で検査してもらうことにしました。
2.メニューの表に時価と記載してあったので、念のため値段を聞くことにしました。
3.プレゼンの資料が完成しましたので、念のためご確認いただけますと幸いです。
4.念のため確認ですが、明日は13時に東京駅でよろしかったでしょうか。
5.台風の影響で電車が動かない可能性があるので、念のため前日入りすることにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、大丈夫ではあるが注意をしながら行動することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「念のため」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「大事をとって」と「念のため」はどちらも注意を払って行動することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「大事をとって」よりも「念のため」の方が何か注意したい点や確認したい点が多い場合に使うと覚えておきましょう。

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