【辞表】と【退職届】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「辞表」(読み方:じひょう)と「退職届」(読み方:たいしょくとどけ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「辞表」と「退職届」という言葉は、どちらも「仕事を辞める際に提出する書類」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




辞表と退職届の違い

辞表と退職届の意味の違い

辞表と退職届の違いを分かりやすく言うと、辞表とは会社役員や公務員が仕事を辞める際に提出する書類、退職届とは一般の会社員が仕事を辞める際に提出する書類という違いです。

辞表と退職届の使い方の違い

一つ目の辞表を使った分かりやすい例としては、「仕方なく辞表を受理することにした」「そう簡単に辞表は出せない」「辞表を派手に叩きつけて清々しい気持ちです」「農林水産大臣は首相に辞表を提出しました」などがあります。

二つ目の退職届を使った分かりやすい例としては、「退職届を提出して2週間ほ経ちました」「退職届は無事に受理されたようです」「保育士たちがが一斉に退職届を出した」「いったん提出された退職届は撤回できません」などがあります。

辞表と退職届の使い分け方

辞表と退職届という言葉は、どちらも辞職をする時に提出するべき書類を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

辞表とは、公務員や会社役員など、会社や組織と雇用契約を結んでいない人が、その地位や役職を辞める際に提出する書類です。そのため、一般社員が辞表を提出することはありません。

退職届とは、一般の会社員が会社との雇用契約を終了するために提出する書類を意味します。退職届の提出先は会社になりますが、実際は直属の上司もしくは人事部門になります。

つまり、辞表とは雇用関係にない人が仕事を辞める際に提出する書類であり、会社役員や公務員が出すものです。退職届とは雇用関係にあるい人が仕事を辞める際に提出する書類であり、一般の会社員が出します。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

辞表と退職届の英語表記の違い

辞表も退職届も英語にすると「resignation」となり、例えば上記の「辞表を受理する」を英語にすると「accept somebody’s resignation」となります。

辞表の意味

辞表とは

辞表とは、職を辞めたい旨を書いて出す文書、辞職願を意味しています。

辞表の使い方

辞表を使った分かりやすい例としては、「辞表の書き方はそれほど難しくありません」「辞表の封筒はコンビニで買いました」「辞表と退職届の違いがわかりません」「妻に内緒で辞表を提出しました」などがあります。

その他にも、「辞表を出す前に退職の意思を伝えましょう」「辞表を出すタイミングを見計らっています」「辞表は何ヶ月前に出すのが理想ですか」「ワードで作成した辞表のテンプレートを無料で提供しています」などがあります。

辞表の「辞」は訓読みで「やめる」と読み、今まで続けていたことを行わなくすること、官職などから去ることを表します。主君や役所に差し出す文書を示す「表」と結び付き、辞表とは、辞職の際にその旨を書いて差し出す文書を意味します。

辞表の特徴

辞表は、会社の役員や公務員が職を辞するときに提出する書類です。会社役員や公務員ではない一般の会社員が退職するときに提出する書類は、「辞表」ではなく「退職届」になります。辞表の誤用にはくれぐれも注意してください。

辞表の類語

辞表の類語・類義語としては、勤めている職をやめることを意味する「辞職」、今まで自分がついていた任務を辞退することを意味する「辞任」、現職をしりぞくことを意味する「退職」などがあります。

退職届の意味

退職届とは

退職届とは、会社に自分の退職を通告するための書類を意味しています。

退職届の使い方

退職届を使った分かりやすい例としては、「退職届はいつまでに出せばいいのだろう」「退職届の封筒は家にあるものを使いました」「退職届の書き方を教えてもらえませんか」「退職届の作成に役立つテンプレートをダウンロードしました」などがあります。

その他にも、「退職届は手書きで書きました」「ネットで退職届のフォーマットを探しています」「弁護士を通じて退職届を提出しました」「退職届の撤回は認められなかった」「市長が退職届を議会に提出しました」などがあります。

退職届の「退職」は現職をしりぞくこと、勤めている職をやめることを表します。学校・役所・会社の上役などに届け出る書類を表す「届」と組み合わさり、退職届とは、会社に対して労働契約の解除を届け出る書類を意味します。

退職届の書き方

退職届の書き方の注意点は、希望する退職日時を上司と合意した退職年月日を書くことです。また、届出年月日は、書類を提出する日に合わせます。

退職届の類語

退職届の類語・類義語としては、会社に退職を願い出るための書類を意味する「退職願」、使用者が労働者に対して任意の退職を促すことを意味する「退職勧奨」、届け出る事項を記した書面を意味する「届書」などがあります。

辞表の例文

1.わからないことが多かったので、辞表の正しい書き方をインターネットで調べています。
2.英語力を活かした仕事に就きたいので、今の職場に辞表を出しました。
3.このテンプレートを使えば、丁寧な辞表を簡単に作成することができます。
4.辞表を書く用紙のサイズは、就業規則で定められていないことを確認しました。
5.最後にパワハラ上司に辞表を叩きつけて、会社を辞めるつもりです。

この言葉がよく使われる場面としては、職務をやめたいということを書いて差し出す文書を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、辞表の慣用的な言い回には「辞表の書き方」「辞表を出す」「辞表を叩きつける」などがあります。「辞表を叩きつける」とは、激しい感情を込めて辞表を提出する様子を意味します。

退職届の例文

1.何の前触れもなくいきなり退職届を突き付けるなんて、非常識にも程があるだろう。
2.基本的な退職届の書き方は、ポイントを押さえればとても簡単です。
3.用紙や封筒が入った退職届セットは、100均やAmazonでも買うことができます。
4.無料のテンプレートを使えば、誰でも簡単に退職届を書くことができます。
5.退職届を入れる封筒は、シンプルな白地の無地を選ぶようにしましょう。

この言葉がよく使われる場面としては、会社に退職する意思を伝えるための書類を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、退職届の慣用的な言い回しには「退職届を突き付ける」「退職届の書き方」「退職届を書く」などがあります。「退職届を突き付ける」とは、強い意思表示として退職届を提出する様子を表します。

辞表と退職届という言葉は、どちらも「仕事を辞める際に提出する書類」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、会社役員や公務員などが役職を辞する際に提出する書類を表現したい時は「辞表」を、会社員が会社を辞める際に提出する書類を表現したい時は「退職届」を使うようにしましょう。

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