似た意味を持つ「コラージュ」と「モンタージュ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「コラージュ」と「モンタージュ」という言葉は、「複数のものを一つにまとめる芸術技法」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
コラージュとモンタージュの違い
コラージュとモンタージュの意味の違い
コラージュとモンタージュの違いを分かりやすく言うと、コラージュは画像や絵画に対して使い、モンタージュは映像や音声に対して使うという違いです。
コラージュとモンタージュの使い方の違い
一つ目のコラージュを使った分かりやすい例としては、「友人はコラージュ画像をたくさん持っている」「フローラル・コラージュで使われるのは植物素材だ」「ブリコラージュはありあわせのもので新しく作り上げるや修繕することだ」などがあります。
二つ目のモンタージュを使った分かりやすい例としては、「フォトモンタージュをどう作ったのか尋ねられた」「モンタージュ編集で動画と音声を合うように編集した」「モンタージュ技法は今日では多くの場面で用いられている」などがあります。
コラージュとモンタージュの使い分け方
コラージュとモンタージュはどちらも、複数のものを一つの作品としてまとめる技法を指す言葉ですが、使い方が若干異なります。
コラージュは、あらゆる素材を組み合わせて作品を構成する技法を指します。上記例文の「フローラル・コラージュ」のように花や草など平面的なものではない素材を用いるのが特徴です。その他にも、複数の写真を合成した画像を指す言葉としても使われています。
一方のモンタージュは、複数のカットを組み合わせる手法を指します。上記例文の「モンタージュ編集」「モンタージュ技法」は映像作品や音声作品の編集に際して使われていますが、「フォトモンタージュ」のように写真に対しても用いられる言葉です。
つまり、コラージュは画像や絵画作品を指し、モンタージュは映像や音声作品を指すという違いがあります。
また、「フォトモンタージュ」のように、写真作品に対して用いることもあり、コラージュに含まれるものと考えられることもあります。そのため、コラージュは写真以外も用いるのに対して、モンタージュは写真のみを用いて構成されると区別することもあります。
コラージュとモンタージュの英語表記の違い
コラージュを英語にすると「collage」となり、例えば上記の「コラージュ画像」を英語にすると「a collage image」となります。
一方、モンタージュを英語にすると「montage」となり、例えば上記の「フォトモンタージュ」を英語にすると「photo montage」となります。
コラージュの意味
コラージュとは
コラージュとは、あらゆる素材を組み合わせて作品を構成する技法を意味しています。
その他にも、コンピュータ上で複数の写真を合成した画像を意味する言葉として使われています。
コラージュの使い方
「ピカソらが始めた技法がコラージュの起源とされている」「コラージュは今ではモンタージュと混同されている」「コラージュアートの例を調べている」などの文中で使われているコラージュは、「複数の素材を組み合わせる技法」の意味で使われています。
一方、「コラージュで被写体となった人物に手を加えて悪く見せるようなものは苦手だ」「コラージュ画像はネタとして扱い、本気にしてはならない」などの文中で使われているコラージュは、「複数の写真を合成した画像」の意味で使われています。
コラージュは英語で「collage」と表記され、「新聞の切り抜きや写真などを貼り付ける技法」を意味する言葉です。日本語でも同じように使われていますが、技法ではなく、複数の素材で構成された作品を指すこともあり、「コラ」と省略されることもあります。
コラージュの語源
フランス語で「のりを貼り付ける」という意味の「coller」が語源となった言葉です。台紙に紙片や木片などを貼り付けていた技法「パピエ・コレ」が発展し、植物や針金など平面だけではなく立体へアプローチする技法となったのが「コラージュ」です。
表現方法は「コラージュアプリ」「コラージュ画像」
今日ではSNSが普及して画像を投稿する機会が増えたことから、上記例文の「コラージュアプリ」「コラージュ画像」「コラージュする」などのように、「複数の画像を合成および加工して一枚の画像にすること」を表す言葉として多く使われています。
コラージュの類語
コラージュの類語・類義語としては、キャンバスに新聞紙などの紙片を貼り付ける技法を意味する「パピエ・コレ」、既製品や廃品を寄せ集めて美術作品を作ることを意味する「アッサンブラージュ」などがあります。
モンタージュの意味
モンタージュとは
モンタージュとは、複数のカットを組み合わせる手法を意味しています。
モンタージュの使い方
モンタージュを使った分かりやすい例としては、「モンタージュを用いた映画の具体例を聞きたい」「モンタージュで描かれることで限られた時間の中で伝えたいことを伝えられる」「モンタージュは過去の出来事を簡潔に伝えられる手法だ」などがあります。
その他にも、「モンタージュ写真はどうも昔から苦手である」「モンタージュによって作られた犯人の写真が指名手配書に載るそうだ」「モンタージュを製作するのは昔よりもコンピュータのおかげで楽になったと言える」などがあります。
モンタージュは英語で「montage」と表記され、「異なった種々の画面を並べて一つの画面にまとめる手法」「モンタージュによる作品」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われ、特に映像や音声作品を指す言葉として使われています。
映像においては必要な情報を限られた時間の中で伝えるために用いられる技法であり、そのシーンをより魅力的に展開したり、別の場所で同時期に展開されている物語を伝えたりなど、様々な効果をもたらします。
モンタージュは写真に対しても使える
また、犯人を目撃した人の証言から顔立ちなどについて似ているものを集めて合成して作られる写真を意味する警察用語として使われることもあり、映像や音声だけでなく写真に対して用いられることもあります。
モンタージュの類語
モンタージュの類語・類義語としては、テレビや映画における一続きの場面を意味する「カット」、劇や映画などの場面を意味する「シーン」、撮影された一続きの画像を意味する「ショット」などがあります。
コラージュの例文
この言葉がよく使われる場面としては、あらゆる素材を組み合わせて作品を構成する技法を意味する時などが挙げられます。
例文3から5のように、コンピュータ上で複数の写真を合成した画像を意味する言葉として使われています。
モンタージュの例文
この言葉がよく使われる場面としては、複数のカットを組み合わせる手法を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のように、何枚かの写真から一部分ずつを切り貼りして合成された写真や似顔絵を意味する言葉としても使われています。
コラージュとモンタージュは、どちらも「複数のものを一つにまとめる芸術技法」を表します。どちらを使うか迷った場合は、画像や絵画に対して使う場合は「コラージュ」を、映像や音声に対して使う場合は「モンタージュ」を使うと覚えておけば間違いありません。