似た日本語の「もろともしない」と「ものともしない」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「もろともしない」と「ものともしない」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。
「もろともしない」と「ものともしない」の違い
「もろともしない」と「ものともしない」の違いを分かりやすく言うと、「もろともしない」とは「ものともしない」の間違った使い方です。
一般的には「もろともしない」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「ものともしない」のことを間違えて「もろともしない」を使っている人がほとんどです。
正しい言葉である「ものともしない」を使った分かりやすい例としては、「彼は周囲の批判をものともしない強い意志を持っている」「彼女は重い病気をものともしない前向きな生き方をしている」「荒波をものともしない勇敢な船乗りたちが出航した」などがあります。
「ものともしない」という言葉はあっても、「もろともしない」という言葉は存在しません。同時に「ものともしない」という単語の意味について「全く問題にしないこと」と覚えておきましょう。
「ものともしない」は日本語特有の表現なので直訳した英語はありませんが、近い表現として「not be daunted by」や「be unfazed by」などがあります。
「もろともしない」の意味
「もろともしない」とは、「ものともしない」の間違った使われ方です。
「もろともしない」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。発音が似ているため、「ものともしない」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「もろともしない」と「ものともしない」を間違えてしまう理由としては、「もの」と「もろ」の音が似ているため、聞き間違えや思い込みで誤って覚えてしまうことが原因です。正しい日本語は「ものともしない」なので、混同しないように注意しましょう。
なぜ「もろともしない」が誤りかというと、「もろ」と「もの」では意味がまったく異なるためです。
「もろ」は「もろい」などのように、「こわれやすい」「弱い」という意味で使われる言葉です。そのため、「もろともしない」とすると「壊れやすいことをものともしない」という意味不明な表現になってしまいます。
一方、正しい言葉である「ものともしない」の「もの」は、「物事」「出来事」「困難」などを指す言葉です。つまり、「ものともしない」とは「困難や障害をまったく気にかけない」「平然と乗り越える」というニュアンスで使う言葉になります。
したがって、「もろともしない」は意味が通らない誤った表現であり、正しい日本語は「ものともしない」であると覚えておきましょう。
「ものともしない」の意味
「ものともしない」とは、全く問題にしないことを意味しています。
「ものともしない」を使った分かりやすい例としては、「彼は困難な状況でもものともしない強さを持っている」「大雪にもかかわらず、彼女は平然と通勤をものともしない」「チームは予想外のトラブルをものともしないでプロジェクトを進めた」などがあります。
「ものともしない」は、困難や障害に対して動じない毅然とした態度や精神力を意味する形容動詞です。形容動詞とは活用のある自立語で、文中において単独で述語になることができ、言い切りの形が、口語では「だ」、文語では「なり」「たり」で終わるもののことを指します。
「ものともしない」の特徴を挙げると、精神的に強く困難に動じない人、外的な圧力や批判にも平然としていられる人、揺るがない態度で物事に向き合う人、冷静かつ落ち着いた判断ができる人、危機や困難にも臆せず立ち向かえる人などがあります。
「ものともしない」の類語・類義語としては、困難に動じないことを意味する「泰然自若」、外的要因に左右されないことを意味する「平然」、揺るがない精神力を示す「不動」などがあります。
「もろともしない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「ものともしない」という言葉を間違えて「もろともしない」と表現している時などが挙げられます。
「もろともしない」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「ものともしない」を間違えて使っている可能性が高いです。
「もろともしない」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「もろともしない」ではなく、「ものともしない」と表現するのが正しい使い方になります。
「ものともしない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、全く問題にしないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ものともしない」は困難な状況でもめげずに取り組む場合に使う言葉です。
「もろともしない」と「ものともしない」どちらを使うか迷った場合は、「もろともしない」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「ものともしない」を使うようにしましょう。