似た意味を持つ「充足感」(読み方:じゅうそくかん)と「満足感」(読み方:まんぞくかん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「充足感」と「満足感」という言葉は、どちらも満ち足りた感覚を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
充足感と満足感の違い
充足感と満足感の意味の違い
充足感と満足感の違いを分かりやすく言うと、充足感とは不足している要素が満たされる意味合いを持ち、満足感とは不平不満がない意味合いを持つという違いです。
充足感と満足感の使い方の違い
一つ目の充足感を使った分かりやすい例としては、「久しぶりに彼氏に会えて充足感を得る」「人生における充足感に満たされる」「高い充足感につながる仕事を見つけた」「何不自由ないのに充足感がありません」などがあります。
二つ目の満足感を使った分かりやすい例としては、「満足感があり低カロリーな食事にしている」「何気ない日常生活でも満足感を得る」「どこからともなく満足感が湧きおこる」「目標達成したのに満足感がない」などがあります。
充足感と満足感の使い分け方
充足感と満足感という言葉は、どちらも心が満ち足りているさまを表し、ほぼ同じような意味を持ちますが、厳密には少し違いがあります。
充足感とは、必要なものや足りない要素が満たされて心が満ち足りた気持ちを意味します。上記の例文の「久しぶりに彼氏に会えて充足感を得る」とは、会えなかった彼氏にやっと会えて、心が満ち足りた気持ちを表します。
一方、満足感とは、自分の思いどおりに事が運んで満ち足りた感じや、不平不満がない気持ちを意味します。上記の例文の「何気ない日常生活でも満足感を得る」とは、普段の日常生活に文句がなく、心が満ち足りていることを表します。
つまり、充足感は必要な要素が満たされる意味合いが強く、満足感は不平不満がない意味合いが強い言葉なのです。
「充足感を感じる」「満足感を感じる」は二重表現で誤り
なお、「充足感を感じる」「満足感を感じる」という言い回しは二重表現になり、誤った表現になります。二重表現とは「頭痛が痛い」のように同じ意味の言葉を重ねることで、一般的に誤用とされています。「充足感に包まれる」「満足感を覚える」などと言い換えるようにしましょう。
充足感と満足感の英語表記の違い
充足感も満足感も英語にすると「satisfaction」「sense of sufficiency」「fulfillment」となり、例えば上記の「充足感を得る」を英語にすると「get satisfaction」となります。
充足感の意味
充足感とは
充足感とは、満ち足りる感覚を意味しています。
充足感の使い方
充足感を使った分かりやすい例としては、「人生が充実感に満ちる」「彼に会うと心が安心感や充足感に包まれる」「充足感で満たされる家庭にしたい」「人助けをして充足感を得る」「開放感と充足感に満たされる」などがあります。
その他にも、「充足感を満たすやりがいのある仕事をみつけました」「なんとも言えない充足感が湧き上がる」「充足感がない日々を変えたい」「物質的な充足感より心の豊かさを重視する」「お金をかけずに充足感が得られる」などがあります。
充足感という言葉の「充足」とは、十分に補い満たすことや、満ち足りることを意味します。心理的にも物理的にも何かが不足しているところに、外部から補って満たされる時に用いられる言葉です。充足感とは、必要なものや望みが満たされて満足した感情や感覚を表す言葉です。
「充足感に包まれる」の意味
上記の例文にある「充足感に包まれる」とは、心が充足感に覆われる様子であり、必要なものや条件がそろって満ち足りた気分で心が一杯になることを意味します。「包まれる」とは「包む」の受け身表現であり、すっぽりと取り囲むようにすることです。
表現方法は「充足感を得る」「充足感に満たされる」「充足感に満たす」
「充足感に包まれる」以外では「充足感を得る」「充足感に満たされる」「充足感に満たす」などが、充足感を使った一般的な言い回しです。
充足感の対義語
充足感の対義語・反対語としては、何物もなく虚しい感覚を意味する「虚無感」、乏しいことや不足することをを意味する「欠乏」、足りないことや満足でないことを意味する「不足」などがあります。
充足感の類語
充足感の類語・類義語としては、あることを成し遂げたことによって得られる満足感を意味する「達成感」、心が満ち足りてよろこぶことを意味する「満悦」などがあります。
満足感の意味
満足感とは
満足感とは、満ち足りたという感じを意味しています。
表現方法は「満足感を得る」「満足感を覚える」「満足感がない」
「満足感を得る」「満足感を覚える」「満足感がない」などが、満足感を使った一般的な言い回しです。
満足感の使い方
満足感を使った分かりやすい例としては、「カロリーは少なくても満足感のあるおやつです」「ダイエット中なので満足感のある食事を心掛ける」「子どもが満足感を得るよう仕向ける」「人それぞれ満足感を満たす方法は違います」などがあります。
その他にも、「生徒が満足感を得る場を作りたい」「転職して仕事の満足感が高まる」「毎日の仕事に満足感が得られない」「何をしても満足感がない」「デートの満足感を高めるスキルが欲しい」などがあります。
満足感という言葉の「満足」とは、心にかなって不平不満のないこと、心が満ち足りることを意味します。「今の暮らしに満足している」のように、希望が満ち足りて不平や文句がないことを表します。満足感とは、自分の思いどおりに事が運んで満ち足りた感じや、文句なしの気持ちを意味する言葉です。
「満足感のあるおやつ」「満足感のある食事」の意味
満足感は精神的に満たされてることを表します。上記の例文の「満足感のあるおやつ」「満足感のある食事」とは、物理的にお腹がいっぱいではなくとも、美味しさや盛り付けなどにより食べて心が満足する食べ物を意味します。
満足感の対義語
満足感の対義語・反対語としては、満足でないことや満足しないことを意味する「不満足」、価値が感じられず虚しい感覚を意味する「空虚感」などがあります。
満足感の類語
満足感の類語・類義語としては、期待どおりにいって満足することを意味する「会心」、自分の思いどおりになって満足していることを意味する「得意」などがあります。
充足感の例文
この言葉がよく使われる場面としては、充実感や満ち足りた感覚を表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「充足感を得る」とは、何かアクションを起こしたり、努力したりして充足感を手に入れたことを表します。例文2や例文5の「充足感に満たされる」とは、希望や願いなどが実現して心が満ち足りた感覚を表します。
満足感の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分の思いどおりに事が運んで、満ち足りた感じを表現したい時などが挙げられます。
例文1の目標達成で得られる満足感は「達成感」です。達成感と満足感は同じような意味を持ちますが、達成感は何かを成し遂げたことによって得られるものであり、満足感よりも意味が狭まります。
充足感と満足感という言葉は、どちらも満ち足りている感覚を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、必要なものや足りない要素が満たされることを表現したい時は「充足感」を、思いどおりに事が運んだり、不平不満がないことを表現したい時は「満足感」を使うようにしましょう。