【発足】と【結成】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「発足」(読み方:ほっそく)と「結成」(読み方:けっせい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「発足」と「結成」という言葉は、どちらも組織を作ることを表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




発足と結成の違い

発足と結成の意味の違い

発足と結成の違いを分かりやすく言うと、発足とは活動を始めること、結成とは組織を作ることという違いです。

発足と結成の使い方の違い

一つ目の発足を使った分かりやすい例としては、「プロジェクトの発足メンバーに選ばれた」「今日は委員会活動の発足日です」「組織発足までの経緯をまとめる」「このボランティア団体が発足して2年になる」などがあります。

二つ目の結成を使った分かりやすい例としては、「伝説のアイドルグループが再結成した」「労働組合の結成を妨害された」「結成10周年おめでとう」「結成以来変わらない関係です」「有志で結成する任意団体です」などがあります。

発足と結成の使い分け方

発足と結成という言葉は、どちらも特定の目的のために人々が集まって、組織を作ることを表します。二つの言葉は似通った意味を持ちますが、厳密には違いがあります。

発足とは、組織や団体などが新しく作られ、活動を始めることを意味します。会社や政治組織、ボランティア団体などの組織ができ、活動を始めるときに使われる言葉です。

結成とは、会や団体などの組織を作ることを意味します。ボランティア団体や、音楽グループ、スポーツチームなどの組織を作る時に使われますが、企業や会社に対しては使われない言葉です。

つまり、発足と結成という言葉の具体的な違いは二点あります。一つは、発足は活動を始めるという意味を含みますが、結成には活動の意味は含まれません。もう一つは、発足は会社に対しても使われますが、結成は会社に対して使われません。

発足と結成の英語表記の違い

発足を英語にすると「starting」「inauguration」となり、例えば上記の「発足メンバー」を英語にすると「inauguration member」となります。

一方、結成を英語にすると「formation」「combination」「organization」となり、例えば上記の「再結成」を英語にすると「reformation」となります。

発足の意味

発足とは

発足とは、組織や機構などが設けられ、活動を始めることを意味しています。

その他にも、出発することの意味も持っています。

発足の読み方

発足の読み方は「ほっそく」のほかに「はっそく」とも読みます。本来は「はっそく」が正しい読み方でしたが、現在は慣用読みの「ほっそく」という読み方が普及しています。NHKのアクセント辞典も「ホッソク」しか載せていません。

表現方法は「発足しました」「発足する」「発足会」

「発足しました」「発足する」「発足会」などが、発足を使った一般的な言い回しです。

発足の使い方

「新たに発足するワーキンググループの一員です」「草野球チームが再発足する」「新保証制度が発足する」「発足式の案内状を届ける」「新サークルの発足会を開催します」などの文中で使われている発足は、「組織や機構などが設けられ、活動を始めること」の意味で使われています。

一方、「朝五時に山小屋を発足する」「成田空港からリオへ向けて発足しました」「余裕をもって発足した」「準備が出来次第に発足します」などの文中で使われている発足は、「出発すること」の意味で使われています。

発足という言葉は、上記の例文のように二つの意味を持ちますが、「組織や機構などが設けられ、活動を始めること」の意味で用いられることが多くあります。「出発すること」の意味で使われることは殆どありません。

「再発足」の意味

上記の例文にある「再発足」とは、再び発足することを意味します。解散または中止したものを、もう一度始めることを表す言葉です。

発足の対義語

発足の対義語・反対語としては、今までの状態や関係などが消えてなくなることを意味する「解消」、政党や党派などを解散することを意味する「解党」などがあります。

発足の類語

発足の類語・類義語としては、会を発足させることや会の組織ができて初めて会合を開くことを意味する「発会」、旅などのために自分の家を出発することを意味する「門出」、施設や機関を新しくつくることを意味する「創設」などがあります。

結成の意味

結成とは

結成とは、会や団体などの組織を作ることを意味しています。

表現方法は「結成する」「結成された」「結成日」

「結成する」「結成された」「結成日」などが、結成を使った一般的な言い回しです。

結成の使い方

結成を使った分かりやすい例としては、「ワーキングチームを結成する」「結成当時から残るメンバーの一人です」「結成大会で祝辞を述べる」「新しい政党が結成された」「結成総会の案内文を作成する」「20年振りの再結成ライブとなる」などがあります。

その他にも、「学生時代の仲間とバンドを結成する」「結成から1年でメジャーデビューした」「英語教室の講師らが労働組合を結成した」「首相は新党結成について側近と協議した」「人気トリオが結成秘話を明かす」などがあります。

結成という言葉の「結」は、組み立てることや組織体を造ることを表し、「成」とは、出来上がることや作り上げることを表します。結成とは、事柄を組み立てて、あるまとまりを作り上げることであり、特に、会や団体などを組織することをいう言葉です。

「再結成」の意味

上記の例文にある「再結成」とは、再び結成することを意味します。かつて活躍した後に解散したアーティストや音楽バンドなどが、一定期間を経た後に再度結成し活動を開始する時に使われる言葉です。

結成の対義語

結成の対義語・反対語としては、会社や結社などの団体組織を一定の手続きにより解消させることを意味する「解散」、団体の組織を解散することを意味する「解団」などがあります。

結成の類語

結成の類語・類義語としては、団体を結成することを意味する「結団」、政党を結成することを意味する「結党」、新しく政党や党派をつくることを意味する「立党」、共通の目的を達成するために合意によって組織する継続的な団体を作ることを意味する「結社」などがあります。

発足の例文

1.生徒総会において生徒会役員が承認され、今年度の生徒会が発足しました。
2.社運をかけた新規事業プロジェクトの発足に向けて、キックオフを開催します。
3.部活動発足会では、部員一人一人から部活動での意気込みや目標などを発表します。
4.新たな営業チームの発足メンバーに加えられ、俄然やる気がみなぎっている。
5.昨夜、首相はアメリカ大統領と会談するため、ワシントンに向け政府専用機で羽田空港を発足しました。
6.この同好会も活動が長くなり、発足時のメンバーは私以外誰もいなくなってしまった。
7.社内の大型プロジェクトの発足メンバーに抜擢されたのはいいが、勝気な先輩社員たちとうまくやっていけるか不安になってしまった。
8.先日、政府の公文書の電子化に向けてのワーキンググループが発足されたが、わたしの通っている大学からも教授らが参加することになっているそうだ。
9.優秀な部隊だからこそ無謀な任務を引き受けないのは、せっかく苦労して先鋭たちを集めて発足した部隊を一瞬で全滅させたくないからだろう。
10.先輩たちが新しいサークルの発足会を開催するということなのだが、わたしはどうせいつもの飲み会のようなものをやるだけだろうと思っていたのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、団体や会議などが設けられ活動し始めること、出発することを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文4にある発足は、団体や会議などが設けられ活動し始めることの意味で使われています。例文5の発足は、出発することの意味で使われています。

結成の例文

1.人気バンドの結成日を記念したライブチケットは、売り出し初日で完売必至と言われている。
2.女子サッカー日本代表はアジア女子選手権に参加するために結成されたのが始まりである。
3.国会議員が離党して新党を結成する動きがあり、マスコミが行方を追っている。
4.今回のボランティアグループ結成に際しては、メンバーは英語が話せることを必須条件としました。
5.惜しまれながらも解散したアイドルグループが、デビュー10周年の年に再結成するのではという噂が囁かれている。
6.友人3人と結成したダンスユニットは結成10周年を迎える今、20人のメンバーを抱える大所帯となった。
7.伝説のアイドルグループが再結成したことで当時大ファンだった父親がライブに行くと大はしゃぎしていたのだが、一方で母親が冷たい視線を向けていたのだった。
8.いつも応援しているアイドルグループが結成10周年を機に活動を休止することになり、休止直前のライブでは私も含め多くのファンが会場へと詰めかけていた。
9.わがボランティア団体は有志で結成した任意団体にもかかわらず、皆仕事のように真面目に活動をしてくれるものだから、今では地域でも信頼される団体の一つとなった。
10.最初はアイドルグループの再結成はファンを喜ばせたが、たびたび再結成しているともはや再結成ビジネスではないかと、ファンの気持ちは徐々に萎えてしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、会や団体などの組織を作ることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、結成という言葉は、ある目的のために人が集まって、音楽グループや、スポーツチーム、政治団体などの組織を作り上げることを表します。

発足と結成という言葉は、どちらも団体や組織を作ることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、団体や会議などが設けられ活動し始めることを表現したい時は「発足」を、会や団体などの組織を作ることを表現したい時は「結成」を使うようにしましょう。

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