【賭博】と【博打】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「賭博」(読み方:とばく)と「博打」(読み方:ばくち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「賭博」と「博打」という言葉は、どちらも「金品をかけた勝負事」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




賭博と博打の違い

賭博と博打の意味の違い

賭博と博打の違いを分かりやすく言うと、賭博とは金品をかけた勝負事のみを表し、博打とは金品をかけた勝負事だけでなく成功の可能性がわからない挑戦も表すという違いです。

賭博と博打の使い方の違い

一つ目の賭博を使った分かりやすい例としては、「賭博場を開張して利益を図った罪に問われる」「警察は賭博容疑でプロ野球選手2人を書類送検した」「オンラインカジノで金を賭けたとして賭博の罪で略式起訴された」などがあります。

二つ目の博打を使った分かりやすい例としては、「花札は博打場における賭けの競技の一つです」「博打師は切り札を隠しているようだ」「いかさま博打で身ぐるみを剝がされた」「新プロジェクトで一世一代の大博打に出る」などがあります。

賭博と博打の使い分け方

賭博と博打という言葉は、どちらも金銭や品物をかけて勝負事をすることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

賭博とは、金銭や品物をかけて勝負を争う遊戯を意味し、いわゆる「ギャンブル」を指す言葉です。賭博という言葉は罪名にも使用されており、「常習賭博罪」「賭博場開張等図利罪」「賭博及び富くじに関する罪」などがあります。

博打とは、金品をかけて勝負を争うことを意味しますが、特にサイコロや花札を使って勝負を争うことを指す言葉です。また、「一世一代の大博打に出る」のような使い方で、成功する可能性が不確実な試みという意味で比喩的にも用いられています。

つまり、賭博は金品をかけて勝負を争うことのみを意味しますが、博打は金品をかけて勝負を争うことだけでなく、成功の可能性が不確実な挑戦も表現する言葉です。二つの言葉を比べると、賭博よりも博打の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

賭博と博打の英語表記の違い

賭博も博打も英語にすると「gambling」「gaming」となり、例えば上記の「賭博場」を英語にすると「a gambling den」となります。

賭博の意味

賭博とは

賭博とは、金品をかけて勝負を争うこと、かけごと、ばくちを意味しています。

賭博の使い方

賭博を使った分かりやすい例としては、「基本的に賭博罪の時効は3年です」「投資は合法なのに、なぜ賭博は違法なのですか」「オンライン賭博サイトの運営者を賭博場開張図利罪で検挙しました」などがあります。

その他にも、「賭博罪の成立要件を調べています」「この漫画の主人公は女賭博師です」「賭博は法律で禁止されています」「賭博は刑法185条で規定された犯罪です」「日本人が海外でカジノをすることは賭博行為に該当しますか」などがあります。

賭博の読み方

賭博の読み方は「とばく」です。誤って「とはく」「かばく」などと読まないようにしましょう。

賭博の「賭」は訓読みで「かける」と読み、勝負事で勝った者などが取る約束で金品などを出すことを表し、「博」は金品をかけて勝負を争う賭け事を表します。賭博とは、金銭や物品を賭けて勝負を争うことを意味し、「博打」「賭け事」とも言います。

表現方法は「賭博罪」

賭博を用いた日本語には「賭博罪」があります。賭博罪とは、財物をかけて偶然性のからむ勝負をすることによって成立する罪を意味します。刑法第185条が禁じ、50万円以下の罰金または科料に処せられます。競馬や競輪などの公営ギャンブルは適用の対象外となります。

賭博の対義語

賭博の対義語・反対語としては、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むことを意味する「投資」などがあります。

賭博の類語

賭博の類語・類義語としては、結果はどうなろうと運を天に任せてやってみることを意味する「一か八か」、インターネットを通じて行われるカジノゲームを意味する「オンラインカジノ」、競馬や競艇などの賭け事を意味する「ギャンブル」などがあります。

博打の意味

博打とは、賽(さい)・花札・トランプなどを用い金品をかけて勝負を争うこと、賭博を意味しています。

その他にも、「偶然の成功をねらってする危険な試み」の意味も持っています。

「女博打打ちの人生を描いた映画が面白かったです」「全財産を競馬につぎ込むのは博打すぎる」などの文中で使われている博打は、「花札やトランプなどを用い、金品をかけて勝負を争うこと」の意味で使われています。

一方、「下手な博打を打つよりも堅実に働くべきだ」「一か八かの大博打に出るしかない」「大学受験は博打ではありません」などの文中で使われている博打は、「偶然の成功をねらってする危険な試み」の意味で使われています。

博打の読み方は「ばくち」です。誤って「ばくだ」「はくだ」などと読まないようにしましょう。

博打とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。博打の「博」は金品を賭けて争う勝負事を表し、「打」はその動作をする意味を持つ漢字です。

博打という言葉の語源は諸説ありますが、有力なものは古代中国のボードゲームに由来するという説です。先秦時代の中国では、すごろくに似た「六博」というボードゲームが流行し、博を打つことから「博打」という言葉が生まれたと言われています。

博打の対義語・反対語としては、危険のないことや間違いのないことを意味する「無難」などがあります。

博打の類語・類義語としては、成否は天にまかせ思い切って物事を行うことを意味する「のるかそるか」、オンラインカジノの略を意味する「オンカジ」、自分の運命をかけるような大仕事や大勝負をすることを意味する「乾坤一擲」(読み方:けんこんいってき)などがあります。

賭博の例文

1.違法なオンラインカジノを利用した賭博は犯罪なので、絶対にやってはいけません。
2.なぜパチンコは合法なのに、カジノは賭博として禁じられているのでしょうか。
3.単純賭博罪で略式起訴された元アナウンサーは、罰金10万円の略式命令を言い渡されました。
4.じゃんけんであっても、現金を賭けてしまうと賭博罪が成立する可能性があります。
5.賭博罪にはいくつかの種類があり、その内容によって量刑には違いがあります。

この言葉がよく使われる場面としては、金銭や品物などをかけて勝負を争うことを表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「単純賭博罪」とは、最も基本的な賭博の罪であり、法定刑は50万円以下の罰金刑または科料になります。

博打の例文

1.負けず嫌いな人が博打を始めると、ギャンブル依存症になりやすい傾向があります。
2.江戸時代の日本では賭博が大流行し、社会現象を巻き起こすほどでした。
3.勤勉で真面目だといわれている日本人のなかにも、博打好きの人は一定数存在します。
4.これからの将来を保証されていた彼が、とんでもない大博打をするとは思わなかった。
5.会社を立て直すには博打に出るしかない、と社長は考えているようだ。

この言葉がよく使われる場面としては、金銭や財物を賭けて賽(さい)や花札などを用いて勝負を争うこと、結果を運にまかせて敢えてする行為、成功する可能性の少ない危険な行為を表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「大博打」とは、規模の大きな博打を意味し、転じて、危険性は大きいが上手くいけば大きな成果を得られそうなことをすることを表現する言葉です。

賭博と博打という言葉は、どちらも「金品をかけた勝負事」を表します。さらに「博打」という言葉には、成功する可能性がわからない危険な挑戦の意味も持つことを覚えておきましょう。

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