似た意味を持つ「一律」(読み方:いちりつ)と「一定」(読み方:いってい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「一律」と「一定」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
一律と一定の違い
一律と一定の意味の違い
一律と一定の違いを分かりやすく言うと、一律とは全てが同じで例外がないこと、一定とは一つに定まって変わらないことという違いです。
一律と一定の使い方の違い
一つ目の一律を使った分かりやすい例としては、「国民への一律給付が決まった」「ストーリーが千篇一律な小説は面白くない」「増税に伴い全ての商品を一律20円値上げ致します」「このバスは一律な速度で走り続けている」などがあります。
二つ目の一定を使った分かりやすい例としては、「一定の評価が与えられました」「一定時間使わないと画面がロックされる」「仕事で一定の成果を上げました」「この薬は一定の効果があります」「一定の間隔を空ける」などがあります。
一律と一定は似ている言葉ですが、意味が違うので使う際には注意してください。一律は「全てが同じで例外がないこと」「物事の調子が一律で変化がないこと」の意味で使います。
もう一方の一定は、「一つに定まって変わらないこと」「順序や方法などが決まっていること」「ある傾向や状態に落ち着くこと」の意味で使います。
一律と一定の英語表記の違い
一律を英語にすると「uniform」となり、例えば上記の「国民への一律給付が決まった」を英語にすると「uniform payment to the people has been decided」になります。
一定を英語にすると「certain」「constant」「fixed」などがあり、例えば上記の「仕事で一定の成果を上げました」を英語にすると「I achieved a certain amount of work」となります。
一律の意味
一律とは
一律とは、全てが同じで例外がないことを意味しています。その他にも、一つの音律や物事の調子が一律で変化がないことの意味も持っています。
表現方法は「全国一律」「一律料金」「一律値引き」
「全国一律」「一律料金」「一律値引き」などが、一律を使った一般的な言い回しです。
一律の使い方
「全国一律料金で承ります」「顧客は一律に扱っています」「一律割引サービスが終了しました」などの文中で使われている一律は、「全てが同じで例外がないこと」の意味で使われています。
一方、「あの車は一律な速度で走っている」「この映画はストーリーが千篇一律であまり楽しめない」などの文中で使われている一律は、「物事の調子が一律で変化がないこと」の意味で使われています。
一律は三つの意味を持っているのですが、主に使われているのは、「全てが同じで例外がないこと」「物事の調子が一律で変化がないこと」の二つの意味になっています。
四字熟語「千篇一律」の意味
一律を使った四字熟語としては、「千篇一律」(読み方:せんぺんいちりつ)があります。千篇一律とは、多くの芸術作品がどれも同じ調子で変わりばえしないこと、それが転じてどれをとっても皆同じようでつまらないという意味です。
一律の類語
一律の類語・類義語としては、全く同じ様子であることを意味する「一様」、質や量などがどれも同じ様子であることを意味する「均一」、個々の事情や個性を考慮しないで全てを同じに揃えることを意味する「画一」(読み方:がくいつ)などがあります。
一律の律の字を使った別の言葉としては、楽音の調子のことを意味する「音律」、定められた規則や法則のことを意味する「定律」、規約が守られず乱れていることを意味する「不規律」、人の行為の基準として定められたものを意味する「規律」などがあります。
一定の意味
一定とは
一定とは、一つに定まって変わらないことを意味しています。その他にも、順序や方法などが決まっていることやある傾向・状態に落ち着くことを意味しています。
一定の使い方
「一定の収入を保証致します」「上司から一定の分量の仕事を任されました」「この商品は価格が一定している」などの文中で使われている一定は、「一つに定まって変わらないこと」の意味で使われています。
一方、「あのグループは常に一定した人気を保っている」「一定の方針が決まりしたのでご報告致します」「一定レベルのパフォーマンスを保っている」などの文中で使われている一定は、「順序や方法などが決まっていることやある状態に落ち着くこと」の意味で使われています。
一定は三つの意味を持っているのですが、どの意味でもよく使われています。「一つに定まって変わらないこと」「順序や方法などが決まっていること」「ある傾向や状態に落ち着くこと」と三つの意味をしっかりと覚えておきましょう。
「一定の期間」の意味
一定という言葉は、「一定の期間」と表現することが多いです。「一定の期間」はどのくらいだろうと気になる人も多いはずですが、何日から何か月という決まりはなくある程度の期間のことを指しています。
表現方法は「一定の評価」「一定の成果」「一定の見解」
「一定の期間」の他に「一定の評価」「一定の成果」「一定の見解」などが、一定を使った一般的な言い回しです。
一定の読み方
一定の読み方は「いってい」が一般的ですが、古文などでは「いちじょう」と読まれていました。辞書にも載っているため、「いちじょう」という読み方もあると覚えておいてください。
一定の対義語
一定の対義語・反対語としては、決まっていないことを意味する「不定」があります。
一定の類語
一定の類語・類義語としては、一つの位置に止まって動かないことを意味する「固定」、普段のことを意味する「常々」、同じ態度や状態が始めから終わりまで続くことを意味する「終始」、一日中のことを意味する「四六時中」などがあります。
一定の定の字を使った別の言葉としては、物事が落ち着いていて激しい変化のないことを意味する「安定」、はっきり定まることを意味する「確定」、物事を一定の形に定めることを意味する「規定」、物事をはっきり決めることを意味する「決定」などがあります。
一律の例文
この言葉がよく使われる場面としては、全てが同じで例外がないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、一つの音律や物事の調子が一律で変化がないことを表現したい時に使います。
例文1から例文3は全てが同じで例外がないことの意味で使われています。また、例文4と例文5は物事の調子が一律で変化がないことの意味で使われています。一律は主にこの二つの意味で使う言葉になります。
一定の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一つに定まって変わらないことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、順序や方法などが決まっていることやある傾向や状態に落ち着くことを表現したい時にも使います。
例文2は一つに定まって変わらないことの意味で使われています。また、例文5は順序や方法などが決まっていることの意味で使われています。例文1、例文3、例文4は傾向や状態に落ち着いた意味で使っています。
一律と一定どちらを使うか迷った場合は、全てが同じで例外がないことや物事の調子が一律で変化がないことを表現したい時には「一律」、一つに定まって変わらないこと、順序や方法などが決まっていること、ある傾向や状態に落ち着くことを表現したい時には「一定」を使ってください。