似た意味を持つ「インモラル」と「アンモラル」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「インモラル」と「アンモラル」という言葉は、「不道徳な様子」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
インモラルとアンモラルの違い
インモラルとアンモラルの違いを分かりやすく言うと、インモラルは不道徳であることを表現する時に使い、アンモラルは道徳とは関係のないことを表現する時に使うという違いです。
一つ目のインモラルを使った分かりやすい例としては、「インモラルな人たちとは付き合わないよう親に言われた」「インモラルな関係を題材にしたマンガは妹のものだ」「インモラル映画は年齢制限がされていた」などがあります。
二つ目のアンモラルを使った分かりやすい例としては、「アンモラルな問題だと考えられているが間違いだろうと思う」「アンモラルな店舗に警察がぞろぞろ入っていった」「アンモラルな人間関係は築き上げないでほしい」などがあります。
インモラルとアンモラルはどちらも、不道徳な様子を意味する言葉ですが、ニュアンスが若干異なります。
インモラルは、不道徳な様子や背徳的な様子を意味します。上記例文の「インモラルな人たち」「インモラルな関係」「インモラル映画」などのように、倫理に反しているといったネガティブな意味で使われる言葉です。
一方のアンモラルも、反道徳的な様子を意味し、上記例文の「アンモラルな店舗」「アンモラルな人間関係」などのように使われています。本来は道徳的であるか不道徳的であるかは関係ないことを表すため、ポジティブな意味でもネガティブな意味でもありません。
つまり、インモラルは道徳的ではない様子を表し、アンモラルは道徳とは関係ない様子を表すという違いがありますが、どちらも同じように「反道徳な様子」を表し、ネガティブな意味の言葉として使われることがほとんどです。
インモラルを英語にすると「immoral」となり、例えば上記の「インモラルな人」を英語にすると「immoral persons」となります。
一方、アンモラルを英語にすると「unmoral」「amoral」となり、例えば上記の「アンモラルな問題」を英語にすると「amoral issues」となります。
インモラルの意味
インモラルとは、不道徳な様子を意味しています。
インモラルを使った分かりやすい例としては、「インモラルな世界は日常生活では見えないところにも広がっているのかもしれない」「インモラルな話を聞いて、彼女を止められるのは自分だけなのかもしれないと思った」などがあります。
その他にも、「インモラルな関係とは程遠い人生を送っている」「インモラルな空間にいると居たたまれない気持ちになる」「このゲームのインモラルな部分は誰もが受け入れることができるとは断言できない」などがあります。
インモラルは英語で「immoral」と表記され、「道徳に反する」「不品行な」「ふしだらな」といった意味を持ちます。日本語でも同じように、性的な意味で不道徳である場合や倫理観が欠如している様子を表す言葉として使われています。
英語における接頭語の「in」は伴う語の反対の意味を持つようになり、その語が「p」「b」「m」で始まる場合に「im」と変化します。そのため、「善悪の基準である道徳」「品行方正な」という意味を持つ「モラル」とは正反対の意味を持ちます。
インモラルの対義語・反対語としては、道徳や倫理を意味する「モラル」があります。
インモラルの類語・類義語としては、疑わしい様子や信用できない様子を意味する「いかがわしい」、良心に基づく道義に背いた行いや心を意味する「不徳義」、下品で卑しいことを意味する「下劣」などがあります。
アンモラルの意味
アンモラルとは、反道徳的な様子を意味しています。
その他にも、道徳的であるか不道徳的であるかは関係ないことを意味する言葉です。
「アンモラルな職に就く主人公を題材としたアニメを見る」「映画などではアンモラルな設定が多い」「アンモラルな言動を考えるとあまり近づけたくない」などの文中で使われているアンモラルは、「反道徳的な様子」の意味で使われています。
一方、「宗教はアンモラルであり、文化である」「アンモラルな判断を求められているのだろう」「アンモラルであることで公正な判断ができるのではないだろうか」などの文中で使われているアンモラルは、「道徳と関係ない様子」の意味で使われています。
アンモラルは英語で「unmoral」「amoral」と表記され、「道徳に関係のない」という意味を持つ言葉です。日本語では「超道徳的なさま」を表すよりも、「不道徳であるさま」といった意味で使われることが多い言葉です。
英語における接頭語の「un」は伴う語の反対の意味を持つようになり、同じく接頭語の「a」は対立の意味を持たせることができますが、どちらも性質や状態を失った状態も表します。
そのため、「道徳的な」という意味の「モラル」とは正反対の「不道徳であるさま」という意味を持つだけでなく、「道徳とは関係のない様子」を表す言葉としても使われています。
アンモラルの対義語・反対語としては、人の行うべき正しいことを意味する「道義」、礼儀作法を意味する「エチケット」があります。
アンモラルの類語・類義語としては、倫理や道徳から外れている状態を意味する「モラルに欠ける」、従うべきものに背くことを意味する「背反」、人の道に外れることを意味する「不道」などがあります。
インモラルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、不道徳な様子を意味する時などが挙げられます。
どの例文のインモラルも、アンモラルと言い換えて使うことができます。
アンモラルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、反道徳的な様子を意味する時などが挙げられます。
例文4と5のように、道徳とは関係のない様子を表す言葉として使われることもあります。
インモラルとアンモラルは、どちらも「不道徳な様子」を表します。どちらを使うか迷った場合は、不道徳であることのみを表す場合は「インモラル」を、道徳とは関係のないことも表す場合は「アンモラル」を使うと覚えておけば間違いありません。