似た意味を持つ「最後尾」(読み方:さいこうび)と「末尾」(読み方:まつび)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「最後尾」と「末尾」という言葉は、どちらも「物事の終わり」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
最後尾と末尾の違い
最後尾と末尾の意味の違い
最後尾と末尾の違いを分かりやすく言うと、最後尾とは物理的な終わりの部分を表し、末尾とは書き記したものの終わりの部分を表すという違いです。
最後尾と末尾の使い方の違い
一つ目の最後尾を使った分かりやすい例としては、「仕方なく行列の最後尾に立った」「回送列車の最後尾車両が脱線した」「スタートで大きく出遅れて最後尾に落ちた」「無料のテンプレートを使って最後尾の看板を作成する」などがあります。
二つ目の末尾を使った分かりやすい例としては、「手紙の末尾に結語を添える」「父から末尾7の宝くじをもらいました」「末尾が0110の電話から着信がありました」「データの末尾が一致するかどうか照合する」などがあります。
最後尾と末尾の使い分け方
最後尾と末尾という言葉は、どちらも物事の終わりや終わりの部分を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
最後尾とは、物が連続して並んでいる状態の一番後ろの部分を意味します。行列や列車の車両など、物理的な物の最後の部分を指すことが多い言葉です。逆に、文字や数字などの羅列に対して、最後尾という言葉を使うことはありません。
末尾とは、物の最後や終わりを意味し、文章や数字などの終わりの位置を指す言葉です。例えば、「1.3.5.7.9」と数字が並んでいる場合、末尾の数字は「9」になります。末尾という言葉は書き記したものの最後を表し、行列や車両などの物理的な最後を表現するはありません。
つまり、最後尾とは行列や車両などの物理的な最後を表し、末尾とは数字や記号などの書き記したものの最後を表現する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
最後尾と末尾の英語表記の違い
最後尾を英語にすると「end of line」「tail end」となり、例えば上記の「行列の最後尾に立つ」を英語にすると「stand in the rear of a line」となります。
一方、末尾を英語にすると「end」「close」となり、例えば上記の「手紙の末尾に」を英語にすると「at the end of a letter」となります。
最後尾の意味
最後尾とは
最後尾とは、行列や、長く繋がっているものなどの一番後ろを意味しています。
最後尾の使い方
最後尾を使った分かりやすい例としては、「最後尾はあちらです」「ここは最後尾ではありません」「最後尾札の受け渡しのマナーがわからない」「行列の最後尾を分かりやすくするために看板を用意する」などがあります。
その他にも、「ここが列の最後尾ですか」「恐れ入りますが最後尾からお並びください」「並んでいる人が最後尾のプラカードを手渡ししていく」「外国人観光客に列の最後尾の場所を英語で教えてあげました」などがあります。
最後尾の読み方
最後尾の読み方は「さいこうび」です。誤って「さいごび」「さいごお」などと読まないようにしましょう。
最後尾とは、長く続いているものや、繋がっているものの最も終わりの部分を意味します。最後尾の「最」は程度がもっともはなはだしいさま、「後」は空間的あるいは時間的なうしろ、「尾」は物の末端や終わりを表す漢字です。
表現方法は「最後尾札」
上記の例文にある「最後尾札」とは、列の最後尾であることを示すための目印です。コミックマーケットなどのイベントで混雑した時に、最後に並んでいるお客さんに持ってもらいます。お客さんは、後ろに人が並んだら、その人に札を渡します。
最後尾の対義語
最後尾の対義語・反対語としては、一番先を意味する「先頭」、名前を書き連ねたときの第一番の位置を意味する「筆頭」などがあります。
最後尾の類語
最後尾の類語・類義語としては、物の最も後ろの部分や最後部を意味する「尻」、隊列や順番などの最後を意味する「殿」(読み方:しんがり)、どんじまいや一番最後を意味する「どん尻」、最下位や最後尾をいう俗語を意味する「びりっけつ」などがあります。
末尾の意味
末尾とは
末尾とは、ものの最後、終わりを意味しています。
末尾の使い方
末尾を使った分かりやすい例としては、「URLの末尾にスラッシュを使用する」「ご記入いただく数字は末尾3桁になります」「末尾が3746のカードに問題があります」「末尾が110の国際電話に注意してください」などがあります。
その他にも、「あなたの電話番号の末尾4桁を読み上げてください」「先頭文字と末尾文字はハイフンで区切ります」「末尾Mだからってバカにしないで欲しい」「宝くじをバラで10枚買えば末尾0から9まで揃います」などがあります。
末尾の読み方
末尾の読み方は「まつび」です。誤って「すえび」「まつお」などと読まないようにしましょう。
末尾の「末」は訓読みで「すえ」と読み、物事の終わりや果てを表し、「尾」は訓読みで「お」と読み、動物のしっぽや物の末端を表します。末尾とは、終わりを意味し、物事の終わりや最後の部分を指す言葉です。
表現方法は「末尾M」
末尾を用いたネットスラングには「末尾M」があります。末尾Mとは、スマートフォンの格安SIMを指し、安いモバイル回線を使っていることを意味します。ある掲示版において、MVMOという格安SIMを使用すると割り当てるIDの末尾がMになることから、このように名付けられました。
末尾の対義語
末尾の対義語・反対語としては、物事のはじめの部分を意味する「冒頭」、物事の起こりを意味する「起首」などがあります。
末尾の類語
末尾の類語・類義語としては、物事が最後に行きつくところを意味する「終末」、物事が終わりになることを意味する「終結」、最後の締めくくりを意味する「結末」、終わりや結末を意味する「終結」、 最後や最終を意味する「ラスト」などがあります。
最後尾の例文
この言葉がよく使われる場面としては、長く続いたり繋がっているものの一番後ろを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「最後尾につく」とは、行列や列の最後方に並ぶことを意味し、ぴったりとくっついて後ろに位置することを表します。
末尾の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の末や終わりを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、末尾という言葉は、数字や記号の羅列の最後の部分を指すことが多くなっています。
最後尾と末尾という言葉は、どちらも「物事の終わり」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、行列や車両の終わりの部分を表現したい時は「最後尾」を、文章や数字の終わりの部分を表現したい時は「末尾」を使うようにしましょう。