【おぼろけ】と【あやふや】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「おぼろげ」と「あやふや」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「おぼろげ」と「あやふや」という言葉は、どちらもはっきりしていない状態のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「おぼろげ」と「あやふや」の違い

「おぼろげ」と「あやふや」の違いを分かりやすく言うと、「おぼろげ」は感覚的で情緒的な曖昧さを表すこと、「あやふや」は事実関係や態度などの曖昧さを表すという違いです。

一つ目の「おぼろげ」を使った分かりやすい例としては、「古い日のことはおぼろげにしか覚えていない」「おぼろげな記憶の中で家の形がうっすら見えた」「夢の内容が朝にはおぼろげになってしまった」などがあります。

二つ目の「あやふや」を使った分かりやすい例としては、「彼の説明はあやふやで要点がよく分からない」「約束の時間があやふやだから確認しておいてください」「証拠があやふやなので結論を出せない」などがあります。

「おぼろげ」と「あやふや」はどちらもはっきりしていない状態のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「おぼろげ」は「記憶や印象などがぼんやりとしていてはっきりしない」状態を表す言葉になります。「おぼろげな記憶」「おぼろげに覚えている」「おぼろげな姿が浮かぶ」などのように、感覚的で情緒的なニュアンスを持っています。

そのため、時間の経過によって薄れてしまった記憶や、夢や遠い過去の情景などに対して使われることが多いのが特徴です。

一方、「あやふや」は「物事や情報などが確かでなく、信頼できない」状態を表す言葉です。「あやふやな説明」「あやふやな返事」「あやふやな記憶」などのように、はっきりさせるべきことが曖昧な場合に使われます。

また、「あやふや」には否定的な響きがあり、曖昧さを問題視する文脈で使われることが多い点も特徴です。

つまり、感覚的で情緒的な曖昧さを表すのが「おぼろげ」、事実関係や態度などの曖昧さを表すのが「あやふや」と覚えておきましょう。

「おぼろげ」を英語にすると「vague」「hazy」「faint」「dim」などとなり、例えば「古い日のことはおぼろげにしか覚えていない」を英語にすると「I only have a vague memory of those old days」となります。

一方、「あやふや」を英語にすると「ambiguous」「uncertain」「vague」「indefinite」などとなり、例えば「彼の説明はあやふやで要点がよく分からない」を英語にすると「His explanation was ambiguous and hard to follow」となります。

「おぼろげ」の意味

「おぼろげ」とは、物事がはっきりしないことを意味しています。

「おぼろげな記憶」「おぼろげな夢」「おぼろげな景色」「おぼろげながら思い出す」などが、「おぼろげ」を使った一般的な言い回しになります。

「おぼろげ」を使った分かりやすい例としては、「子どもの頃の記憶がおぼろげに残っている」「夢の内容はおぼろげでよく思い出せない」「遠い昔の景色がおぼろげに心に浮かぶ」「その時の感情がおぼろげながらも胸に残っている」などがあります。

「おぼろげ」は、はっきりしない・ぼんやりとしている様子や印象を意味する形容詞です。会話の中では、記憶や印象、形や輪郭などが不明瞭で、明確に把握できないときに使われることが多く、物事の輪郭や内容が曖昧な場合にも用いられます。

「おぼろげ」は主に「ぼんやり」「かすか」「不明瞭」といった印象を与える場面で使われます。記憶や印象がはっきり思い出せない場合に、「おぼろげに覚えている」「おぼろげな輪郭」などと表現されます。

また、夢や記憶、心の中の情景のように、具体的に形として残らないものに対しても使うことが可能です

「おぼろげ」の対義語・反対語としては、はっきりしていることを意味する「鮮明」があります。

「おぼろげ」の類語・類義語としては、はっきりしない様子を意味する「かすか」などがあります。

「あやふや」の意味

「あやふや」とは、はっきりせず不確かな様子のことを意味しています。

「あやふやな返事」「あやふやな態度」「あやふやな情報」「記憶があやふや」などが、「あやふや」を使った一般的な言い回しになります。

「あやふや」を使った分かりやすい例としては、「彼の説明はあやふやでよく理解できなかった」「返事があやふやで信用できない」「記憶があやふやで詳細を思い出せない」「計画の内容があやふやで決定できない」などがあります。

「あやふや」は、はっきりしない・不確かである様子や状態を意味する形容詞です。会話の中では、事実や情報、態度、意見などが不確かで、信頼性や確実性に欠ける場合に使われることが多く、曖昧なものごとに対して用いられます。

「あやふや」は主に「不確か」「曖昧」「はっきりしない」といった印象を与える場面で使われます。情報や記憶が確実でない場合に、「あやふやな証言」「記憶があやふや」などと表現されます。

また、人の態度や返事などに対しても使うことが可能です。例えば、「あやふやな態度」「あやふやな答え」のように、はっきりしない態度や行動を表すときに用いられます。

「あやふや」の対義語・反対語としては、確かであることを意味する「明確」があります。

「あやふや」の類語・類義語としては、はっきりしない様子を意味する「曖昧」などがあります。

「おぼろげ」の例文

1.幼い頃に祖母と一緒に歩いた道の風景を、おぼろげながら今でも頭の片隅に覚えています。
2.昔の友人の顔を思い出そうとすると、輪郭だけがぼんやりとおぼろげに浮かんできます。
3.学生時代の楽しい思い出は、年月が経つにつれておぼろげになってきたように感じます。
4.夢の中で誰かと話していたような気がしますが、その内容はおぼろげにしか覚えていません。
5.かつて訪れた町の情景が、おぼろげな光のように心の奥で揺らめいている気がします。

この言葉がよく使われる場面としては、物事がはっきりしないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「おぼろげ」は感覚的で情緒的な曖昧さを表す時に使う言葉です。

「あやふや」の例文

1.彼の話はどこまでが本当でどこからが嘘なのかがあやふやで、どうにも信じきれませんでした。
2.約束の日時があやふやだったため、相手と連絡が取れずに混乱してしまいました。
3.あの時の先生の言葉を、今では少しあやふやにしか覚えていないような気がします。
4.会社の方針があやふやなままだと、社員たちもどう動いていいか分からなくなります。
5.記憶があやふやな状態で証言をしてしまい、後で誤解を招いたことを深く反省しています。

この言葉がよく使われる場面としては、はっきりせず不確かな様子のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「あやふや」は事実関係や態度などの曖昧さを表す時に使う言葉です。

「おぼろげ」と「あやふや」はどちらもはっきりしていない状態のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、感覚的で情緒的な曖昧さを表すのが「おぼろげ」、事実関係や態度などの曖昧さを表すのが「あやふや」と覚えておきましょう。

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