似た意味を持つ「言う」(読み方:いう)と「話す」(読み方:はなす)と「喋る」(読み方:しゃべる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「言う」と「話す」と「喋る」という言葉は、言葉を発することという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「言う」と「話す」と「喋る」の違い
「言う」と「話す」と「喋る」の意味の違い
「言う」と「話す」と「喋る」の違いを分かりやすく言うと、「言う」は言葉を発することを表現する時に使い、「話す」は相手に伝えることを表現する時に使い、「喋る」は口数が多いことを表現する時に使うという違いです。
「言う」と「話す」と「喋る」の使い方の違い
「言う」という言葉は、「ご馳走様と言っていたはずなのにまだ食べ続けている」「それこそ言うだけ野暮と言うことだろう」などの使い方で、心に思っていること、考えや判断などを相手に伝えるために言葉にして出すことを意味します。
「話す」という言葉は、「後輩たちと話すことで今後コミュニケーションが取りやすくなる」「話し合おうと言っているのに取り付く島もない」などの使い方で、言葉で相手に伝えることや話し合うことを意味します。
「喋る」という言葉は、「彼女にはどんな相手でも喋り倒す精神力がある」「友人たちと喋っていると時間が早く過ぎる」などの使い方で、口数多く話すことを意味します。
「言う」と「話す」と「喋る」の使い分け方
「言う」と「話す」はどちらも、相手に言葉で何かを伝えることを意味する場合に使いますが、前者は伝える相手が聞いているか関係なしに使うことができ、後者は相手が話を聞いている場合に使います。
一方の「喋る」も、相手に言葉で伝える時に使いますが、「言う」や「話す」より口数が多く、使い方によってはマイナスイメージを与えることもある言葉です。
これが、「言う」、「話す」、「喋る」の明確な違いです。
「言う」の意味
「言う」とは
「言う」とは、心に思っていること、考えや判断などを相手に伝えるために言葉にして出すことを意味しています。
「言う」を使った言葉として、「言うまでもない」「四の五の言う」があります。
「言うまでもない」の意味
一つ目の「言うまでもない」とは、あれこれと言う必要がないほどわかり切っていることを意味する慣用表現です。「言うに及ばない」や「言うべきにもあらず」、「言うもおろか」という表現も同じ意味を持つ表現として使われます。
「四の五の言う」の意味
二つ目の「四の五の言う」とは、文句や不平を言うことを意味する慣用表現です。似たような表現に、人が意見を言ったり忠告をするなどしても色々と理由や理屈を言って従わないことを意味する「ああ言えばこう言う」があります。
「言う」の類語
「言う」の類語・類義語としては、心に思うことを言葉などで示すことを意味する「表す」、意見などを口に出して言うことを意味する「述べる」、考えなどを外に出すことを意味する「発する」、心の中のことを言葉に出すことを意味する「吐く」などがあります。
「話す」の意味
「話す」とは
「話す」とは、言葉で相手に伝えることや話し合うことを意味しています。
その他にも、「遊びに行く件は親に話してみる」などのように相談することや、「英語を話すよりもロシア語を話す方が難しいと感じる」などのように外国語を使うことを表す時にも使うことができます。
また、「話」だけでも「話し」と同じように「はなし」と読むことができますが、「話」は名詞として使われるため「土産話をする」などのように使いますが、「話し」は動詞として使われるため「話したい」や「話し合い」など動詞や複合語として使われます。
「話す」の対義語
「話す」の対義語・反対語としては、音や声を耳で感じ取ることを意味する「聞く」があります。
「話す」の類語
「話す」の類語・類義語としては、まとまった内容を順序だてて話して聞かせることを意味する「語る」、互いに意見をたたかわせることを意味する「論ずる」、向かい合って話し合うことを意味する「対話」、話をすることを意味する「談話」などがあります。
「喋る」の意味
「喋る」とは
「喋る」とは、口数多く話すことを意味しています。
「喋る」は、話すことや物を言うことを意味しますが、「よく喋る」と相手に対して皮肉を言う場合にも使うことがあり、マイナスイメージを付与することとなります。
「喋る」の意味を持つ慣用句
「喋る」を含んだ言葉として、「口八丁手八丁」「立て板に水」があります。
一つ目の「口八丁手八丁」とは、喋ることも行動も達者であることを意味する慣用句です。「手八丁口八丁」や「口も八丁手も八丁」という表記がなされることもあります。
二つ目の「立て板に水」とは、よどみなく、すらすらとものを言うことを意味する慣用句です。同じような表現に「口が回る」や「舌が回る」などもあります。
「喋る」の対義語
「喋る」の対義語・反対語としては、ものを言うことをやめることを意味する「黙る」があります。
「喋る」の類語
「喋る」の類語・類義語としては、他者と打ち解けて親しく語り合うことを意味する「歓談」、取り留めもないおしゃべりをすることを意味する「だべる」、あれこれとよく喋ることを意味する「くっちゃべる」などがあります。
「言う」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、心に思っていること、考えや判断などを相手に伝えるために言葉にして出すことを意味する時などが挙げられます。
例文3の「言うに言われない」とは、言葉で上手く言い表すことができないことや、言いたくても言うことができないことを意味する慣用表現です。
「話す」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、言葉で相手に伝えることや話し合うことを意味する時などが挙げられます。
例文3の「話す」は相手が聞いていなかったため、「ちゃんと話した」ではなく「ちゃんと言った」という表現に置き換えて使うことができます。
「喋る」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、口数多く話すことを意味する時などが挙げられます。
例文3のように「喋る」を「お喋り」と変化させることで、口数が多いことや人を指しますが、口が軽いことを表す時にも使われるため、場合によっては相手に失礼になる可能性があります。
「言う」と「話す」と「喋る」どれを使うか迷った場合は、言葉を発することを表す場合は「言う」を、相手に伝えることを表す場合は「話す」を、口数が多いことを表す場合は「喋る」を使うと覚えておけば間違いありません。