似た意味を持つ「陥れる」(読み方:おとしいれる)と「貶める」(読み方:おとしめる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「陥れる」と「貶める」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「陥れる」と「貶める」の違い
「陥れる」と「貶める」の意味の違い
「陥れる」と「貶める」の違いを分かりやすく言うと、「陥れる」とは騙して苦しい立場に追いやること、「貶める」とは劣ったものとして軽蔑することという違いです。
「陥れる」と「貶める」の使い方の違い
一つ目の「陥れる」を使った分かりやすい例としては、「彼女は人を陥れるような質問をしました」「この失敗は会社を財政難に陥れるだろう」「彼は人を恐怖に陥れる存在です」「彼らはその女を苦境に陥れた」などがあります。
二つ目の「貶める」を使った分かりやすい例としては、「インタネート掲示板にはライバル企業を貶める発言がよく目立つ」「あなたの行いは会社を品格を貶めると思うよ」「他人を貶めるような人になってはいけません」などがあります。
「陥れる」と「貶める」の使い分け方
「陥れる」と「貶める」は似た言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。
「陥れる」は騙して苦しい立場に追いやることの意味で使うのに対して、「貶める」は劣ったものとして軽蔑することや下落させることの意味で使われている言葉です。
一つ共通点を挙げるとすれば、どちらもマイナスのイメージで使うという点になります。
「陥れる」と「貶める」の英語表記の違い
「陥れる」を英語にすると「entrap」「capture」となり、例えば上記の「彼らはその女を苦境に陥れた」を英語にすると「They plunged the woman into a difficult situation」となります。
一方、「貶める」を英語にすると「look down on」「belittle others」「put others down」となり、例えば上記の「他人を貶めるような人になってはいけません」を英語にすると「You should not become someone who belittles others」となります。
「陥れる」の意味
「陥れる」とは
「陥れる」とは、騙して苦しい立場に追いやることを意味しています。
「陥れる」の別表記
「陥れる」は別の表記として、「落とし入れる」とすることが可能です。
表現方法は「人を陥れる」「恐怖に陥れる」
「人を陥れる」「恐怖に陥れる」などが、「陥れる」を使った一般的な言い回しになります。
「陥れる」の使い方
「陥れる」を使った分かりやすい例としては、「彼を誘惑に陥れる」「我が国を危機に陥れる存在は排除しなければいけません」「彼女を陥れるつもりはありませんでした」「彼は上手なフェイントで相手を陥れる」などがあります。
「陥れる」は騙して苦しい立場に追いやることを意味する動詞です。また、現代ではあまり使われていませんが、城などを攻めて取るの意味も持っていると覚えておきましょう。
「陥れる」は相手を悪い状況へ仕向ける場合に使うので、マイナスのイメージでしか使えない言葉です。また、日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても使うことができます。
「陥れる」の特徴
「陥れる」は口頭や会話などの話し言葉としてだけではなく、文章や手紙などの書き言葉としても使えるというのが特徴です。
「陥れる」の類語
「陥れる」の類語・類義語としては、騙すことを意味する「謀つ」、企むことを意味する「謀る」、 計略にかけておとし入れることを意味する「填め込む」などがあります。
「貶める」の意味
「貶める」とは
「貶める」とは、劣ったものとして軽蔑することを意味しています。その他にも、下落させることの意味も持っています。
表現方法は「他人を貶める」「貶める行為」「人格を貶める」
「他人を貶める」「貶める行為」「人格を貶める」などが、「貶める」を使った一般的な言い回しになります。
「貶める」の使い方
「人を貶めるような言い方はやめてください」「他人を貶めるなら実力くらいつけてくださいね」などの文中で使われている「貶める」は、「劣ったものとして軽蔑すること」の意味で使われています。
一方、「それは社名を貶める行為だと思うよ」「彼の発言は会社を貶めるようなものでした」などの文中で使われている「貶める」は、「下落させること」の意味で使われています。
「貶める」は劣ったものとして軽蔑することと、下落させることの二つの意味を持つ言葉ですが、どちらの意味でも使われています。また、どちらもネガティブな意味なので、マイナスのイメージで使うと覚えておいて問題ありません。
「貶める」の特徴
「貶める」は基本的に相手に対して使う言葉であると覚えておきましょう。「自分を貶める」などのように自分に対して使う人もいますが、基本的には自分に使うのは誤用に近い表現です。
「貶める」は日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても使うことができます。また、テレビのニュースや新聞でも使われている言葉です。
「貶める」の類語
「貶める」の類語・類義語としては、馬鹿にして悪く言ったり笑ったりすることを意味する「嘲る」、相手を馬鹿にして見ることを意味する「見下す」、他人を自分より能力や人格の劣るものとみなすこと意味する「蔑む」などがあります。
「陥れる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、騙して苦しい立場に追いやることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「陥れる」はマイナスのイメージで使う言葉です。
「貶める」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、劣ったものとして軽蔑することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、下落させることを表現したい時にも使います。
例文1から例文3の「貶める」は劣ったものとして軽蔑すること、例文4と例文5の「貶める」は下落させることの意味で使っています。
「陥れる」と「貶める」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、騙して苦しい立場に追いやることの意味で使うのが「陥れる」、劣ったものとして軽蔑することの意味で使うのが「貶める」と覚えておきましょう。