似た意味を持つ「お手柔らか」(読み方:おてやわらか)と「手加減」(読み方:てかげん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お手柔らか」と「手加減」という言葉は、どちらも相手や状態に応じて扱いの厳しさの度合いを緩めることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「お手柔らか」と「手加減」の違い
「お手柔らか」と「手加減」の意味の違い
「お手柔らか」と「手加減」の違いを分かりやすく言うと、「お手柔らか」は実力に差がある場合には使えない、「手加減」は実力に差があっても使えるという違いです。
「お手柔らか」と「手加減」の使い方の違い
一つ目の「お手柔らか」を使った分かりやすい例としては、「今日の試合はお手柔らかに願います」「まだまだ修行中の身ですので、お手柔らかにお願いいたします」「不慣れですのでお手柔らかにお願いします」などがあります。
二つ目の「手加減」を使った分かりやすい例としては、「まだ慣れてないので手加減のほどお願いいたします」「私は素人なので手加減してくださいね」「初めのうちは手加減することにしました」などがあります。
「お手柔らか」と「手加減」の使い分け方
「お手柔らか」と「手加減」はどちらも相手や状態に応じて扱いの厳しさの度合いを緩めることを意味していますが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「お手柔らか」は初心者がプロ選手に対して使うなど、実力に差がある場合に使うのはあまり適していません。一方、「手加減」は実力に差があったとしても使えるというのが違いになります。
「お手柔らか」と「手加減」の英語表記の違い
「お手柔らか」も「手加減」も英語にすると「Go easy on me」「Don’t be too hard on me」「Please don’t go too hard on me」となります。
「お手柔らか」の意味
「お手柔らか」とは
「お手柔らか」とは、相手が手加減して優しく扱ってくれることを意味しています。
表現方法は「お手柔らかにお願いします」「お手柔らかにご指導」
「お手柔らかにお願いします」「お手柔らかにご指導」などが、「お手柔らか」を使った一般的な言い回しになります。
「お手柔らか」の使い方
「お手柔らか」を使った分かりやすい例としては、「まだ初心者なのでお手柔らかに願います」「ゴルフがお上手だとお聞きしました、お手柔らかにお願いいたします」「テコンドーはまだ始めたばかりなので、お手柔らかにお願い申し上げます」などがあります。
「お手柔らか」はスポーツや囲碁将棋の対局など、勝負事の挨拶として使う言葉です。基本的に実力が上の人に対して使い、相手への敬意を示し自分を下げる謙った表現になります。
「お手柔らか」を使う上で注意しなければならいのは、勝負事の挨拶として使う場合、実力に差がありすぎるのに使うと嫌味と捉えられてしまう点です。したがって、相手との関係性を十分に理解して使うようにしましょう。
「お手柔らか」はビジネスシーンでも使うことができます。主に、その分野について立場が弱い人が立場が、自分よりも立場が上の人に対して使います。
「お手柔らかにお願いいたします」「お手柔らかにお願い申し上げます」が敬語表現
また、「お手柔らか」自体は敬語表現ではないので目上の人に対して使う場合は、「お手柔らかにお願いいたします」「お手柔らかにお願い申し上げます」などのように前後の文章を敬語にする必要があると覚えておきましょう。
「お手柔らか」の類語
「お手柔らか」の類語・類義語としては、量や程度を少なめにすることを意味する「控え目」、他人に対して思いやりがあり情が細やかであることを意味する「優しく」、優しく穏やかなことを意味する「穏和」などがあります。
「手加減」の意味
「手加減」とは
「手加減」とは、相手や状態に応じて扱いの厳しさの度合いを緩めることを意味しています。その他にも、手に持った感じや手に握った具合で分量や程度をはかることの意味も持っています。
表現方法は「手加減しない」「手加減する」「手加減してください」
「手加減しない」「手加減する」「手加減してください」などが、手加減を使った一般的な言い回しなります。
「手加減」の使い方
「手加減」を使った分かりやすい例としては、「あなたの方が年上なので手加減してくださいね」「彼はまだ初心者なので手加減してあげてね」「女性だからと言って手加減はしませんよ」「相手は初心者なので手加減を加えることにしました」などがあります。
「手加減」は二つの意味を持つ言葉ですが、一般的に使われているのは相手や状態に応じて扱いの厳しさの度合いを緩めることの意味になります。
「手加減」は主にスポーツや囲碁将棋の対局など、勝負事に対して使う言葉です。また、相手を馬鹿にして手を抜くのではなく、相手を思いやって実力を抑える場合に使用すると覚えておきましょう。
「手加減」の類語
「手加減」の類語・類義語としては、手心のことを意味する「さじ加減」、実際の事情や状況を考慮することを意味する「情状酌量」、哀れみをかけることを意味する「情けをかける」などがあります。
「お手柔らか」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手が手加減して優しく扱ってくれることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お手柔らか」は丁寧な表現なので、目上の人に対して使うことができます。
「手加減」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手や状態に応じて扱いの厳しさの度合いを緩めることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、手に持った感じや手に握った具合で分量や程度をはかることを表現したい時にも使います。
上記の例文にあるように、「手加減」は相手や状態に応じて扱いの厳しさの度合いを緩めることの意味で使うのが一般的です。
「お手柔らか」と「手加減」はどちらも相手や状態に応じて扱いの厳しさの度合いを緩めることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「お手柔らか」は実力に差がある時には使えない、「手加減」は実力に差があっても使えると覚えておきましょう。