【負けるが勝ち】と【逃げるが勝ち】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「負けるが勝ち」(読み方:まけるがかち)と「逃げるが勝ち」(読み方:にげるがかち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「負けるが勝ち」と「逃げるが勝ち」という言葉は、どちらも最終的には勝つことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「負けるが勝ち」と「逃げるが勝ち」の違い

「負けるが勝ち」と「逃げるが勝ち」の意味の違い

「負けるが勝ち」と「逃げるが勝ち」の違いを分かりやすく言うと、「負けるが勝ち」とは戦った上で相手に勝ちを譲ることで最終的に得すること、「逃げるが勝ち」とは勝っても負けても何も得しないので戦いを避けることという違いです。

「負けるが勝ち」と「逃げるが勝ち」の使い方の違い

一つ目の「負けるが勝ち」を使った分かりやすい例としては、「負けるが勝ちの状況なので黙って引き下がることにしました」「負けるが勝ちという言葉があるので相手の条件を飲んでみることにしました」などがあります。

二つ目の「逃げるが勝ち」を使った分かりやすい例としては、「正面から戦っても無駄なので逃げるが勝ちだろう」「私は仕事が嫌なら逃げる勝ちと思っています」「逃げるが勝ちを実行することで自分の身を守る」などがあります。

「負けるが勝ち」と「逃げるが勝ち」の使い分け方

「負けるが勝ち」と「逃げるが勝ち」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

例えば、夫婦喧嘩が起きた際に、頃合いを見計らって私が悪かったと妻に謝ったら後で優しくなった場合など、負けを認めたことにより最終的に得するのが「負けるが勝ち」になります。

一方、夫婦喧嘩が起きそうで、しかも負けるのが目に見えてるから、喧嘩が起きる前にその場から逃げるの場合などに使うのが「逃げるが勝ち」と覚えておきましょう。

「負けるが勝ち」と「逃げるが勝ち」の英語表記の違い

「負けるが勝ち」を英語にすると「Sometimes you win by losing」となります。一方、「逃げるが勝ち」を英語にすると「Discretion is the better part of valor」となります。

「負けるが勝ち」の意味

「負けるが勝ち」とは

「負けるが勝ち」とは、一時は相手に勝ちを譲りしいて争わないのが結局は勝利をもたらすことを意味しています。

表現方法は「負けるが勝ちというように」「負けるが勝ちだ」

「負けるが勝ちというように」「負けるが勝ちだ」などが、「負けるが勝ち」を使った一般的な言い回しになります。

「負けるが勝ち」の使い方

「負けるが勝ち」を使った分かりやすい例としては、「下手に攻撃しない方が負けるが勝ちになりそうだ」「負けるが勝ちという言葉があるので今は引き下がることにしました」「負けるが勝ちなので私たちはわざと負けました」などがあります。

「負けるが勝ち」はあえて相手と争わずに、一時は相手に勝ちを譲っていた方が最終的に勝利することを意味することわざです。

「負けるが勝ち」は職場、恋愛、友人などの人間関係において使います。例えば、痴話喧嘩が起きた際に、頃合いを見計らって私が悪かったと彼女に謝ったら後で優しくなった場合などがあります。

また、ビジネスシーンにおいて競合会社と目先の利益ために争って損失を出すより、負けを認めることで最終的に大きな利益を得る場合などにも使うことが可能です。

ただし、スポーツなどの勝ち負けがハッキり着く勝負ごとにおいて、「負けるが勝ち」を使うのはただの負け惜しみになるで使わないように注意しましょう。

「負けるが勝ち」は江戸のいろはかるたでも使われている言葉ですが、実際の語源や由来などはよく分かっていません。

「負けるが勝ち」の類語

「負けるが勝ち」の類語・類義語としては、初めは損をしてもそれをもとに大きな利益を得るようにすることを意味する「損して得取れ」があります。

「逃げるが勝ち」の意味

「逃げるが勝ち」とは

「逃げるが勝ち」とは、争わないで相手に勝ちを譲るほうが大局的に見れば得策であることを意味しています。

表現方法は「逃げるが勝ちというように」「逃げるが勝ちだろう」

「逃げるが勝ちというように」「逃げるが勝ちだろう」などが、「逃げるが勝ち」を使った一般的な言い回しになります。

「逃げるが勝ち」の使い方

「逃げるが勝ち」を使った分かりやすい例としては、「ストレスからは最終的に逃げるが勝ちだと思っています」「過去の経験から逃げるが勝ちということを学びました」「人生は逃げるが勝ちという場合もあると覚えておいた方がいいだろう」などがあります。

「逃げるは勝ち」は自分が負けと分かっているような争いや、勝っても何の利益にならないような争いは逃げ出して避けた方が最終的に得することを意味することわざです。

ただ逃げるのではなく、勝っても負けても何も得るものがない無駄な争いはしないというニュアンスで使います。

「逃げるが勝ち」は職場、学校、人生など、様々な場面で使うことが可能です。例えば、パワハラやイジメなどで精神的に追い詰められてどうしようもなくなった場合に、無理に会社や学校などに行かずに、転職や転校を考えるのも選択肢の一つでしょう。

「逃げるが勝ち」は昔から使われている言葉ですが、きちんとした語源や由来などは判明していません。

「逃げるが勝ち」の類語

「逃げるが勝ち」の類語・類義語としては、面倒なことが起こったときには逃げるのが得策であるということを意味する「三十六計逃げるに如かず」(読み方:さんじゅうろっけいにげるにしかず)があります。

「負けるが勝ち」の例文

1.言い争いが長引きそうだったので、負けるが勝ちだと思ってこちらが折れることにしました。
2.自分が正しいと思ったので、負けるが勝ちという道を選びました。
3.今の状況を考慮すると、今回は負けるが勝ちとした方がいいだろう。
4.妹が喧嘩を売ってきたが、ここは負けるが勝ちと思って放っておくことにしました。
5.負けるが勝ちとも言うので、今回は大人しく引き下がることにしました。
6.今回のコンペは受注できるか微妙なので、負けるが勝ちで参加したという実績だけ残して今後に生かそう。
7.負けるが勝ちとはよく言ったもので、後世まで人の記憶に残るのは、勝負に勝った者ではなく、その戦い方において人々を魅了した敗者であることも多い。
8.夫婦喧嘩は負けるが勝ち。妻に盾突いてもお小遣いを減らされたりするだけだから、先に謝ってしまえばいいのだよ。
9.昔は若かったので負けるが勝ちの状況でもつい勝ちにこだわってしまうので、大局的に負けてしまうことが良くありました。
10.接待ゴルフで取引先に勝っても仕方がないのだから負けるが勝ちなのだが、なかなかうまく負けることができないのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、一時は相手に勝ちを譲りしいて争わないのが結局は勝利をもたらすことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「負けるが勝ち」は負けることで最終的に得する場合に使う言葉です。

「逃げるが勝ち」の例文

1.ブラック企業に勤務し続けて身体を壊すくらいなら、逃げるが勝ちと思って退職した方がいいだろう。
2.理不尽なイジメにあったら無理して学校へ行く必要もないだろう。逃げるが勝ちです。
3.逃げるが勝ちという言葉があるように、目の前の辛いことから逃げるのは決して悪いことではありません。
4.上司からの理不尽なパワハラは、逃げるが勝ちの姿勢で自分を守ることが大切です。
5.飲みに行った帰りに不良に絡まれたが、逃げるが勝ちということで全速力でその場を後にしました。
6.今回のコンペは受注できるか微妙なので、負けるが勝ちで参加したという実績だけ残して今後に生かそう。
7.ピンチの時や困った時は逃げるが勝ちです。動物を見てみなさい。何かあったら当たり前のように逃げ出しますよ。
8.面倒な隣人と裁判で争うなんてやめなさいな。ここは逃げるが勝ちの精神でこちらが引っ越した方がいいと思うな。
9.人生、最後まで逃げないでいることは称賛に値することだが、逃げるが勝ちの時もあることを覚えておきましょう。
10.護身術の先生が、もしも変な人に絡まれたら打撃を食らわすのではなく、まずは逃げるが勝ちだと教わりました。

この言葉がよく使われる場面としては、争わないで相手に勝ちを譲るほうが大局的に見れば得策であることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「逃げるが勝ち」は逃げることで最終的に得する場合に使う言葉です。

「負けるが勝ち」と「逃げるが勝ち」はどちらも最終的には勝つことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、戦った上で相手に勝ちを譲ることで最終的に得するのが「負けるが勝ち」、勝っても負けても何も得しないので戦いを避けるのが「逃げるが勝ち」と覚えておきましょう。

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