【壮年】と【中年】と【初老】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「壮年」(読み方:そうねん)と「中年」(読み方:ちゅうねん)と「初老」(読み方:しょろう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「壮年」と「中年」と「初老」という言葉は、年齢を表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




壮年と中年と初老の違い

壮年と中年と初老は何歳が該当するのか

壮年と中年と初老の違いを分かりやすく言うと、壮年は25歳から44歳までを表現する時に使い、中年は45歳から64歳までを表現する時に使い、初老はを65歳以上を表現する時に使うという違いです。

壮年と中年と初老の使い分け方

壮年という言葉は、「壮年期の生活習慣が今後に影響を及ぼす」「壮年の働き手が一番多い」などの使い方で、社会的な責任を担う働き盛りの時期を意味します。公的に年齢幅が定義されているわけではないため、青年期との区分が曖昧になっている言葉です。

中年という言葉は、「中年期に差し掛かって体力が落ちてきた」「中年太りが気になるようになる」などの使い方で、45歳前後以降の年齢の時期を意味します。青年期と壮年期の区分が曖昧なためこちらの定義もはっきりとしていません。

初老という言葉は、「初老の記念に同級生らとお祝いをした」「初老男性にも似合う服装」などの使い方で、65歳頃を意味します。厚生労働省では65歳以上を高年期と定めており、74歳までが前期高年期とされています。

壮年と中年と初老の厚生労働省の定義

厚生労働省では壮年期を25歳から44歳、中年期を45歳から64歳としていますが、内閣府では35歳から44歳を壮年期としています。そのため明確な定義はありませんが、若い順に並べると、壮年<中年<初老の順になります。

しかし元々「初老」は40歳のことを指していたり、現在では地域によって40歳から64歳が壮年とされている地域もあったり、30代や40代を青年期と扱うことも増えていたり、いよいよ世の中での認識にズレが生じている言葉です。

壮年の意味

壮年とは

壮年とは、心身ともに成熟して働き盛りの年ごろを意味しています。

壮年は何歳から該当するのか

一般的に30歳代後半から50歳代までの年齢を指す言葉です。

壮年を使った言葉として、「青壮年」「壮年期地形」があります。

「青壮年」の意味

一つ目の「青壮年」とは、青年という言葉と壮年という言葉を組み合わせた言葉で、16歳から50歳くらいの人を指します。厚生労働省では15歳から24歳を青年と定義していますが、雇用面から見た定義では15歳から34歳を若年者として扱っていたりとまちまちです。

「壮年期地形」の意味

二つ目の「壮年期地形」とは、河川の侵食によって地形が変化していく過程である地形輪廻の中に見られる段階の一つです。火山活動などによって作られた山などを原地形として、雨が降り川が作られ、いずれ谷になります。この時期を幼年期地形と言います。

出来上がった河川によって作られた谷はさらにV字型になり、山頂が削られていくことで平らな面が少なくなり尖っていきます。この時期を壮年期地形と言います。関東山地や飛騨山脈など日本の高い山の大部分はこの時期の山になります。

壮年の類語

壮年の類語・類義語としては、元気で働き盛りの年ごろを意味する「壮齢」、若い盛りの元気な年ごろを意味する「盛年」があります。

壮年の壮の字を使った別の言葉としては、健康で元気なことを意味する「壮健」、意気盛んな男性を意味する「壮士」、成年に達した男性を意味する「壮丁」、若くて意気盛んなことを意味する「少壮」、壮大で意欲的な計画を意味する「壮挙」などがあります。

中年の意味

中年とは

中年とは、青年と老年との間の年ごろを意味しています。

中年は何歳から該当するのか

今日では一般的に40歳代から50歳代までの年齢を指す言葉です。

中年を使った言葉として、「中年太り」「中年期危機」があります。

「中年太り」の意味

一つ目の「中年太り」とは、加齢によって体の中の細胞や器官が衰えることで本来の役割を上手く果たすことができなくなるため太りやすい身体になってしまうことから、40代以降の人が急激に太ることを意味します。

「中年期危機」の意味

二つ目の「中年期危機」とは、中年期特有の心理的危機や中高年が陥るうつ病や不安障害のことを指し、「ミッドライフ・クライシス」とも呼ばれます。

年齢を重ねるごとに体力や運動能力が低下していく身体的変化や、子離れや親の介護など家族生活の変化、職場での変化などが主な原因です。

日本では、中年を第二の思春期と呼ぶこともあります。不況などの影響で自殺者数が増加した時期は、特に中高年男性の自殺率が高い状態でした。

中年の類語

中年の類語・類義語としては、50歳から60歳の年齢層を意味する「実年」、人生の中で成熟した年代を意味する「熟年」、40歳以上の中年と高年を意味する「中高年」があります。

中年の中の字を使った別の言葉としては、距離や順番などがどの端からも等しく離れていることを意味する「中央」、中心となる大切なところを意味する「中枢」、対立するどちらの側にも味方しないことを意味する「中立」などがあります。

初老の意味

初老とは

初老とは、中年を過ぎ老年に入りかけた年ごろを意味しています。

初老は何歳から該当するのか

初老という言葉はもともと40歳の人のことを指す言葉でした。近年では平均寿命が長くなり、60歳頃の人を指す言葉に変化してきています。

喜寿や米寿など、日本には一定の年齢に到達した人を祝う習慣があります。今日では61歳にお祝いをする還暦が一番早いお祝いですが、奈良時代では10年ごとにお祝いをし、祝われる最初の年齢が40歳であったとされています。そのため、40歳を初老と呼びました。

そのため明確な定義はないものの、心身の衰えや作業能力が衰えが出始めた頃などと言われています。

初老の類語

初老の類語・類義語としては、年を取っていることや年齢が高いことを意味する「高年」があります。

初老の老の字を使った別の言葉としては、年を取るにしたがって肉体的もしくは精神的機能が衰えることを意味する「老化」、古くなって役に立たないことを意味する「老朽」、年をとって心身が衰えることを意味する「老衰」などがあります。

壮年の例文

1.壮年ともなると、仕事の他に趣味になるようなものを見つけて注力していきたいと感じる。
2.今後のことを考えて、壮年期から身体作りを怠ることのないように毎日筋トレをしておく。
3.未婚の壮年男性は多く、将来の少子化問題にも大きな影響を及ぼすことになるだろう。
4.ついこの間まで大学生だったしまだまだ若いと思っていたが、いつの間にか壮年期に差し掛かっていた。
5.一口に壮年期といっても非常に長い期間なので壮年前期(30〜44歳)と壮年後期(45〜64歳)に分類する場合がある。
6.現在、我が部署では若年層に偏りがちのマーケティングを改めて壮年層をターゲットにした新しいプランを考えている。

この言葉がよく使われる場面としては、25歳から44歳までの人を意味する時などが挙げられます。

壮年という言葉の定義は明確ではないため、仕事盛りで体力も気力もある時期と捉えられることが多く見られます。

中年の例文

1.中年太りを解消するために、適度な食事制限、適度な運動を心掛けるようにしている。
2.中年と言われると暗におじさん、おばさんと言われている気がした。
3.自分も中年と呼ばれる頃まで結婚しないとは思ってもみなかった。
4.そのブランドは派手すぎないシンプルなデザインの洋服が中心なので、中年層に大変な人気がある。
5.テレビニュースで「身長170cm前後、会社員風で小太りの中年男性」と報道されると、夫ではないかと気になってしまう。
6.世の中の中年世代をみるに、立身出世主義と敗北主義との分かれ目がここから始めるのではないかと思う。

この言葉がよく使われる場面としては、45歳から64歳までの人を意味する時などが挙げられます。

近年では中年という言葉が表す年齢の幅が広くなっており、30代後半や40代前半も含まれている場合も多く見られます。

初老の例文

1.初老と言われると自分が老いたように感じるが、昔出来ていたことが上手くできない辺り老いを感じる。
2.過去に言われていた初老と今日の初老の年齢差に、様々な技術の進歩を感じる。
3.いわゆる初老期に差し掛かって、今後の身の振り方を家族で話し合うこととなった。
4.結婚したのがかなり早く、子供もとっくに成人してしまったので、すっかり初老の域に達した感があります。
5.おじさん好きの私の友達は、初老の男性は中年の男性よりもいい意味で力が抜けていて格好良く見えると熱弁していた。
6.早朝ウォーキングをしていると初老になったわたしの顔に若々しい朝日が当たりなんだか若返ったような気分になる。

この言葉がよく使われる場面としては、65歳以上の人を意味する時などが挙げられます。

初老という言葉はもとは40歳を指す言葉でしたが、今日では寿命が伸びたこともあり還暦を迎え終えた後の人を指すことが多いです。

壮年と中年と初老どれを使うか迷った場合は、25歳から44歳までを表す場合は「壮年」を、45歳から64歳までを表す場合は「中年」を、65歳以上を表す場合は「初老」を使うと覚えておけば間違いありません。

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