【全くをもって】と【全くもって】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た日本語の「全くをもって」(読み方:まったくをもって)と「全くもって」(読み方:まったくもって)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「全くをもって」と「全くもって」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。




「全くをもって」と「全くもって」の違い

「全くをもって」は「全くもって」の間違い

「全くをもって」と「全くもって」の違いを分かりやすく言うと、「全くをもって」とは「全くもって」の間違った使い方、「全くもって」とは全くを強めた言い方のことです。

「全くをもって」は誤字

一般的には「全くをもって」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「全くもって」のことを間違えて「全くをもって」を使っている人がほとんどです。

「全くもって」は正しい日本語

正しい言葉である「全くもって」を使った分かりやすい例としては、「これは全くもって迷惑な話だと思います」「そのニュースには全くもって驚かされました」「全くもって興味がありません」「あなたのご意見に全くもって同感です」などがあります。

「全くもって」という言葉はあっても、「全くをもって」という言葉は存在しません。同時に「全くもって」という単語の意味について「全くを強めた言い方のこと」と覚えておきましょう。

「全くもって」の英語表記

「全くもって」を英語にすると「at all」「as a matter of fact」「really」「perfectly」となり、例えば上記の「全くもって興味がありません」を英語にすると「I’m not at all interested」となります。

「全くをもって」の意味

「全くをもって」とは

「全くをもって」とは、「全くもって」の間違った使われ方です。

「全くをもって」が間違っている理由

「全くをもって」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「全くもって」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「全くをもって」と「全くもって」を間違ってしまう理由としては、表記や読み方が似ているのが原因です。ただし、正しい日本語は「全くもって」なので、間違いないように注意しましょう。

ではなぜ「全くをもって」が間違った言葉かというと、「全くもって」は全くを強めた言い方のことで、ある事実や判断を強調する気持ちを表す場合に使います。

一方、「全くをもって」としてしまうと、「をもって」は区切りや限界を表す言葉なので、ある事実や判断を強調する気持ちが限界になるという意味不明な言葉になってしまうのです。

したがって、「全くをもって」は間違った日本語なのに対して、「全くもって」が正しい日本語であると覚えておきましょう。

間違った言葉である「全くをもって」の「をもって」使った分かりやすい例文としては、「本日はこれをもって終了とさせていただきます」「結果に関しては書面をもって通知いたします」「誠意をもって交渉に当たるつもりです」などがあります。

「全くもって」の意味

「全くもって」とは

「全くもって」とは、全くを強めた言い方のことを意味しています。

「全くもって」の漢字表記

「全くもって」を漢字にすると「全く以て」と表記することができます。

表現方法は「全くもってその通り」「全くもって大丈夫」「全くもって問題ない」

「全くもってその通り」「全くもって大丈夫」「全くもって問題ない」などが、「全くもって」を使った一般的な言い回しになります。

「全くもって」の使い方

「全くもって」を使った分かりやすい例としては、「最近の若者は全くもって根性がない人ばかりだ」「彼はいい加減な男なので全くもって信用できません」「この記事は全くもって事実ではありません」「彼女の言っていることは全くもって事実ではない」などがあります。

「全くもって」は全くを強めた言い方のことで、「全く」はある事実や判断を強調する気持ちを表すことを意味する副詞です。副詞とは品詞の一つであり、他の言葉を修飾して説明を加えるという役割を担っています。

「全くもって」は「全くもって関係ない」「全くもって理解できない」「全くもって知らない」などのように、否定的な意味を強める場合に使うことが多い言葉になります。したがって、マイナスなイメージを伴っていることが多いと覚えておきましょう。

「全くもって」の特徴方

「全くもって」はビジネスシーンにおいてはあまり使用されず、日常的な会話において使われることが多い言葉です。また、会話などの話し言葉としてだけではなく、文章などの書き言葉としても使うことができます。

「全くもって」の類語

「全くもって」の類語・類義語としては、少しものことを意味する「全然」、程度が甚だしいことを意味する「本当に」、まさしくその状態であることを意味する「まるで」、完全な否定を表すことを意味する「少しも」などがあります。

「全くをもって」の例文

1.「全くをもって」という言葉は存在しないので、おそらく「全くもって」の言い間違いだろう。
2.「全くもって」という言葉は全くを強めた言い方のことで、「全くをもって」という言葉はない。
3.「全くをもって」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.その話は全くをもって関係ありませんという言葉を使う人はいるが、正しくはその話は全くもって関係ありませんです。
5.彼女が言ってることは全くもって理解できないという言葉はあるが、彼女が言ってることは全くをもって理解できないという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「全くもって」という言葉を間違えて「全くをもって」と表現している時などが挙げられます。

「全くをもって」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「全くもって」を間違えて使っている可能性が高いです。

「全くをもって」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「全くをもって」ではなく、「全くもって」と表現するのが正しい使い方になります。

「全くもって」の例文

1.彼は感情的で全くもって話にならないので、弁護士を通して話し合いをすることにしました。
2.この報道は全くもって事実無根なので、刑事告訴に逆告訴することにしました。
3.お恥ずかしい話ですが、彼の言うことは全くもってその通りです。
4.彼女の言っていることが全くもって理解できないので、これ以上仲良くなることはないだろう。
5.この事件とは全くもって関係がないので、遺憾の意を表する。

この言葉がよく使われる場面としては、全くを強めた言い方のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「全くもって」はマイナスなイメージで使われることが多い言葉です。

「全くをもって」と「全くもって」どちらを使うか迷った場合は、「全くをもって」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「全くもって」を使うようにしましょう。

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