同じ「いただく」という読み方の「頂く」と「戴く」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「頂く」と「戴く」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「頂く」と「戴く」の違い
「頂く」と「戴く」の意味の違い
「頂く」と「戴く」の違いを分かりやすく言うと、「頂く」とは目に見えるものと目に見えないもののどちらでも使える、「戴く」とは目に見えるものだけに使えるという違いです。
「頂く」と「戴く」の使い方の違い
一つ目の「頂く」を使った分かりやすい例としては、「激励の言葉を頂く」「もう十分に頂きました」「警察から賞状を頂く」「上司からお土産を頂く」「貴重なご意見を頂く」などがあります。
二つ目の「戴く」を使った分かりやすい例としては、「王様から褒美を戴く」「先輩から旅行先のお土産を戴く」「塾の先生からお菓子を戴く」「上司から参考資料を戴く」などがあります。
「頂く」と「戴く」の使い分け方
「頂く」と「戴く」はどちらも貰う、飲む、食うの謙譲語のことという同じ意味を持つ言葉ですが、違いがいくつかあるので注意が必要です。
一つ目の違いは、「頂く」は目に見えるものと目に見えないもののどちらでも使えるのに対して、「戴く」は目に見えるものだけに使えるという違いです。
例を挙げると、お菓子は目に見えるものなので「お菓子を頂く」と「お菓子を戴く」とどちらでも使うことができます。しかし、それを目に見えないものの時間に変えると、「時間を頂く」とすることができますが、「時間を戴く」とすることはできません。
また、目に見えているものの場合は、「頂く」よりも「戴く」の方が相手を敬っている時に使われることが多いです。
公用文では「頂く」か「いただく」
二つ目の違いは「頂く」は常用漢字なのに対して、「戴く」は常用漢字外という違いです。「戴く」が常用漢字表に載っていない言葉なので、新聞や公的な書類などで使う場合は、常用漢字表に載っている「頂く」や平仮名の「いただく」を使うようにしましょう。
常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。現行の常用漢字表は、2010年11月30日に平成22年内閣告示第2号として告示され、2136字で成り立っています。
「頂く」と「戴く」の英語表記の違い
英語には謙譲語がないので「頂く」と「戴く」を直訳した英語表現はありません。ただし近い表現として、「have」「get」「receive」「accept」などがあります。
「頂く」の意味
「頂く」とは
「頂く」とは、貰う、飲む、食うの謙譲語のことを意味しています。その他にも、敬って自分の上の者として迎えることの意味も持っています。
表現方法は「仕事を頂く」「お金を頂く」「お土産を頂く」
「仕事を頂く」「お金を頂く」「お土産を頂く」などが、「頂く」を使った一般的な言い回しになります。
「頂く」の使い方
「部長から応援の言葉を頂く」「お酒はもう少し頂きます」「監督から誉め言葉を頂く」「課長からお菓子を頂く」「などの文中で使われている「頂く」は、「貰う、飲む、食うの謙譲語のこと」の意味で使われています。
一方、「有識者を会長に頂く」「宸翰を頂く」などの文中で使われている「頂く」は、「敬って自分の上の者として迎えること」の意味で使われています。
「頂く」は貰う、飲む、食うの謙譲語
「頂く」は複数の意味を持つ言葉ですが、一般的に使われているのは貰う、飲む、食うの謙譲語のことの意味になります。
「頂く」を尊敬語として使うのは間違い
「頂く」を使う上で注意しなければならいのは、「どうぞ冷めないうちに頂いてください」のように尊敬語として使ってしまうことです。
謙譲語とは自分の行動を相手よりも下の立場として表現することなので、相手を高めて使う尊敬語と混同しないように気をつけましょう。
「頂く」の対義語
「頂く」の対義語・反対語としては、与えるの謙譲語を意味する「差し上げる」があります。
「頂く」の類語
「頂く」の類語・類義語としては、 贈られたり頼んだりして受け取り自分のものとすることを意味する「貰う」、手に入れることを意味する「得る」、差し出されたものを自分の方に取り入れることを意味する「受ける」などがあります。
「戴く」の意味
「戴く」とは
「戴く」とは、貰う、飲む、食うの謙譲語のことを意味しています。その他にも、敬って自分の上の者として迎えることの意味も持っています。
「戴く」の使い方
「お医者さんからお薬を戴く」「友人から旅行のお土産を戴く」「前菜はもう少し戴きます」などの文中で使われている「戴く」は、「貰う、飲む、食うの謙譲語のこと」の意味で使われています。
一方、「有識者を会長に戴く」「宸翰を戴く」などの文中で使われている「戴く」は、「敬って自分の上の者として迎えること」の意味で使われています。
「戴く」を尊敬語として使うのは間違い
「戴く」を使う上で注意しなければならいのは、「どうぞ冷めないうち戴いてださい」のように尊敬語として使ってしまうことです。
謙譲語とは自分の行動を相手よりも下の立場として表現することなので、相手を高めて使う尊敬語と混同しないように気をつけましょう。
「戴く」は貰う、飲む、食うの謙譲語
「戴く」は複数の意味を持つ言葉ですが、一般的に使われているのは貰う、飲む、食うの謙譲語のことの意味になります。
「戴く」の対義語
「戴く」の対義語・反対語としては、やるの謙譲語を意味する「差し上げる」があります。
「戴く」の類語
「戴く」の類語・類義語としては、食うや飲むの尊敬語のことを意味する「召し上がる」、相手からもらってこちらのものにすることを意味する「取る」、渡されたものを受け収めることを意味する「受け取る」、金や物などを受け取って自分のものとすることを意味する「納める」などがあります。
「頂く」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、貰う、飲む、食うの謙譲語のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、敬って自分の上の者として迎えることの意味も持っています。
上記の例文のように、「頂く」は貰う、飲む、食うの謙譲語のことの意味で使うのが一般的です。
「戴く」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、貰う、飲む、食うの謙譲語のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、敬って自分の上の者として迎えることの意味も持っています。
上記の例文のように、「戴く」は貰う、飲む、食うの謙譲語のことの意味で使うのが一般的です。
「頂く」と「戴く」はどちらも貰う、飲む、食うの謙譲語のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、常用漢字表に載っている「頂く」の方を使っておけば間違いありません。