【ミスディレクション】と【ミスリード】と【伏線】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ミスディレクション」と「ミスリード」と「伏線」(読み方:ふくせん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ミスディレクション」と「ミスリード」と「伏線」という言葉は、小説などで使われるテクニックという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




ミスディレクションとミスリードと伏線の違い

ミスディレクションとミスリードと伏線の意味の違い

ミスディレクションとミスリードと伏線の違いを分かりやすく言うと、ミスディレクションは視線誘導することを表現する時に使い、ミスリードは勘違いさせることを表現する時に使い、伏線は事前準備を表現する時に使うという違いです。

ミスディレクションとミスリードと伏線の使い方の違い

ミスディレクションという言葉は、「手品師はミスディレクションの技術が必須である」「ミスディレクションのおかげでノート作りの参考になった」などの使い方で、真相などから観客や読者らの目をそらすことを意味します。

ミスリードという言葉は、「ミスリードにまんまと引っかかって悔しい」「ミスリードを狙いすぎると情報がかえって伝わらない」などの使い方で、人を誤った方向へ導いたり誤解させることを意味します。

伏線という言葉は、「わかりやすい伏線に気が付かないほど物語の展開に驚いていた」「彼と旅行に行くときは様々な伏線を張っておく」などの使い方で、その後の展開に備えて関連した事柄を前もって用意しておくことを意味します。

ミスディレクションとミスリードと伏線の使い分け方

ミスディレクションとミスリードは、どちらも誤った方向に導くことを意味する言葉ですが、前者は別のことで相手の注意を引き真実から目をそらさせる時に使い、後者は相手に勘違いをさせる時に使います。

一方、伏線という言葉は、その後の展開に備えて関連事項を用意し、それとなく伝えるものを指す言葉ではありますが、誤った方向に誘導するような意味はありません。

これが、ミスディレクション、ミスリード、伏線の明確な違いです。

ミスディレクションの意味

ミスディレクションとは

ミスディレクションとは、真相などから観客や読者らの目をそらすことを意味しています。

小説や舞台などで使われている言葉ですが、手品やイリュージョンなどでも使われているテクニックです。

ミスディレクションは心理学で「非注意性盲目」

また、ミスディレクションは、心理学において「非注意性盲目」とも言われており、視界に入っているものの、見ている者が注意を向けていないことから見落としてしまう現象を指します。

1999年に行われた実験では、映像の中でボールのパスが何回行われたのか数えるように言われていたことでそれに注視し、ゴリラの着ぐるみを着た人物が通過したことに気が付かなかった被験者が全体の半分近くいたようです。

ミスディレクションの類語

ミスディレクションの類語・類義語としては、ある状態や地点へと導くことを意味する「誘導」、だまして惑わすことを意味する「たぶらかす」、読者の注意を真犯人からそらすためにわざと提示される偽の手がかりを意味する「レッドヘリング」などがあります。

ミスリードの意味

ミスリードとは

ミスリードとは、人を誤った方向へ導いたり誤解させることを意味しています。

ミスリードの語源

ミスリードは、英語の「mislead」をカタカナ読みして使用している言葉ですが、これは誤ってを意味する接頭語の「mis」と導くことを意味する「lead」を組み合わせた言葉です。

また、「misread」という単語も存在し、こちらは誤解することを意味する言葉として使われており読み方も同じですが、こちらの意味でミスリードという言葉を使う人はほとんどいません。

「ミスリードを誘う」は重複表現

ミスリードを使った表現として、「ミスリードを誘う」がありますが、そもそもミスリードに誘うことや誤解させるという意味が含まれているため、「頭痛が痛い」のように重複している表現と言えます。

表現方法は「ミスリードになる」「ミスリードさせる」「ミスリードを狙う」

「ミスリードになる」「ミスリードさせる」「ミスリードを狙う」などが、ミスリードを使った一般的な言い回しです。

ミスリードの類語

ミスリードの類語・類義語としては、こっそりと計画をめぐらして行動をすることを意味する「策動」、煽ることである行動をさせるようにしむけることを意味する「扇動」、人の心を迷わして正常な判断を狂わせることを意味する「化かす」などがあります。

伏線の意味

伏線とは

伏線とは、その後の展開に備えて関連した事柄を前もってほのめかしておくことを意味しています。

小説などの物語において、将来的に起こることを何となく読者らに伝えるために使われている言葉ですが、現実においてもこれから起こることのために事前に代替案などを用意しておくことを表す場合にも使うことができます。

伏線の読み方

伏線は「ふくせん」という読み方をしますが、「ふせん」など他の読み方がなされることはありません。

表現方法は「伏線を敷く」「伏線を回収する」「伏線がある」

伏線を使った言葉として、「伏線を敷く」「伏線を回収する」「伏線がある」「伏線を張る」などがあります。最後の「伏線回収」は事前に準備されていた伏線が引き起こした結果が物語上で登場したり、伏線が生きるような事態を迎えることを指す言葉です。

「伏線を引く」は誤字

また、伏線の線という漢字から「伏線を引く」という表現する人もいますが、この使い方は間違いです。

伏線の類語

伏線の類語・類義語としては、将来のために配置しておく備えを意味する「布石」、後の展開を予想させるような出来事や登場人物の言動を意味する「フラグ」があります。

ミスディレクションの例文

1.ミスディレクションに引っ掛かり手品の種を見破ることができないが、それだけ手品師の方が上手であることがわかる。
2.私たちは服装で本来の性格を勘違いされることも多いため、そういった誘導もミスディレクションと言えるだろう。
3.学生時代のノートに大切な言葉は赤色のペンで書いていたが、ミスディレクションの原理を利用して目に行くようにしていたことに後から気が付いた。
4.あの場面であの表情って変じゃない?そもそも演技力のない俳優さんじゃないし、あれは監督のミスディレクションといっても良さそうですね。
5.推理小説というのは、途中偽の犯人をでっちあげるミスディレクションを仕掛けることで、はじめて大どんでん返しを描けるのだ。
6.男は兄の車の一部を壊したことがばれない様に、わざと景色を指さしてミスディレクションすることにしました。
7.わたしは敵の選手を欺くために視線をずらすミスディレクションをして、うまくパスをつなぐことに成功した。
8.サスペンスドラマなんかで、いかにも顔の悪そうな男を出すのは一種のミスディレクションと言えるのだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、真相などから観客や読者らの目をそらすことを意味する時などが挙げられます。

日常会話においてミスディレクションという言葉をあまり使うことはありませんが、小説の技法名としては使われています。

ミスリードの例文

1.ミスリードを狙うために多くの箇所で示唆する言動の描写がなされているが、人間というのはあまり気が付かないものである。
2.一度そうだと思ってしまうとミスリードに繋がるため視野を広く持ちたいと思いつつも、いつも作者の手のひらの上で踊らされている。
3.記事上のミスリードは読み切った後のもやもやが拭えなくなるため、読む必要なかったと思うことが多いイメージだ。
4.ネットにはこれを飲めば痩せられます!とか、洗うだけでシミが取れますなど、ミスリードを誘発するような広告があふれているので注意が必要だ。
5.感情的には理解できないこともないけど、あの場面であの彼の発言は稚拙すぎて、ミスリードされてもしょうがないと思う。
6.昨今コメンテーターが突然増税を容認を言い出すなど、メディアによるミスリードが後を絶たない状況だ。
7.まとめサイトはとても便利なのだが、アクセス数目当てでミスリードを行うことが常態化している。
8.悪質なトレーダーのなかには、SNSでミスリードの書き込みをして、利益を確保しようとするものまでいた。

この言葉がよく使われる場面としては、人を誤った方向へ導いたり誤解させることを意味する時などが挙げられます。

例文3のミスリードは、新聞や雑誌などの見出しが実際の内容と大きく異なることを意味しています。

伏線の例文

1.物語に敷かれた伏線に気が付く人は、ネット上で考察をしていることも多く、その作品において新しい発見をすることもでき面白い。
2.後輩のプレゼンのサポートを担当することになったので、別案などの提示を求められた時のため伏線を張っておいて損はないだろう。
3.このセリフやシーンはこの結果の伏線になり得るかなど考えながらドラマを見進めていると、唐突に母親にネタバレをされた。
4.書いているときは、最後どうなるか自分でもわからない状態で書くことが多いので、最後に伏線を回収できて、実はほっとしています。
5.最初にけんか腰で交渉にあたっていたのは、相手から譲歩を引き出すための伏線だったに違いない。
6.例のドラマは登場人物の伏線がしっかり回収できてないので、あの意味深なシーンは一体何を意味していたのかわからなかった。
7.作者は物語の中に多くの伏線を張っていたようだが、すべてを回収しきれないまま連載は終了してしまった。
8.サスペンス小説のクライマックスで、すべての伏線が一つにつながった瞬間は何事にも代えがたい快感だった。

この言葉がよく使われる場面としては、その後の展開に備えて関連した事柄を前もって用意しておくことを意味する時などが挙げられます。

例文3のように、伏線は物語の文章など以外でも事前に準備しておくことを意味する言葉としても使われています。

ミスディレクションとミスリードと伏線どれを使うか迷った場合は、視線誘導することを表す場合は「ミスディレクション」を、勘違いさせることを表す場合は「ミスリード」を、事前準備を表す場合は「伏線」を使うと覚えておけば間違いありません。

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