似た意味を持つ「雲外蒼天」(読み方:うんがいそうてん)と「開雲見日」(読み方:かいうんけんじつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「雲外蒼天」と「開雲見日」という言葉は、どちらも「希望があること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
雲外蒼天と開雲見日の違い
雲外蒼天と開雲見日の意味の違い
雲外蒼天と開雲見日の違いを分かりやすく言うと、雲外蒼天とは困難を乗り越えれば希望があることを表し、開雲見日とは不安がなくなって希望が持てるようになることを表すという違いです。
雲外蒼天と開雲見日の使い方の違い
一つ目の雲外蒼天を使った分かりやすい例としては、「ハードな練習ですが雲外蒼天の気持ちで取り組んでいます」「雲外蒼天というから諦めずに頑張ろう」「苦労人に彼が成功を収めたのは雲外蒼天の極みである」などがあります。
二つ目の開雲見日を使った分かりやすい例としては、「ふられた彼女から連絡があり開雲見日の心境です」「通りすがりの人が自分の無実を証明してくれ、まさに開雲見日です」「いつか開雲見日となることを信じています」などがあります。
雲外蒼天と開雲見日の使い分け方
雲外蒼天と開雲見日という言葉は、どちらも「希望があること」を表す四字熟語ですが、意味や使い方には違いがあります。
雲外蒼天とは、どんな試練も努力して乗り越えれば、すばらしい世界が待っているという希望を意味する四字熟語です。「雲外に蒼天あり」とも言います。頑張っていれば必ずよいことがあるというポジティブな意味合いがあり、座右の銘として人気がある言葉です。
開雲見日とは、暗雲を吹き払って再び光明や希望を見出すことを意味します。また、「いつか開雲見日となることを信じる」のように、疑惑や誤解が解けるたとえとしても用いられている四字熟語です。雲外蒼天のような努力するというニュアンスはなく、自然と晴れ間がみえてくるイメージの言葉です。
雲外蒼天と開雲見日の英語表記の違い
雲外蒼天を英語に直訳すると「sky beyond the clouds azure sky」「There is always light behind the clouds」となります。一方、開雲見日を英語に直訳すると「dispel the clouds and see the clear sky」となります。
雲外蒼天の意味
雲外蒼天とは
雲外蒼天とは、どんな試練でも、努力して乗り越えれば快い青空が望めることを意味しています。
雲外蒼天の読み方
雲外蒼天の読み方は「うんがいそうてん」です。四つの文字すべてを音読みします。
雲外蒼天の使い方
雲外蒼天を使った分かりやすい例としては、「雲外蒼天の気持ちで下積み時代を耐えました」「雲外蒼天をイメージしたイラストを描く」「今は旭日昇天ではなくとも雲外蒼天だと信じる」「雲外蒼天の極みのようなサクセスストーリーだ」などがあります。
その他にも、「雲外蒼天を胸に英語の勉強を頑張っています」「座右の銘の雲外蒼天を習字で書きました」「雲外蒼天と書いて書道コンクールに出品しました」「雲外蒼天とはいっても就活は辛いものでした」などがあります。
雲外蒼天とは、雲の外には青空が広がっていることであり、努力して苦難を乗り越えれば明るい未来や成功があることを意味します。「雲」はさまざまな障害や悩みを暗示しており、「蒼天」は明るい未来や希望を表しています。
雲外蒼天の由来
雲外蒼天の語源や由来は明らかになっておらず、雲外蒼天に関する故事や出典は存在しません。雲外蒼天が誰の言葉であるかも明確ではないため、多くの辞書に掲載されていない言葉です。しかしながら、座右の銘やスローガンあるいは書道の四字熟語として人気があり、広く使用されています。
雲外蒼天の対義語
雲外蒼天の対義語・反対語としては、悪い状態が長く続き向上のきざしが見えてこない不安な状況を意味する「暗雲低迷」、これから先多くの困難や災難が待っているさまを意味する「前途多難」などがあります。
雲外蒼天の類語
雲外蒼天の類語・類義語としては、悪い状態もいつかは終わりが来て良い状態になることを意味する「明けない夜はない」、我慢強く辛抱すれば必ず成功することのたとえを意味する「石の上にも三年」などがあります。
開雲見日の意味
開雲見日とは
開雲見日とは、暗雲を吹き払って再び光明や希望を見出すこと、疑惑や誤解が解けるたとえを意味しています。
開雲見日の読み方
開雲見日の読み方は「かいうんけんじつ」です。誤って「かいうんげんにち」「かいうんけんび」などと読まないようにしましょう。
開雲見日の使い方
開雲見日を使った分かりやすい例としては、「ブラックな会社から転職して開雲見日の気持ちです」「苦手な英語の試験が終わり開雲見日の気分です」「私の好きな四字熟語は開雲見日です」などがあります。
その他にも、「第三者の証言により疑いが晴れて、まさに開雲見日である」「彼の浮気について開雲見日するまで数日かかった」「開雲見日のように容疑が晴れた」「友人のおかげで開雲見日となった」などがあります。
開雲見日とは、雲が吹き払って再び明るくなる様子を表し、転じて、気がかりな心配事や不安がなくなって希望が持てるようになることを意味します。また、疑惑や誤解が解けるたとえとしても用いられている言葉です。
開雲見日の由来
開雲見日という言葉の出典を探すと、古代中国の歴史書「後漢書」にあります。開雲見日は、中国に由来する歴史の古い言葉であることが分かります。
開雲見日の対義語
開雲見日の対義語・反対語としては、手掛かりがつかめず方針や見込みが立たず困ることを意味する「五里霧中」、手がかりのないままあれこれとやってみることを意味する「暗中模索」などがあります。
開雲見日の類語
開雲見日の類語・類義語としては、心配事がなくなって将来に希望がもてるようになることを意味する「撥雲見天」、悪い状態から脱却し再びよいほうに向かうことを意味する「重見天日」、辛いこともいつかは終わり幸せが訪れることを意味する「止まない雨はない」などがあります。
雲外蒼天の例文
この言葉がよく使われる場面としては、困難を乗り越え、努力して克服すればよいことが待っているというたとえを表現したい時などが挙げられます。
例文2にあるように、雲外蒼天という言葉は、座右の銘として人気がある四字熟語です。イベントのスローガンなどにも取り上げられることがあります。例文3の「旭日昇天」と「雲外蒼天」は似ていますが、旭日昇天は勢い盛んであることを表し、雲外蒼天とは対照的な言葉です。
開雲見日の例文
この言葉がよく使われる場面としては、暗雲が吹き払われ再び希望を見出すこと、疑惑や誤解が解けるたとえを表現したい時などが挙げられます。
例文1や例文2にある開雲見日は、暗雲が吹き払われ再び希望を見出すことの意味で用いられています。例文5の開雲見日は、疑惑や誤解が解けるたとえとして用いられています。
雲外蒼天と開雲見日という言葉は、どちらも「希望があること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、困難を乗り越えれば希望があることを表現したい時は「雲外蒼天」を、不安がなくなって希望が持てるようになることを表現したい時は「開雲見日」を使うようにしましょう。