【初歩的】と【基本的】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「初歩的」(読み方:しょほてき)と「基本的」(読み方:きほんてき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「初歩的」と「基本的」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




初歩的と基本的の違い

初歩的と基本的の意味の違い

初歩的と基本的の違いを分かりやすく言うと、初歩的とは習い始めの段階であるさまを表し、基本的とは物事のおおもとであるさまを表すという違いです。

初歩的と基本的の使い方の違い

一つ目の初歩的を使った分かりやすい例としては、「寝不足で初歩的なミスを連発してしまった」「初歩的な質問ですみません」「初歩的な手話をいくつか紹介します」「投資の初歩的知識を身につけたい」などがあります。

二つ目の基本的を使った分かりやすい例としては、「基本的人権は日本国憲法の重要な柱です」「あの人とは基本的な考え方に相違があります」「感染症対策の基本的対処方針が変更になりました」などがあります。

初歩的と基本的の使い分け方

初歩的と基本的という言葉は、「初歩的な質問」「基本的な質問」や「初歩的知識」「基本的知識」のように同じような使い方をしますが、意味は大きく違います。

初歩的とは、学問や技術などの学び始めや、芸妓などの習い始めの段階であるさまを意味します。「初歩的な質問」とは、まだ習い始めて間もない人やビギナーがしがちな質問であり、その内容は素朴で単純なものが多い傾向にあります。

基本的とは、物事が成り立つもとになるものであるさまを意味します。「基本的な質問」とは、物事の根本に関わるような質問のことであり、ビギナーからベテランまでどの段階でも必要となる事柄を質問する際に使用される表現です。

つまり、初歩的とは学び始めや習い始めの段階である性質を表し、基本的とはどの段階でも必要とされる物事のおおもとを表す言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

初歩的と基本的の英語表記の違い

初歩的を英語にすると「elementary」「entry-level」「rudimentary」となり、例えば上記の「初歩的なミス」を英語にすると「an elementary mistake」となります。

一方、基本的を英語にすると「fundamentally」「basically」「essentially」となり、例えば上記の「基本的人権」を英語にすると「fundamental human rights」となります。

初歩的の意味

初歩的とは

初歩的とは、学問・芸道・技術などで、習得が初期の段階にあるさまを意味しています。

初歩的の読み方

初歩的の読み方は「しょほてき」です。誤って「しょふてき」「しょほまと」などと読まないようにしましょう。

初歩的の使い方

初歩的を使った分かりやすい例としては、「DXに関する初歩的な疑問にお答えします」「尾行で気配を消すことは初歩的なことだよワトソン君」「ベテランになっても初歩的なミスばかりをする人もいます」などがあります。

その他にも、「スマホの初歩的な操作方法を教えてもらいました」「あの人はそそっかしいので初歩的なミスが多い」「短距離走で前傾姿勢を保つことは初歩的なことだ、友よ」「初歩的な質問で恐縮ですが一つよろしいでしょうか」などがあります。

初歩的の「初歩」は、学問や芸事あるいは技術などの習いはじめや手はじめを表します。そのような性質や状態であることを表す「的」と結び付き、初歩的とは、学問や技術などが習い始めの段階であるさまを意味します。

表現方法は「初歩的なミス」

上記例文にある「初歩的なミス」とは、何かを覚えている段階のビギナーが陥りやすいミスを表します。初歩的なミスは経験不足や知識不足から起こるヒューマンエラーが多いものですが、ベテランであっても不注意から起こすことがあります。

初歩的の対義語

初歩的の対義語・反対語としては、段階や等級などが高いことを意味する「上級」、程度の高いことを意味する「高度」などがあります。

初歩的の類語

初歩的の類語・類義語としては、学問や技芸などを学びはじめることを意味する「入門」、習い始めや覚えたての人を意味する「初心者」、初心者を意味する「ビギナー」などがあります。

基本的の意味

基本的とは

基本的とは、物事の基本となるような性質をもっているさまを意味しています。

基本的の読み方

基本的の読み方は「きほんてき」です。誤って「きもとてき」「きほんまと」などと読まないようにしましょう。

基本的の使い方

基本的を使った分かりやすい例としては、「基本的に主食は米にしています」「基本的な感染対策はバッチリです」「基本的人権の尊重は基本的人権の一つです」「基本的人権とは何かわかりやすく説明いたします」などがあります。

その他にも、「基本的なビジネスマナーは習得しています」「英語の基本的な文法は理解できています」「基本的に人が嫌いです」「基本的臨床能力評価試験を実施しました」「就学前に基本的生活習慣を確立しましょう」などがあります。

基本的の「基本」は、判断や行動あるいは方法などのよりどころとなる大もとを表します。そのような性質や傾向であることを表す「的」と組み合わさり、基本的とは、物事の根本的な部分や土台となる性質をもつさまを意味します。

表現方法は「基本的人権の尊重」

基本的を用いた日本語には「基本的人権の尊重」があります。「基本的人権の尊重」とは、人が生まれながらにして持つ権利を尊重することを意味し、だれもが人間らしく生きる権利を尊いものとして重んずることを表す言葉です。

基本的の対義語

基本的の対義語・反対語としては、原理や知識を実際の事柄に当てはめて用いることを意味する「応用」などがあります。

基本的の類語

基本的の類語・類義語としては、物事が成り立っているおおもとに関するさまを意味する「根本的」、物事の基礎に関連するさまを意味する「基礎的」、特殊な事物でなく広く認められ行き渡っているさまを意味する「一般的」などがあります。

初歩的の例文

1.ピアノを弾く時に手を卵を握る形にすることは、初歩的なことだよ。
2.初歩的な英語力さえあれば、あとは身振り手振りで相手に通じるものです。
3.ドライバーとして許されない初歩的なミスとは、ブレーキとアクセルの踏み間違いです。
4.初歩的なエクセルの使い方も知らないのに、無謀にも経理事務の仕事に応募してみました。
5.初歩的な質問で恐縮ですが、左利きでも包丁は右手で持つべきでしょうか。

この言葉がよく使われる場面としては、まず最初に心得ておくべきような基本的なことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、初歩的という言葉は、日常会話からビジネスシーンまで幅広い場面で使用されています。

基本的の例文

1.基本的に英語の勉強は好きなのですが、英語を使ってコミュニケーションを取ることは苦手です。
2.牛肉はレアで食べても基本的には大丈夫ですが、抵抗力の弱い子どもや高齢者はしっかり焼いて食べましょう。
3.お金の使い方が上手い人は、基本的に無駄遣いなどせずに節約しています。
4.日本国憲法の基本原則として、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重が挙げられます。
5.基本的に敬語が苦手なので、接客メインのアルバイトは避けるようにしています。

この言葉がよく使われる場面としては、物事の基本となるような性質をもっているさまを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、基本的という言葉は、日常生活からビジネスシーンまで幅広い場面で用いられています。

初歩的と基本的という言葉は、似ていますが意味は異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、学び始めや習い始めであるさまを表現したい時は「初歩的」を、物事のおおもとであるさまを表現したい時は「基本的」を使うようにしましょう。

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