【名ばかり管理職】と【管理職】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「名ばかり管理職」(読み方:なばかりかんりしょく)と「管理職」(読み方:かんりしょく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「名ばかり管理職」と「管理職」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「名ばかり管理職」と「管理職」の違い

「名ばかり管理職」と「管理職」の意味の違い

「名ばかり管理職」と「管理職」の違いを分かりやすく言うと、「名ばかり管理職」とは実質的な権限は与えられていない、「管理職」は実質的な権限が与えられているという違いです。

「名ばかり管理職」と「管理職」の使い方の違い

一つ目の「名ばかり管理職」を使った分かりやすい例としては、「私は名ばかり管理職なので実質的な権限はありません」「名ばかり管理職で裁判が起こったこともあります」「名ばかり管理職は違法だと話題になっています」などがあります。

二つ目の「管理職」を使った分かりやすい例としては、「彼は出世して今や管理職です」「中間管理職が身代わり犠牲になることが多々あります」「私には上級管理職になりたいという野心があります」「今年から管理職に就くことになりました」などがあります。

「名ばかり管理職」と「管理職」の使い分け方

「名ばかり管理職」と「管理職」は似た言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意が必要です。

「名ばかり管理職」とは実質的な権限を与えられていない肩書だけの管理職のことを指しています。形だけの管理監督者とすることで残業代や休日出勤手当の支払いなどを免れようとする雇用形態を指しています。

一方、「管理職」とは官公庁、企業、学校などで管理または監督の任にある職のことを指しており、実質的な権限があることを指しているというのが違いです。

「名ばかり管理職」と「管理職」の英語表記の違い

「名ばかり管理職」を英語にすると「In-name-only manager」「Figurehead Manager」「Manager in title only」となり、上記の「名ばかり管理職は違法だと話題になっています」を英語にすると「There has been a lot of talk about nominal management positions being illegal lately」となります。

一方、「管理職」を英語にすると「an administrative post」「an administrator」「the managerial class」となり、例えば上記の「今年から管理職に就くことになりました」を英語にすると「I will have an administrative post from this year」となります。

「名ばかり管理職」の意味

「名ばかり管理職」とは

「名ばかり管理職」とは、実質的な権限を与えられていない肩書だけの管理職のことを意味しています。

「名ばかり管理職」の漢字表記

「名ばかり管理職」を漢字にすると、「名許り管理職」と表記することができます。

「名ばかり管理職」の使い方

「名ばかり管理職」を使った分かりやすい例としては、「彼はどうやら名ばかり管理職らしいです」「名ばかり管理職は出世コースから外れたと言っていいだろう」「近年の日本では名ばかり管理職の違法性が問題になっています」などがあります。

「名ばかり管理職」とは実質的な権限を与えられていない肩書だけの管理職のことを意味する名詞です。

「名ばかり管理職」の語源

「名ばかり管理職」が生まれた背景としては、労働基準法には事業の種類にかかわらず監督もしくは管理の地位にある者または機密の事務を取り扱う者には同法の労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないという条文があります。

これを企業側が利用し、形だけの管理監督者とすることで残業代や休日出勤手当の支払いなどを免れようとする雇用形態のことです。当然企業にはメリットがあるが、従業員にはデメリットしかなく、社会問題となっています。

実際にこの違法性を指摘され、残業代未払いの裁判に発展した事件もあります。

「名ばかり管理職」の類語

「名ばかり管理職」の類語・類義語としては、名目上だけの管理職のことを意味する「偽装管理職」があります。

「管理職」の意味

「管理職」とは

「管理職」とは、官公庁、企業、学校などで管理または監督の任にある職のことを意味しています。

「管理職」の使い方

「管理職」を使った分かりやすい例としては、「弊社は多くの女性が管理職に昇進しています」「後輩が出世して今や管理職に就いています」「管理職への昇進には様々な条件があります」「彼が管理職になるのはまだ早いだろう」などがあります。

「管理職」とは官公庁、企業、学校などで管理または監督の任にある職のことを意味する言葉です。

「管理職」の要件

基本的に「管理職」の要件として、経営者と一体的な立場にあること、出退勤の自由度が高いこと、基本給、手当などで相応の待遇を受けていることなどが必要とされています。したがって、大変な立場であるものの、基本的に待遇が良いのが一般的です。

また、現代社会で「管理職」を分かりやすく言うならば、係長、課長、部長などの肩書のある役職に就いてる人のことを指しています。これらの総称が「管理職」です。

「管理職」の類語

「管理職」の類語・類義語としては、団体や組織の中で中心となる人のことを意味する「幹部」、その任務を中心になって行う人のことを意味する「主任」などがあります。

「名ばかり管理職」の例文

1.名ばかり管理職への残業代の未払いが、社会問題になってきています。
2.名ばかり管理職は真っ先にリストラの対象になると言われています。
3.名ばかり管理職になってしまったので、早くこの会社を辞めたいです。
4.名ばかり管理職は企業側にしかメリットがない、とても悪い制度だと思います。
5.名ばかり管理職についての問題は、年々大きくなるばかりです。

この言葉がよく使われる場面としては、実質的な権限を与えられていない肩書だけの管理職のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「名ばかり管理職」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。

「管理職」の例文

1.管理職への昇進には試験を受ける必要がるので、一生懸命勉強しています。
2.これから面接を受ける予定の会社は、女性管理職が多いと言われています。
3.管理職は残業代が貰えないものの、その分待遇がとても良いです。
4.中間管理職は業績不振に陥った際に、リストラの対象になりやすいと言われています。
5.入社した頃は同じくらいだと思っていたのに、今や彼は管理職です。

この言葉がよく使われる場面としては、官公庁、企業、学校などで管理または監督の任にある職のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「管理職」はビジネスシーンにおいて使われている言葉です。

「名ばかり管理職」と「管理職」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、実質的な権限は与えられていないのが「名ばかり管理職」、実質的な権限が与えられているのが「管理職」と覚えておきましょう。

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