似た意味を持つ「くどい」と「しつこい」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「くどい」と「しつこい」という言葉は、どちらもうんざりする感じのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「くどい」と「しつこい」の違い
「くどい」と「しつこい」の違いを分かりやすく言うと、「くどい」は内容や印象が重くてうんざりすること、「しつこい」は行動や働きかけがしぶとく続くことという違いです。
一つ目の「くどい」を使った分かりやすい例としては、「彼の話はいつも同じことの繰り返しでくどい」「この料理は味がくどくて少し食べ飽きる」「説明がくどすぎて何を言いたいのか分からなくなった」「彼女の説教は毎回くどくてうんざりする」などがあります。
二つ目の「しつこい」を使った分かりやすい例としては、「何度断っても勧誘がしつこい」「しつこく電話をかけてきて迷惑だ」「しつこい汚れがなかなか落ちない」「彼は質問がしつこくて少し疲れてしまう」などがあります。
「くどい」と「しつこい」はどちらもうんざりする感じのことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「くどい」は、言葉や味、表現などが「重たく感じる」「繰り返しが多くてうんざりする」といった印象を与えるときに使います。
例えば、「味がくどい」は油っこい・甘すぎる・濃すぎるなど、味が重たく感じられる場合を指し、「話がくどい」は同じ内容を繰り返して長い場合に使われます。つまり、「くどい」は主に内容や印象が重く、しつこく感じる状態を表す言葉です。
一方、「しつこい」は、人の行動や性格、または物事が何度も続いてうるさい、なかなか終わらないと感じるときに使われます。
例えば、「しつこく誘う」「しつこく絡む」「しつこい汚れ」など、繰り返しが多くてしぶとい・粘り強いというニュアンスがあります。そのため、「しつこい」は人や行動そのものに焦点が当たる点が特徴です。
つまり、内容や印象が重くてうんざりするのが「くどい」、行動や働きかけがしぶとく続くのが「しつこい」と覚えておきましょう。
「くどい」を英語にすると「tedious」「wordy」「heavy」などになり、例えば「この説明はくどいですね」を英語にすると「This explanation is too wordy」となります。
一方、「しつこい」を英語にすると「persistent」「annoying」「pushy」などになり、例えば「彼の勧誘はしつこい」を英語にすると「He’s too pushy with his sales talk」となります。
「くどい」の意味
「くどい」とは、同じようなことを繰り返して言ったり長々と続けたりしてうんざりさせることを意味しています。
「くどい話」「くどい味」「くどい説明」「少しくどいかもしれませんが」などが「くどい」を使った一般的な言い回しになります。
「くどい」を使った分かりやすい例としては、「彼の説明は丁寧だけど少しくどい」「この料理は味が濃くてくどく感じる」「同じ話を何度もされるとくどくて疲れる」「この香水は匂いが強くてくどい印象を与える」などがあります。
「くどい」は、言葉や味、態度などがしつこく感じられることを意味する形容詞です。会話の中では、相手の話し方や説明が長すぎる、または繰り返しすぎるときに使われることが多く、食べ物の味が濃すぎる場合にも用いられます。
「くどい」は主に「しつこい」「重い」「長い」といった印象を与える場面で使われます。
話がくどい場合は、同じ内容を何度も繰り返したり、必要以上に細かく説明したりすることを指します。
また、味がくどいのような場面でも使うことが可能です。例えば、油っこい・甘すぎる・塩辛いなど、濃厚すぎて飽きてしまう感覚を表します。
また、「くどい」は人の態度や性格に対しても使われ、「くどい性格」「くどい言い方」のように、しつこくてあっさりしない印象を与える場合があります。
「くどい」の対義語・反対語としては、あっさりしていてしつこくないことを意味する「さっぱり」があります
「くどい」の類語・類義語としては、同じことを何度も繰り返すことを表す「冗長」があります。
「しつこい」の意味
「しつこい」とは、つきまとってうるさいことを意味しています。
「しつこい人」「しつこい質問」「しつこい味」「しつこいと思われたくない」などが「しつこい」を使った一般的な言い回しになります。
「しつこい」を使った分かりやすい例としては、「何度断ってもしつこく勧誘してくる」「このソースはおいしいけれど少ししつこい」「彼のメールがしつこくて困っている」「その記者はしつこく取材を続けていました」などがあります。
「しつこい」は、行為や態度、または味などが、度を超えて繰り返されたり、粘り強すぎてうっとうしく感じられることを意味する形容詞です。人の行動や物事の性質に対してよく使われます。
「しつこい」は、主に「しつこく話す」「しつこく誘う」「しつこい味」などのように、執着や粘り気が強く、相手に不快感や疲れを与える場面で使われることが多い言葉です。
ただし、「しつこい」は必ずしも悪い意味ばかりではなく、根気強さや粘り強さを評価する文脈で「しつこく努力する」「しつこく食い下がる」など、ポジティブな意味合いで使われることもあります。
「しつこい」の対義語・反対語としては、あっさりしていて粘りがないことを意味する「淡白」があります。
「しつこい」の類語・類義語としては、粘り強く離れないことを意味する「粘着質」、または諦めずに追いかけることを意味する「粘り強い」などがあります。
「くどい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同じようなことを繰り返して言ったり長々と続けたりしてうんざりさせることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「くどい」は、内容や印象が重くてうんざりする時に使う言葉です。
「しつこい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、つきまとってうるさいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「しつこい」は行動や働きかけがしぶとく続く時に使う言葉です。
「くどい」と「しつこい」はどちらもうんざりする感じのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、内容や印象が重くてうんざりするのが「くどい」、行動や働きかけがしぶとく続くのが「しつこい」と覚えておきましょう。