似た意味を持つ「宙ぶらりん」(読み方:ちゅうぶらりん)と「どっちつかず」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「宙ぶらりん」と「どっちつかず」という言葉は、どちらも物事がはっきり決まっていない状態のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「宙ぶらりん」と「どっちつかず」の違い
「宙ぶらりん」と「どっちつかず」の違いを分かりやすく言うと、「宙ぶらりん」は状況や立場が決まらずに停止している状態のこと、「どっちつかず」は人の態度や判断が優柔不断で決めきれない様子のことという違いです。
一つ目の「宙ぶらりん」を使った分かりやすい例としては、「両親の反対で結婚の話が宙ぶらりんになってしまいました」「交際のけじめがつかず関係が宙ぶらりんのままだ」「買収交渉が進まず契約が宙ぶらりんになっています」「その問題は宙ぶらりんのまま放置されている」などがあります。
二つ目の「どっちつかず」を使った分かりやすい例としては、「この案では結論がどっちつかずで中途半端だ」「政策がどっちつかずで国民の不満が高まっています」「どっちつかずな判断が失敗を招きました」「彼のどっちつかずな態度が信頼を失わせた」などがあります。
「宙ぶらりん」と「どっちつかず」はどちらも物事がはっきり決まっていない状態のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「宙ぶらりん」は、「進退を決めかねて宙ぶらりんの状態が続いている」のように、物事が途中のまま、どちらにも決まらずに止まっている状態を表す言葉です。元々、空中にぶら下がったように、どこにも属さず、決着のつかないまま放置されていることが転じています。
一方、「どっちつかず」は、「賛成とも反対とも言えない、どっちつかずな態度にイライラする」のように、二つの選択肢の間で決断ができず、あいまいな立場をとっている様子を表します。どちらにも属せず、はっきりしない姿勢や判断に対して使われることが多いです。
つまり、「宙ぶらりん」は状況や立場が決まらずに停止している状態のこと、「どっちつかず」は人の態度や判断が優柔不断で決めきれない様子に使うと覚えておくとよいでしょう。
「宙ぶらりん」を英語にすると「left hanging」「in limbo」となり、例えば上記の「その問題は宙ぶらりんのまま放置されている」を英語にすると「The issue has been left hanging」となります。
一方、「どっちつかず」を英語にすると「sitting on the fence」「indecisive」となり、例えば上記の「彼のどっちつかずな態度が信頼を失わせた」を英語にすると「His wishy-washy attitude made people lose trust in him」となります。
「宙ぶらりん」の意味
「宙ぶらりん」とは、どっちつかずで中途半端であることを意味しています。
「宙ぶらりん」を使った分かりやすい例としては、「問題の解決を先延ばしにして宙ぶらりんになっている」「どちらにも所属できず宙ぶらりんな立場に置かれています」「交渉が中断して話が宙ぶらりんになってしまった」「その計画は承認待ちで宙ぶらりんの状態だ」などがあります。
「宙ぶらりん」は、物事がはっきりと決まらず、中途半端な状態にあることを表す言葉です。簡単に言うならば、決定や処理がされないまま、どこにも属さずに宙に浮いているような状態を指します。
例えを挙げると、退職届を提出したものの上司から返事がなく、会社にも残っているが辞めてもいないような立場だったり、交際しているのかどうかも曖昧なまま関係が進まない恋愛などが挙げられます。
また、「宙ぶらりん」は比喩的な表現だけではなく、物理的に空中にぶら下がっている状態のことを指す場合にも使うことができます。
分かりやすい例としては「屋根裏から垂れ下がったロープに誰かが宙ぶらりんのままぶら下がっている」「宙ぶらりんになった看板が風に揺れていて危険だ」などがあります。
「宙ぶらりん」の類語・類義語としては、物事が完成にまでは達していないことを意味する「中途半端」があります。
「どっちつかず」の意味
「どっちつかず」とは、どちらとも決まらずにはっきりしないことを意味しています。
「どっちつかず」を使った分かりやすい例としては、「彼の返事はいつもどっちつかずで信用できない」「どっちつかずの態度は周囲を混乱させるだけです」「意見が分かれて会議はどっちつかずのまま終了した」「彼女はどっちつかずの関係に疲れて別れを選んだ」などがあります。
「どっちつかず」は、二つの選択肢のうちどちらにも決めきれない、または中間的な立場を取り続ける曖昧な態度を表す言葉です。簡単に言うならば、どちらにも寄りきれていない中途半端な状態や態度を指します。
例えば、進学と就職で迷っていてどちらの準備も中途半端になっている人や、恋愛で二人の間で気持ちが揺れてどちらともはっきり関係を持たない状況などがあります。
「どっちつかず」は多くの場合、優柔不断さや曖昧な判断、責任を取ることへの不安などが原因で生まれます。主なきっかけとしては、選択肢のメリットやデメリットの比較に時間がかかる場合や、周囲の目を気にして態度を明確にできないときなどです。
「どっちつかず」の類語・類義語としては、いつまでも決められないことを意味する「優柔不断」があります。
「宙ぶらりん」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、どっちつかずで中途半端であることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「宙ぶらりん」は状況や立場が決まらずに停止している状態の時に使う言葉です。
「どっちつかず」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、どちらとも決まらずにはっきりしないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「どっちつかず」は人の態度や判断が優柔不断で決めきれない様子に使う言葉です。
「宙ぶらりん」と「どっちつかず」はどちらも物事がはっきり決まっていない状態のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「宙ぶらりん」は状況や立場が決まらずに停止している状態のこと、「どっちつかず」は人の態度や判断が優柔不断で決めきれない様子に使うと覚えておくとよいでしょう。