似た意味を持つ「お家芸」(読み方:おいえげい)と「十八番」(読み方:おはこ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お家芸」と「十八番」という言葉は、どちらも得意なことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「お家芸」と「十八番」の違い
「お家芸」と「十八番」の意味の違い
「お家芸」と「十八番」の違いを分かりやすく言うと、「お家芸」は家や国などの団体に対して使う、「十八番」は個人の技や芸に対して使うという違いです。
「お家芸」と「十八番」の使い方の違い
一つ目の「お家芸」を使った分かりやすい例としては、「フィギュアスケートは日本女子のお家芸の一つになりつつある」「彼の家では歌舞伎が代々のお家芸だったそうです」「我が社のお家芸はきめ細やかなサービス提供です」「日本のお家芸と言えば柔道だ」などがあります。
二つ目の「十八番」を使った分かりやすい例としては、「私の十八番はカラオケで歌う昭和歌謡です」「彼は十八番を披露する場をいつも探しているらしいです」「彼女の十八番のダンスはSNSで話題になりました」「彼の十八番はモノマネだ」などがあります。
「お家芸」と「十八番」の使い分け方
「お家芸」と「十八番」はどちらも得意なことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「お家芸」は「日本のお家芸と言えば柔道だ」のように、特定の家系や団体、国などが伝統的に得意としている技術や分野に対して使う言葉になります。
一方、「十八番」は「彼の十八番はモノマネだ」のように、個人が特に得意とする芸や技を表す言葉です。もともと歌舞伎役者が得意とする演目を指したことから、今では「得意ネタ」や「お得意技」といった意味で使われています。
つまり、家や国などの団体に対して使うのが「お家芸」、個人の技や芸に対して使うのが「十八番」と覚えておきましょう。
「お家芸」と「十八番」の英語表記の違い
「お家芸」を英語にすると「specialty」「traditional forte」となり、例えば上記の「日本のお家芸と言えば柔道だ」を英語にすると「Judo is Japan’s traditional forte」となります。
一方、「十八番」を英語にすると「party piece」「specialty」「signature performance」となり、例えば上記の「彼の十八番はモノマネだ」を英語にすると「Impersonations are his party piece」となります。
「お家芸」の意味
「お家芸」とは
「お家芸」とは、最も得意とする事柄のことを意味しています。
「お家芸」の漢字表記
「お家芸」を漢字にすると、「御家芸」と表記することができます。
「お家芸」の使い方
「お家芸」を使った分かりやすい例としては、「柔道はまさに日本のお家芸だと言われています」「伝統的な祭りの太鼓演奏はこの地域のお家芸だ」「海外の人にとってアニメは日本のお家芸だと思われています」「野球は昔からこの学校のお家芸だと言われてきました」などがあります。
「お家芸」はその家や組織、団体が昔から得意としている芸や技術、あるいは伝統的に繰り返してきた得意分野を表す言葉です。簡単に言うならば、家系や組織などに代々伝わり、他にはない強みとして知られている得意技のことを指しています。
「お家芸」は歌舞伎の家元が代々受け継ぐ決まった演目や型、あるいはスポーツ界で日本が国際大会で毎回得意としている種目に対してよく使われている言葉です。
「お家芸」の特徴
「お家芸」は家、国、企業などの個人よりも団体や組織に対して使われることが多いのが特徴です。
「お家芸」の類語
「お家芸」の類語・類義語としては、ある家に代々伝えられてきた由緒ある技芸のことを意味する「家芸」などがあります。
「十八番」の意味
「十八番」とは
「十八番」とは、その人のいちばん得意とすることを意味しています。
「十八番」の使い方
「十八番」を使った分かりやすい例としては、「彼の十八番は演歌の熱唱です」「父の十八番は釣った魚で作る刺身盛りだ」「宴会で彼の十八番が始まると皆が集まってきます」「十八番を一つ持っていると宴会で重宝される」「その俳優の十八番は悪役を演じることです」などがあります。
「十八番」は自分が特に得意としている芸や技、歌、ネタなどを表す言葉です。簡単に言うならば、その人が自信を持って披露できるお決まりのレパートリーや必勝パターンのことを指します。
例えば、カラオケで必ず歌う持ち歌や、人前で披露するモノマネやジョーク、または料理や手品などの自分の得意技のことを「十八番」と呼ぶことが多いです。
また、「十八番」は家、国、企業などの団体よりも個人に対して使うのが一般的であると覚えておきましょう。
「十八番」の語源
「十八番」の語源は諸説ありますが、一番信頼性があるのが歌舞伎です。江戸時代、歌舞伎の名門である市川團十郎家が得意とする十八の演目を「歌舞伎十八番」と呼んでいました、これが転じて、その人のいちばん得意とすること「十八番」と言うようになったと言われています。
「十八番」の類語
「十八番」の類語・類義語としては、得意なことであることを意味する「得意分野」などがあります。
「お家芸」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、最も得意とする事柄のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お家芸」は家や国などの団体の得意なことに対して使う言葉です。
「十八番」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、その人のいちばん得意とすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「十八番」は個人の技や芸に対して使う言葉です。
「お家芸」と「十八番」はどちらも得意なことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、、家や国などの団体の得意なことに対して使うのが「お家芸」、個人の技や芸に対して使うのが「十八番」と覚えておきましょう。