【ひっきりなしに】と【しきりに】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ひっきりなしに」と「しきりに」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ひっきりなしに」と「しきりに」という言葉は、どちらも物事が頻繁に起こることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ひっきりなしに」と「しきりに」の違い

「ひっきりなしに」と「しきりに」の違いを分かりやすく言うと、「ひっきりなしに」は出来事が途切れることなく連続して起こる様子を表すこと、「しきりに」は同じ行動や意識が何度も繰り返される様子を表すことという違いです。

一つ目の「ひっきりなしに」を使った分かりやすい例としては、「朝から電話がひっきりなしに鳴っている」「観光シーズンは客がひっきりなしに訪れる」「雨がひっきりなしに降り続いている」などがあります。

二つ目の「しきりに」を使った分かりやすい例としては、「彼は不安そうに時計をしきりに見ていた」「彼女はその噂をしきりに気にしている」「子どもがしきりに同じ質問をしてくる」などがあります。

「ひっきりなしに」と「しきりに」はどちらも物事が頻繁に起こることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ひっきりなしに」は、休む間もなく次々と起こる状態を表す言葉で、「電話がひっきりなしに鳴る」のように、出来事が連続的に発生している状況に対して使われます。

一方、「しきりに」は、同じ行為を何度も繰り返すことやある物事が気になって何度も意識してしまう状態を表す言葉で、「彼はしきりに同じ話題を持ち出す」のように、行動や心理の反復に対して使われます。

つまり、出来事が途切れることなく連続して起こる様子を表すのが「ひっきりなしに」、同じ行動や意識が何度も繰り返される様子を表すのが「しきりに」と覚えておきましょう。

「ひっきりなしに」を英語にすると「constantly」「incessantly」「without pause」となり、例えば「電話がひっきりなしに鳴っている」を英語にすると「The phone keeps ringing incessantly」となります。

一方、「しきりに」を英語にすると「frequently」「repeatedly」「persistently」となり、
例えば「彼はしきりに時計を見ていた」を英語にすると「He kept looking at his watch repeatedly」となります。

「ひっきりなしに」の意味

「ひっきりなしに」とは、絶えまなく続くことを意味しています。

「ひっきりなしに続く」「ひっきりなしに鳴る」「ひっきりなしに訪れる」などが、「ひっきりなしに」を使った一般的な言い回しになります。

「ひっきりなしに」を使った分かりやすい例としては、「朝から晩まで問い合わせがひっきりなしに続いた」「雨の日は車の往来がひっきりなしにありました」「繁忙期になると注文がひっきりなしに入ります」「人気店にはお客さんがひっきりなしに訪れています」などがあります。

「ひっきりなしに」は、物事が途切れることなく連続して起こる様子を意味する形容動詞です。形容動詞とは活用のある自立語で、文中において単独で述語になることができ、言い切りの形が、口語では「だ」、文語では「なり」「たり」で終わるものを指します。

「ひっきりなしに」は、一定の間隔を空けず、次々と同じ出来事が続く場面に使われるため、忙しさや落ち着きのなさ、頻度の高さを強く感じさせる表現になります。多忙な状況や対応に追われる様子を表す際によく用いられる言葉だと覚えておきましょう。

「ひっきりなしに」の特徴を挙げると、物事が連続して起こる状態、間がほとんどない状況、対応が追いつかないほど頻繁な出来事、落ち着く暇がない様子、忙しさや慌ただしさが強調される場面などがあります。

「ひっきりなしに」の類語・類義語としては、続けざまに起こる様子を表す「立て続けに」、絶え間なく続くことを意味する「絶えず」などがあります。

「しきりに」の意味

「しきりに」とは、同じことが何度も引き続き起こることを意味しています。

「しきりに気にする」「しきりに念を押す」「しきりに謝る」などが、「しきりに」を使った一般的な言い回しになります。

「しきりに」を使った分かりやすい例としては、「彼は結果をしきりに気にしていました」「上司は同じ点をしきりに確認してきました」「彼女は帰り際にしきりに謝っていました」「天気のことをしきりに心配している様子でした」などがあります。

「しきりに」は、同じ行為や意識が何度も繰り返される様子を意味する副詞です。副詞とは、動詞、形容詞、形容動詞、文全体などを修飾し、状態や程度、回数などを表す言葉を指しています。

「しきりに」は、回数が多いことに加えて、話し手の心理的な意識や気持ちが強く向いている様子を表す場合に使うことが多いです。そのため、単なる頻度の高さだけでなく、気になって仕方がない状態や、念入りに繰り返してしまう状況を表す際に使われると覚えておきましょう。

「しきりに」の特徴を挙げると、同じ行為や発言を繰り返す状態、心理的な関心が強く向いている様子、落ち着かず何度も確認してしまう場面、心配や不安が行動に表れている状況、無意識的に繰り返される行動などがあります。

「しきりに」の類語・類義語としては、何度も繰り返す様子を表す「たびたび」、気持ちが強く向いている状態を示す「盛んに」などがあります。

「ひっきりなしに」の例文

1.年度末が近づくにつれて問い合わせの電話がひっきりなしに入り、対応に追われています。
2.雨の日が続いた影響で、修理の依頼が朝から晩までひっきりなしに届いています。
3.新商品が話題になったため、店内にはひっきりなしにお客様が訪れている状況です。
4.会議中も上司のもとには連絡がひっきりなしに入り、なかなか話が進みませんでした。
5.繁忙期になると配送トラックがひっきりなしに出入りし、周囲が騒がしくなります。

この言葉がよく使われる場面としては、絶えまなく続くことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ひっきりなしに」は出来事が途切れることなく連続して起こる様子を表す時に使う言葉です。

「しきりに」の例文

1.彼は締め切りの時間を気にしているのか、会議中もしきりに時計を確認していました。
2.その出来事がよほど気になるのか、彼女は同じ話題をしきりに持ち出してきます。
3.初対面の場だったため、私は失礼がなかったかをしきりに考えてしまいました。
4.上司は説明の途中で、重要な点についてはしきりに念を押していました。
5.天候の変化が心配なのか、彼は空の様子をしきりに見上げていました。

この言葉がよく使われる場面としては、同じことが何度も引き続き起こることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「しきりに」は同じ行動や意識が何度も繰り返される様子を表す時に使う言葉です。

「ひっきりなしに」と「しきりに」はどちらも物事が頻繁に起こることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、出来事が途切れることなく連続して起こる様子を表すのが「ひっきりなしに」、同じ行動や意識が何度も繰り返される様子を表すのが「しきりに」と覚えておきましょう。

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