似た意味を持つ「嘘から出たまこと」(読み方:うそからでたまこと)と「瓢箪から駒」(読み方:ひょうたんからこま)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」という言葉は、どちらも予想していなかったことが現実となることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」の違い
「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」の意味の違い
「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」の違いを分かりやすく言うと、「嘘から出たまこと」とは嘘として言ったことが現実になること、「瓢箪から駒」とは、冗談で言ったことが現実になることという違いです。
「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」の使い方の違い
一つ目の「嘘から出たまこと」を使った分かりやすい例としては、「嘘から出たまこと言うべきか、彼が言っていたことが現実となりました」「嘘から出たまことか彼女は本当にアイドル歌手としてデビューしました」などがあります。
二つ目の「瓢箪から駒」を使った分かりやすい例としては、「弟がプロ野球選手になるなんて瓢箪から駒だ」「瓢箪から駒という言葉があるように未来のことは誰も予測できません」などがあります。
「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」の使い分け方
「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」はどちらも似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「嘘から出たまこと」は嘘のつもりであったものが結果的に真実となることを意味しており、嘘として言ったことが現実になった場合に使います。一方、「瓢箪から駒」はふざけて言ったことが実現することを意味しており、冗談で言ったことが現実になった場合に使います。
つまり、嘘か冗談かというのが「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」の一番の違いです。
「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」の英語表記の違い
「嘘から出たまこと」を英語にすると「Many a true word is spoken in jes」となります。
一方、「瓢箪から駒」を英語にすると「It was only a joke, but it has come true」「Something unexpected has happened」となります。
「嘘から出たまこと」の意味
「嘘から出たまこと」とは
「嘘から出たまこと」とは、嘘のつもりであったものが結果的に真実となることを意味しています。
「嘘から出たまこと」の漢字表記
「嘘から出たまこと」を漢字にすると「嘘から出た実」「嘘から出た誠」「嘘から出た真」「嘘から出た真実」と表記することができ統一されていません。どれも間違いではないのですが、一番使われているのは「嘘から出た実」になります。
また、どれを使うか迷った場合は平仮名の「嘘から出たまこと」を使うのが無難でしょう。
「嘘から出たまこと」の使い方
「嘘から出たまこと」を使った分かりやすい例としては、「嘘から出たまことで彼は本当にプロサッカー選手になってしまった」「今回のテスト満点を取ると虚勢を張っていたが、嘘から出たまことか本当に満点を取った」などがあります。
「嘘から出たまこと」は初めは嘘のつもりだったものの、それが現実になった場合に使うことわざです。そのため、意図していたり予想していた場合には使えないので注意しましょう。
「嘘から出たまこと」の語源
「嘘から出たまこと」の語源は江戸系いろはかるたです。江戸系いろはかるたは有名なことわざで構成されているかるたで、その中の「う」で始まる定番の札が「噓から出たまこと」でした。
「噓から出たまこと」のかるたの絵柄には遊女が描かれており、指を詰めたり小指を切り落としたりする場面が採用されていました。
何故このような絵が描かれていたかというと、遊女と客との関係が嘘から本気の恋愛に発展てしまったので、そこにけじめをつけるためにこのような場面が描かれていたと言われています。
このことが転じて、嘘のつもりであったものが結果的に真実となることを「嘘から出たまこと」と言うようになりました。
「嘘から出たまこと」の類語
「嘘から出たまこと」の類語・類義語としては、過失と思われたことやなにげなしにやった事が意外に良い結果になることを意味する「怪我の功名」、予期せぬことが唐突に起こることを意味する「藪から棒」(読み方:やぶからぼう)などがあります。
「瓢箪から駒」の意味
「瓢箪から駒」とは
「瓢箪から駒」とは、ふざけて言ったことが実現することを意味しています。その他にも、到底あり得ないことが起こることの意味も持っています。
「瓢箪から駒」の使い方
「冗談でハーバード大学へ行くと言っていたが本当に通うことになった、まさに瓢箪から駒です」「私たち結婚すると冗談で言ったら本当に結婚することなった、まさに瓢箪から駒だ」などの文中で使われている「瓢箪から駒」は、「ふざけて言ったことが実現すること」の意味で使われています。
一方、「瓢箪から駒でない限り彼が出世することはないだろう」「こんな辺境の地で大好きな芸能人に会うなんて瓢箪から駒だ」などの文中で使われている「瓢箪から駒」は、「到底あり得ないことが起こること」の意味で使われています。
「瓢箪から駒」を使う上で注意しなければならないのは、予測していたり意図しているものに対しては使えないという点です。予測していなかったことが現実になった場合に使う言葉と覚えておきましょう。
「瓢箪から駒」はことわざ「瓢箪から駒が出る」の省略語
「瓢箪から駒」は「瓢箪から駒が出る」ということわざを省略した言葉です。
「瓢箪から駒」の語源
「瓢箪から駒」の語源は中国の東遊記です。また、「駒」は将棋などの「駒」のことではなく動物の「馬」を指しています。
中国の仙人である帳果が各地を白馬に乗り放浪していたのですが、休憩する時に大きな馬の存在に困っていたので、白馬を小さな瓢箪の中に入れていました。そして再び放浪する際に瓢箪から白馬を出していました。
瓢箪から馬が出ることはとんでもないことなので、これが転じて、ふざけて言ったことが実現することや到底あり得ないことが起こることを「瓢箪から駒」と言うようになりました。
「瓢箪から駒」の類語
「瓢箪から駒」の類語・類義語としては、思いがけない好運を得ることや労せずして良いものを得ることを意味する「棚から牡丹餅」(読み方:たなからぼたもち)、急に起きる変動や大事件のことを意味する「青天の霹靂」(読み方:せいてんのへきれき)などがあります。
「嘘から出たまこと」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、嘘のつもりであったものが結果的に真実となることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「嘘から出たまこと」は嘘で言ったことが現実となった場合に使う言葉です。
「瓢箪から駒」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ふざけて言ったことが実現することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、到底あり得ないことが起こることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「瓢箪から駒」はふざけて言ったことが実現すること、例文3から例文5の「瓢箪から駒」は到底あり得ないことが起こることの意味で使っています。
「嘘から出たまこと」と「瓢箪から駒」はどちら予想していなかったことが現実となることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、嘘として言ったことが現実になることが「嘘から出たまこと」、冗談で言ったことが現実になることが「瓢箪から駒」と覚えておきましょう。