似た意味を持つ「ほとんど」と「だいたい」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ほとんど」と「だいたい」という言葉は、どちらも物事の程度や量を大まかに示すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ほとんど」と「だいたい」の違い
「ほとんど」と「だいたい」の意味の違い
「ほとんど」と「だいたい」の違いを分かりやすく言うと、「ほとんど」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使える、「だいたい」はプラスのイメージだけで使うという違いです。
「ほとんど」と「だいたい」の使い方の違い
一つ目の「ほとんど」を使った分かりやすい例としては、「ギリギリに到着したら」「ほとんどの席が埋まっていた」「今日はほとんど外に出なかった」「ほとんどの荷物はもう運び終わった」「ほとんどの人がその計画を支持している」などがあります。
二つ目の「だいたい」を使った分かりやすい例としては、「だいたい同じタイミングで着くはずです」「だいたい決まったから報告します」「だいたいこんな感じで作業を行っています」「だいたいの作業は終わった」などがあります。
「ほとんど」と「だいたい」の使い分け方
「ほとんど」と「だいたい」はどちらも物事の程度や量を大まかに示すことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「ほとんど」は「ほとんどの人がその意見に賛成している」のように、物事の大部分が占めている状態を表す言葉になります。また、満足、不満足どちらでも使うことが可能で、プラスとマイナスどちらのイメージでも使うことができる言葉です。
一方、「だいたい」は「だいたいの作業は終わった」のように、物事をおおまかに捉える意味で使う言葉で、満足や十分などのプラスのイメージで使うのが一般的になります。
つまり、プラスとマイナスどちらのイメージでも使えるのが「ほとんど」、プラスのイメージだけで使うのが「だいたい」と覚えておきましょう。
「ほとんど」と「だいたい」の英語表記の違い
「ほとんど」を英語にすると「almost」「nearly」となり、例えば上記の「ほとんどの人がその計画を支持している」を英語にすると「Almost everyone supports the plan」となります。
一方、「だいたい」を英語にすると「roughly」「approximately」「about」となり、例えば上記の「だいたいの作業は終わった」を英語にすると「I’ve roughly finished the work」となります。
「ほとんど」の意味
「ほとんど」とは
「ほとんど」とは、全部とはいえないがそれに近い程度のことを意味しています。
「ほとんど」の漢字表記
「ほとんど」を漢字にすると、「殆ど」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「ほとんど」を使うようにしましょう。
「ほとんど」の使い方
「ほとんど」を使った分かりやすい例としては、「この町にはほとんど雪が降らないです」「彼はほとんど寝ずに試験勉強をしたらしい」「ほとんどの店が閉まっていました」「会議の内容はほとんど覚えていません」「この問題はほとんど解決済みです」などがあります。
「ほとんど」は物事の大部分や、ほぼすべてを指す言葉です。簡単に言うならば、全体の中でごくわずかな例外を除いて、ほぼ全部に当てはまる状態を表します。
「ほとんど」の特徴
「ほとんど」は試験問題がほとんど解けた状況や、会議の内容をほとんど理解できた場面など、物事の量や割合、進行状況を表すときによく使われるというのが特徴です。
また、「ほとんど」は満足、不満足どちらでも使うことが可能で、プラスとマイナスどちらのイメージでも使うことができると覚えておきましょう。
「ほとんど」の類語
「ほとんど」の類語・類義語としては、物事の大部分のことを意味する「大半」などがあります。
「だいたい」の意味
「だいたい」とは
「だいたい」とは、細かい点を除いた主要な部分のことを意味しています。
「だいたい」の漢字表記
「だいたい」を漢字にすると、「大体」と表記することができますがあまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「だいたい」を使うようにしましょう。
「だいたい」の使い方
「だいたい」を使った分かりやすい例としては、「だいたいの予算を教えてください」「集合時間はだいたいでいいですよ」「だいたい一時間くらいかかります」「彼の言っていることはだいたい正しいです」「だいたい準備はできました」などがあります。
「だいたい」は物事のおおまかな範囲や概略を表す言葉です。簡単に言うならば、細かい部分は正確でなくても、全体の大まかな内容や程度を示すときに使われます。
「だいたい」の特徴
「だいたい」は、集合時間に「だいたい10時頃に来てください」と伝えたり、作業の進捗を「だいたい半分くらい終わった」と説明したりするなど、時間や数量、内容などを正確に伝える必要がない場面で使うというのが特徴です。
また、「だいたい」は満足や十分などのプラスのイメージで使うのが一般的であると覚えておきましょう。
「だいたい」の類語
「だいたい」の類語・類義語としては、判断の内容や物事の量の正確ではないがそれに近いところのことを意味する「おおよそ」などがあります。
「ほとんど」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、全部とはいえないがそれに近い程度のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ほとんど」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使える言葉です。
「だいたい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、細かい点を除いた主要な部分のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「だいたい」はプラスのイメージだけで使う言葉です。
「ほとんど」と「だいたい」はどちらも物事の程度や量を大まかに示すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、プラスとマイナスどちらのイメージでも使えるのが「ほとんど」、プラスのイメージだけで使うのが「だいたい」と覚えておきましょう。