似た意味を持つ「ロスタイム」と「アディショナルタイム」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ロスタイム」と「アディショナルタイム」という言葉は、「競技時間と見なされない時間」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ロスタイムとアディショナルタイムの違い
ロスタイムとアディショナルタイムの意味の違い
ロスタイムとアディショナルタイムの違いを分かりやすく言うと、ロスタイムは日本のみで用いられていた表現であり、アディショナルタイムは世界的に用いられている表現であるという違いです。
ロスタイムとアディショナルタイムの使い方の違い
一つ目のロスタイムを使った分かりやすい例としては、「ロスタイム中の得点はしっかりカウントされる」「長いロスタイムは選手たちに負担が掛からないのだろうか」「人生のロスタイムという表現よりも老後や余生の方が好きだ」などがあります。
二つ目のアディショナルタイムを使った分かりやすい例としては、「アディショナルタイム7分は長いと聞いた」「いつからかアディショナルタイムと呼ばれるように変化していった」「前後半合わせて平均アディショナルタイムは4分らしい」などがあります。
ロスタイムとアディショナルタイムの使い分け方
ロスタイムとアディショナルタイムはどちらも、競技時間として見なされない時間を表し、意味や使い方は同じです。強いて言えば、前者は日本でのみ用いられていた表現であり、後者は世界的な表現と言えます。
ロスタイムは、試合時間中に空費された時間を表しますが、日本でのみ使われていた表現で、今日ではメディアでも別の表現が用いられるようになりました。その他にも、空費時間を意味する言葉として広義的に使われています。
一方のアディショナルタイムは、追加時間を表します。ロスタイム同様に試合時間中に選手交代などに掛かった時間を指します。世界的な表現であり、2010年に日本サッカー協会によって用いられた表現であることからも統一されるようになりました。
ロスタイムとアディショナルタイムの英語表記の違い
つまり、ロスタイムは日本のみで用いられていた試合中断時間を指し、アディショナルタイムは世界的に用いられている試合中断時間と同等の追加時間を指すという違いがあります。
ロスタイムとアディショナルタイムを英語にすると「additional time」となり、例えば上記の「アディショナルタイム7分」を英語にすると「seven minutes of additional time」となります。
ロスタイムの意味
ロスタイムとは
ロスタイムとは、競技時間に勘定されない時間を意味しています。
その他にも、無駄な時間や、余計な時間を意味する言葉として使われています。
ロスタイムの使い方
「ロスタイムの平均時間は4分程度だそうだ」「サッカーのロスタイムは最終的に時間が追加される」「後半のロスタイムに奇跡のゴールで逆転勝利を収めていた」などの文中で使われているロスタイムは、「競技時間と見なされない時間」の意味で使われています。
一方、「普段の生活中のロスタイムを計測してみようと思っている」「ロスタイムの解消を目指し残業をゼロにしたいと思っている」「ロスタイムで間に合わないことも視野に入れる」などの文中で使われているロスタイムは、「無駄な時間」の意味で使われています。
ロスタイムは和製英語
ロスタイムは英語で「loss of time」と表記されますが、日本でのみ使われていた和製英語です。サッカーやラグビーなどの試合において選手の交代やケガの手当てなどの試合外の時間が「空費された時間」と呼ばれていたことに由来します。
国際的には別の表現が用いられいることや、日本サッカー協会の審判委員会が2010年に「アディショナルタイム」と表現し始めたことから、ロスタイムという表現は特にメディアなどにおいては用いられなくなりました。
また、やむを得ず試合外で時間を使うことになることも多い中で、「ロス」という語がネガティブな表現であることからも、アディショナルタイムや追加時間などの別の表現が用いられることが多くなっています。
ロスタイムに似た言葉
ロスタイムに似た言葉に「タイムロス」がありますが、これも「loss of time」が由来となっており、「無駄な時間」「余計な時間がかかること」を意味する和製英語です。球技などの試合ではなく、ビジネスシーンから日常生活まで幅広く使われています。
ロスタイムの類語
ロスタイムの類語・類義語としては、試合において選手が負傷したことで中断された時間を意味する「インジャリータイム」などがあります。
アディショナルタイムの意味
アディショナルタイムとは
アディショナルタイムとは、試合が中断された分の延長時間を意味しています。
アディショナルタイムの使い方
アディショナルタイムを使った分かりやすい例としては、「アディショナルタイムの最短はもちろん0分だ」「アディショナルタイムは審判が決めるものである」「アディショナルタイムと見なす行為とそうでないものをしっかり学ぶ」などがあります。
その他にも、「アディショナルタイムがあるからと言って選手の心身にゆとりができるわけではない」「数年前のアディショナルタイムは非常に長く13分や14分だったそうだ」「アディショナルタイム中では得点はカウントされる」などがあります。
アディショナルタイムはサッカー用語として使われている
アディショナルタイムは英語で「additional time」と表記され、「追加時間」を意味する言葉です。日本語でも同じように使われ、特にサッカー用語として、試合中断時間と同じだけの延長時間を表すことが多い言葉です。
前半45分、後半45分、計90分からなるサッカーの試合において、負傷者対応などに充てた時間は試合時間90分には含まないものとし、費やした時間を追加して1試合90分とする形式がとられています。
アディショナルタイムには上限はなく、前後半それぞれ45分であることから最長45分とされています。過去には20分を超えた記録もあり、最終的には時間を追加したものの、後日再試合を行うことが決まったというケースもありました。
アディショナルタイムの類語
アディショナルタイムの類語・類義語としては、スポーツやゲームなどにおいて決まった時間や回数を終えるまで競技を行っても決着がつかない場合に継続される時間を意味する「エクストラタイム」などがあります。
ロスタイムの例文
この言葉がよく使われる場面としては、競技時間に勘定されない時間を意味する時などが挙げられます。
例文4や5のロスタイムのように、無駄な時間や、余計な時間を意味する言葉としても使われています。
アディショナルタイムの例文
この言葉がよく使われる場面としては、試合が中断された分の延長時間を意味する時などが挙げられます。
サッカーやラグビーなどの用語として用いられている言葉で、ビジネスシーンや日常生活においてスポーツ用語以外の意味で使われることはほとんどありません。
ロスタイムとアディショナルタイムは、どちらも「競技時間と見なされない時間」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、「ロスタイム」は日本のみで用いられていた表現であるため、世界的に用いられる「アディショナルタイム」を使うと覚えておけば間違いありません。