【言いそびれる】と【言い損なう】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「言いそびれる」(読み方:いいそびれる)と「言い損なう」(読み方:いいそこなう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「言いそびれる」と「言い損なう」という言葉は、どちらも言おうと思いながら言い出す機会を失うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「言いそびれる」と「言い損なう」の違い

「言いそびれる」と「言い損なう」の違いを分かりやすく言うと、「言いそびれる」の方が「言い損なう」よりも一般的に使われているという違いです。

一つ目の「言いそびれる」を使った分かりやすい例としては、「彼女に遠慮して大事なことを言いそびれる」「助けてくれた人にお礼を言いそびれる」「つい彼女にお詫びを言いそびれる」「本当の目的を母に言いそびれる」などがあります。

二つ目の「言い損なう」を使った分かりやすい例としては、「機会がなくてつい言い損なう」「アイスランドをアイルランドと言い損なう」「彼女はよく人の名前を言い損なう」「明日は休講だということを彼に言い損なった」などがあります。

「言いそびれる」と「言い損なう」はどちらも言おうと思いながら言い出す機会を失うことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「言いそびれる」の方が「言い損なう」よりも一般的に使われているという点です。

したがって、基本的に好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。

また、「言い損なう」は言おうと思いながら言い出す機会を失うことの意味の他に、言い間違えることの意味も持っているというのも違いの一つです。

「言いそびれる」を英語にすると「fail to tell」「forget to tell」となり、例えば上記の「本当の目的を母に言いそびれる」を英語にすると「I failed to tell my mather of my true purpose」となります。

一方、「言い損なう」を英語にすると「make a mistake」「make a slip of the tongue」「fail to tell」となり、例えば上記の「明日は休講だということを彼に言い損なった」を英語にすると「I forgot to tell him our class tomorrow is canceled」となります。

「言いそびれる」の意味

「言いそびれる」とは、言い出すきっかけを失って言えずに終わることを意味しています。

「言いそびれる」を使った分かりやすい例としては、「彼に謝るつもりだったが言いそびれる」「結局その場では言いそびれてしまいました」「遠慮して大事なことを言いそびれる」「メールで重要なことを言いそびれる」などがあります。

「言いそびれる」は言葉を口に出すことを意味する「言う」に、その行為をする機会を失うことを意味する「そびれる」が合わさり、言い出すきっかけを失って言えずに終わることを意味する動詞です。

「言いそびれる」は多くの人が認知しているので、広く一般的に使われていると覚えておきましょう。そのため、日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても使うことができます。

ただし、「言いそびれる」自体は敬語表現ではないので、目上の人に対して使う場合は「申しそびれる」「伝えそびれる」などのに置き換えるようにしましょう。

「言いそびれる」は言いたいことを言えずに終わってしまった場合に使うので、もやもやした気持ちが残る表現です。

「言いそびれる」の類語・類義語としては、言うのを忘れることを意味する「言い忘れる」があります。

「言い損なう」の意味

「言い損なう」とは、言い間違えることを意味しています。その他にも、言うことを忘れたりして言わないでしまうことの意味も持っています。

「主人公のセリフを言い損なう」「パラグアイとウルグアイを言い損なう」などの文中で使われている「言い損なう」は、「言い間違えること」の意味で使われています。

一方、「時間切れにより答えを言い損なう」「機会がなくてつい言い損なう」などの文中で使われている「言い損なう」は、「言うことを忘れたりして言わないでしまうこと」の意味で使われています。

「言い損なう」は口に出すことを意味する「言う」に、する機会を逸することを意味する「損なう」が合わさり、言い間違えることと、言うことを忘れたりして言わないでしまうことの二つの意味を持つ動詞です。

「言い損なう」の言うことを忘れたりして言わないでしまうことの意味は類語である「言いそびれる」と同じ意味を持っているので、基本的にどちらの表現を使用して問題ありません。

言い間違えることの意味は「インドとインドネシアを言い損なう」のように、ただ単純に言うことを間違えてしまった場合に使います。

「言い損なう」の類語・類義語としては、言うべきではないことをうっかり言ってしまうことを意味する「失言する」、間違って言うことを意味する「言い間違い」などがあります。

「言いそびれる」の例文

1.子供の頃に助けてくれた人に再会できたので、緊張でお礼を言いそびれる。
2.彼らに遠慮したせいで、伝えたいことを言いそびれてしまいました。
3.明日は創立記念日で休校だということを、母親に言いそびれる。
4.先日は言いそびれてしまったので、今回はきちんと伝えようと思います。
5.始めに言いそびれると、次いつ言うか切っ掛けを作るのが難しいです。

この言葉がよく使われる場面としては、言い出すきっかけを失って言えずに終わることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「言いそびれる」は言おうと思いながら言い出す機会を失ってしまった場合に使う言葉です。

「言い損なう」の例文

1.名前が非常に似ていたので、アルジェリアとナイジェリアを言い損なう。
2.彼女は学校の先生なのに、よく人の名前を言い損なうことが多いです。
3.あまりにも長い台詞だったので、途中で言い損なってしまいました。
4.彼がずっと喋っているので、私が言いたかったことを言い損なう。
5.次回のイベントが土曜日に変更なったことを、彼女に言い損なう。

この言葉がよく使われる場面としては、言い間違えることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、言うことを忘れたりして言わないでしまうことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3は言い間違えること、例文4と例文5は言うことを忘れたりして言わないでしまうことの意味で使っています。

「言いそびれる」と「言い損なう」はどちらも言おうと思いながら言い出す機会を失うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、基本的に大きな違いはないので、好きな方を使って問題ないと覚えておきましょう。

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