似た意味を持つ「でっちあげる」と「捏造する」(読み方:ねつぞうする)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「でっちあげる」と「捏造する」という言葉は、どちらも事実ではないことを作り上げることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「でっちあげる」と「捏造する」の違い
「でっちあげる」と「捏造する」の意味の違い
「でっちあげる」と「捏造する」の違いを分かりやすく言うと、「でっちあげる」はカジュアルな場面で使う、「捏造する」はフォーマルな場面で使うという違いです。
「でっちあげる」と「捏造する」の使い方の違い
一つ目の「でっちあげる」を使った分かりやすい例としては、「彼は罪を免れるために証言をでっちあげた」「週刊誌が芸能人のスキャンダルをでっちあげた」「上司は自分の責任を隠すため部下の失敗をでっちあげた」「彼は自分のミスを隠すために架空の話をでっちあげた」などがあります。
二つ目の「捏造する」を使った分かりやすい例としては、「証拠を捏造する行為は重大な犯罪だ」「彼は過去の経歴を捏造することで信頼を失った」「研究結果を捏造する学者は厳しく処分される」「警察が証拠を捏造するというニュースが流れた」などがあります。
「でっちあげる」と「捏造する」の使い分け方
「でっちあげる」と「捏造する」はどちらも事実ではないことを作り上げることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「でっちあげる」は「彼は自分のミスを隠すために架空の話をでっちあげた」のように、くだけた日常的な場面や会話で使うことが多く、軽い悪意や作り話というニュアンスを含む言葉になります。比較的口語的で、悪ふざけや言い逃れとして事実を作る場合にも用いられます。
一方、「捏造する」は「警察が証拠を捏造したというニュースが流れた」のように、公式文書や報道、法律関係などフォーマルな文脈で使われることが多い言葉です。より深刻で意図的な虚偽の作成を意味し、社会的に問題視されるケースに用いられます。
つまり、カジュアルな場面で使うのが「でっちあげる」、フォーマルな場面で使うのが「捏造する」と覚えておきましょう。
「でっちあげる」と「捏造する」の英語表記の違い
「でっちあげる」を英語にすると「make up」「fabricate」「concoct」となり、例えば上記の「彼は自分のミスを隠すために架空の話をでっちあげた」を英語にすると「He made up a story to cover up his mistake」となります。
一方、「捏造する」を英語にすると「fabricate」「forge」「falsify」となり、例えば上記の「警察が証拠を捏造するというニュースが流れた」を英語にすると「There was a news report that the police had fabricated the evidence」となります。
「でっちあげる」の意味
「でっちあげる」とは
「でっちあげる」とは、いかにも事実であるかのようにこしらえることを意味しています。
表現方法は罪をでっちあげる」「話をでっちあげる」
「罪をでっちあげる」「話をでっちあげる」などが、「でっちあげる」を使った一般的な言い回しになります。
「でっちあげる」の使い方
「でっちあげる」を使った分かりやすい例としては、「彼は自分の失敗を隠すために部下のミスをでっちあげました」「その週刊誌は芸能人のスキャンダルをでっちあげた」「子どもたちは親を驚かせようと幽霊の話をでっちあげた」「彼は冒険話をでっちあげて友達を笑わせた」などがあります。
「でっちあげる」は、根拠のないことを事実のように作り上げること、または作り話をすることを意味する言葉です。つまり、簡単に言うならば、存在しないことを作って話すニュアンスで使います。
また、「でっちあげる」は日常会話でも使われますが、やや軽めの表現で、冗談や作り話などにも使われます。
「でっちあげる」の特徴
例えば「友達を笑わせるために武勇伝をでっちあげる」など、深刻ではない場面でも使われることがあります。ただし、「罪をでっちあげる」や「事件をでっちあげる」という場合には、相手を陥れるために嘘を作り上げるという強い批判のニュアンスを含みます。
そのため、基本的にカジュアルな場面で使う言葉であると覚えておきましょう。
「でっちあげる」の類語
「でっちあげる」の類語・類義語としては、事実でないことをこしらえることを意味する「捏造する」、本当でないことを作って話すことを意味する「作り話をする」、根拠のないうわさを言い広めることを意味する「流言する」などがあります。
「捏造する」の意味
「捏造する」とは
「捏造する」とは、本当はない事をあるかのように偽って作り上げることを意味しています。
表現方法は「証拠を捏造する」「記事を捏造する」
「証拠を捏造する」「記事を捏造する」などが、「捏造する」を使った一般的な言い回しになります。
「捏造する」の使い方
「捏造する」を使った分かりやすい例としては、「警察が証拠を捏造した事件が問題になりました」「記者が事実を捏造して記事を書いた」「研究結果を捏造する行為は学問の信頼を損ないます」「彼は自分に有利な状況を作るために証言を捏造した」などがあります。
「捏造する」は、存在しない事実を作り出す、または本当でないことを事実のように作り上げることを意味する言葉です。つまり、簡単に言うならば、事実でないものを作るというニュアンスで使います。
また、「捏造する」は日常会話よりもやや硬い表現で、ビジネスや学問、報道、法律などの真剣な文脈でよく使われます。「研究データを捏造する」「ニュースを捏造する」のように、倫理的や社会的に大きな問題となる行為を指すことが多いです。
「捏造する」の特徴
「捏造する」は冗談や軽い作り話にはあまり使いません。多くの場合は、権力や立場を利用して事実をねじ曲げたり、不正に新しい「事実」を作り上げるといった、深刻で批判的な意味合いで用いられます。
そのため、基本的にフォーマルな場面で使うと覚えておきましょう。
「捏造する」の類語
「捏造する」の類語・類義語としては、作り上げることを意味する「創作する」、でっち上げて事実のように見せることを意味する「虚構する」、意図的に誤った情報を作ることを意味する「偽造する」などがあります。
「でっちあげる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、いかにも事実であるかのようにこしらえることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「でっちあげる」はカジュアルな場面で使う言葉です。
「捏造する」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、本当はない事をあるかのように偽って作り上げることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「捏造する」はフォーマルな場面で使う言葉です。
「でっちあげる」と「捏造する」はどちらも事実ではないことを作り上げることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、カジュアルな場面で使うのが「でっちあげる」、フォーマルな場面で使うのが「捏造する」と覚えておきましょう。