【たたき台】と【叩かれ台】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「たたき台」(読み方:たたきだい)と「叩かれ台」(読み方:たたかれだい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「たたき台」と「叩かれ台」という言葉は、どちらも批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「たたき台」と「叩かれ台」の違い

「たたき台」と「叩かれ台」の意味の違い

「たたき台」と「叩かれ台」の違いを分かりやすく言うと、「たたき台」よりも「叩かれ台」の方がよく叩かれるという違いです。

「たたき台」と「叩かれ台」の使い方の違い

一つ目の「たたき台」を使った分かりやすい例としては、「現地を調査するとともにたたき台となる調査図を作成する」「これをたたき台としてさらに2つの設計案が作られた」「企画書のたたき台を作成する」などがあります。

二つ目の「叩かれ台」を使った分かりやすい例としては、「叩かれ台を無視して勝手な意見を出されては困る」「それを叩かれ台として新しい研究を始める」「以後これをたたかれ台として整備計画が練られました」などがあります。

「たたき台」と「叩かれ台」の使い分け方

「たたき台」と「叩かれ台」はどちらも批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことを意味していますが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「叩かれ台」は「たたき台」を作るための「たたき台」のことを指しています。つまり、「たたき台」よりもよく叩かれるので、「叩かれ台」となりました。そのため、「たたき台」よりもより叩かれる原案のことと覚えておきましょう。

また、「たたき台」は辞書に載っているのに対して、「叩かれ台」は辞書に載っていないというのも違いの一つです。

「たたき台」と「叩かれ台」の英語表記の違い

「たたき台」も「叩かれ台」も英語にすると「chopping block」「tentative plan」「draft of the proposal」となり、例えば上記の「企画書のたたき台を作成する」を英語にすると「To make a draft of the proposal」となります。

「たたき台」の意味

「たたき台」とは

「たたき台」とは、批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことを意味しています。

表現方法は「たたき台としての案」「たたき台にする」「たたき台を作る」

「たたき台としての案」「たたき台にする」「たたき台を作る」などが、「たたき台」を使った一般的な言い回しです。

「たたき台」の使い方

「たたき台」を使った分かりやすい例としては、「これを一種のたたき台と考えればいいだろう」「これをたたき台として開発を進めることにしました」「この実験機をたたき台に改良を重ね新しい商品の開発に成功する」などがあります。

「たたき台」は批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことで、ビジネスシーンにおいてよく使われています。企画書や資料などを作成する際に、「たたき台」を出してから、それを元に内容を細かく決めていくのが一般的です。

「たたき台」がビジネスシーンにおいて必要な理由としては、時間と労力を無駄にしないことや考えや意見をまとめることなどが挙げられます。

「たたき台」の語源

「たたき台」の語源は鍛冶屋が使う道具が由来です。熱い金属や鉄などを叩く際に使う台のことを「たたき台」と呼んでいました。

「たたき台」で行う動作の金属や鉄を何度も叩いて形を整えることが転じて、批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことを「たたき台」と言うようになりました。

「たたき台」の漢字表記

「たたき台」を漢字にすると「敲き台」や「叩き台」となりますが、「敲」や「叩」という漢字が常用漢字ではないため、あまり一般的ではありません。また、新聞や報道などでは平仮名の「たたき台」が用いられているので、「たたき台」の方を使うのが無難でしょう。

「たたき台」の類語

「たたき台」の類語・類義語としては、会議などに提出された最初の案のことを意味する「原案」、原案になる前の大もとの考えことを意味する「素案」、物事の根本となる仕組みのことを意味する「骨組み」などがあります。

「叩かれ台」の意味

「叩かれ台」とは

「叩かれ台」とは、批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことを意味しています。

「叩かれ台」の使い方

「叩かれ台」を使った分かりやすい例としては、「企画書の叩かれ台づくりを任されたが私には荷が重いです」「これを叩かれ台として方向性を探ってみる」「これを叩かれ台としてさらに3つの設計案が作られた」などがあります。

「叩かれ台」は批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことで、ビジネスシーンにおいてよく使われています。企画書や資料などを作成する際に、「叩かれ台」を出してから、それを元に内容を細かく決めていくのが一般的です。

「叩かれ台」の語源

「叩かれ台」は「たたき台」から派生した言葉で、辞書には載っていないが使われている日本語になります。

「叩かれ台」は「たたき台」を作るための「たたき台」とも言われており、「たたき台」よりもよく叩かれるので、「叩かれ台」という呼ばれるようになりました。また、一つの「たたき台」を作るためには、無数の「叩かれ台」が必要とも言われています。

「叩かれ台」の類語

「叩かれ台」の類語・類義語としては、試みに立てた案のことを意味する「試案」、規約などの下書きのことを意味する「草案」などがあります。

「たたき台」の例文

1.決定していたはずのたたき台が、上からの圧力により変更になってしまいました。
2.この経済関係は日米同盟のたたき台になったものと考えられています。
3.私たちはこの試作機をたたき台に、商品化に向けて本格的な挑戦を始めました。
4.研究陣はこの成果をたたき台に、さらに実験を重ねて、新しいタイプの薬を開発しました。
5.入手した技術情報をたたき台に、自分たちで苦労して追試をかさね、新しい製品を開発しました。
6.今回の道路整備計画のたたき台としては、市街地の道路拡張整備案やトンネルによる市街地を避けるパイパス工事案などが提示された。
7.たしかに会議は非公開で行われましたが、たたき台の時点では自由闊達な意見を交わすことができましたので、十分に議論が深まったはずです。
8.新しい職員のために業務マニュアルのたたき台を作っているのだが、完成品は業務全体を俯瞰できるようなものにしたいと思っている。
9.大学の研究所では今までの研究成果のいくつかをたたき台にして、新しい充電池を開発しようとしたが、いずれもうまくいかなかった。
10.いきなり動画編集ソフトを開いて試行錯誤するよりも、何か編集プランのたたき台を作ってからやったほうが、効率的に動画が作れるはずだ。

この言葉がよく使われる場面としては、批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「たたき台」はビジネスシーンにおいてよく使われています。

「叩かれ台」の例文

1.試作品を作って、それを叩かれ台にして試作に次ぐ試作を重ねました。
2.これを叩かれ台にして独自の研究を続け、3年かけて国産化に成功しました。
3.この経済関係は日仏同盟の叩かれ台になったものと考えられています。
4.以下のテンプレートはまだ完全に叩かれ台の状態です。
5.単純に写しただけの叩かれ台なので、今の段階で人に見られるのは正直抵抗があります。
6.県会議員からは今までの叩かれ台を無視して県知事が勝手に決めてしまうのは信義則違反だと批判が相次いだが、県知事は聞く耳を持たなかった。
7.ようやくデザイン案が出そろったところだが、そこから叩かれ台を作っていくので、決定まではまだまだ時間がかかりそうであった。
8.わたしは初めて番組の企画書の叩かれ台を任されたが、皆一癖も二癖もある連中ばかりなので、うまく話がまとまるかとても不安だった。
9.ほかのスタッフが嫌がるであろうアイデアの叩かれ台づくりが好きな自分というのは、もしかしたらドMなんじゃないかと思うほどだ。
10.現在社内では大型プロジェクトの資料の叩かれ台づくりが連日行なわれており、わたしたちもろくに家に帰れない日々が続いていた。

この言葉がよく使われる場面としては、批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、「叩かれ台」はビジネスシーンにおいてよく使われています。

「たたき台」と「叩かれ台」はどちらも批判や検討などを加えてより良い案を得るための原案のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「たたき台」よりも「叩かれ台」の方がよく叩かれている時に使うと覚えておきましょう。

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