似た意味を持つ「通じて」(読み方:つうじて)と「通して」(読み方:とおして)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「通じて」と「通して」という言葉は、どちらも何かを媒介にして行うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「通じて」と「通して」の違い
「通じて」と「通して」の意味の違い
「通じて」と「通して」の違いを分かりやすく言うと、「通じて」とは受動的に何かを媒介にして行うこと、「通して」とは能動的に何かを媒介にして行うことという違いです。
「通じて」と「通して」の使い方の違い
一つ目の「通じて」を使った分かりやすい例としては、「この地域は一年を通じて雨が少ないです」「SNSを通じて知り合った友達と会うことになりました」「どうやら彼女を通じてこちら側の情報を得たようです」「私は友達を通じて彼に伝言を送りました」などがあります。
二つ目の「通して」を使った分かりやすい例としては、「息子を通して担任に意見を伝える」「サッカーを通して友達が増えました」「友人を通して私たちは知り合いました」などがあります。
「通じて」と「通して」の使い分け方
「通じて」と「通して」はどちらも何かを媒介にして行うことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「通じて」は受動的に何かを媒介にして行うというニュアンスで使うのに対して、「通して」は能動的に何かを媒介にして行うというニュアンスで使うという点です。
ただし、微妙なニュアンスの違いなので置き換えてしまったとしても問題がないことが多いと覚えておきましょう。
例えば、「オンラインゲームで知り合った友達」という表現は受動的に媒介しているので「通じて」を使うのが一般的になっています。
一方、「娘を通して妻に意見を伝える」は能動的に子供を媒介しているので「通して」を使うのが一般的になっています。
「通じて」と「通して」の英語表記の違い
「通じて」も「通して」も英語にすると「through」「all over」となり、例えば上記の「私は友達を通じて彼に伝言を送りました」を英語にすると「I sent a message to him through a friend」となります。
「通じて」の意味
「通じて」とは
「通じて」とは、何かを媒介にして行うことを意味しています。
「通じて」の読み方
「通じて」の読み方は「つうじて」です。誤って「とおじて」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「一年を通じて」「知り合いを通じて」「活動を通じて」
「一年を通じて」「知り合いを通じて」「活動を通じて」などが、「通じて」を使った一般的な言い回しになります。
「通じて」の使い方
「通じて」を使った分かりやすい例としては、「この件はインターネットを通じて世界に知れ渡る」「今住んでいる場所は一年を通じて寒いと言わている」「野球を通じてチームプレーの大切さを学びました」「日本語の勉強を通じて日本の文化を知ることができました」などがあります。
「通じて」は動詞「通ずる」の連用形に接続詞の「て」が合わさり、何かを媒介にして行うことの意味で使われている言葉です。
「通じて」はビジネスシーンでも使える言葉ですが、「通じて」自体は敬語表現ではありません。そのため、上司や取引先などの目上の人に対して使う場合は、前後の文章に敬語表現を使い、文章全体を敬語表現にするようにしましょう。
「通じて」の類語
「通じて」の類語・類義語としては、両者の間に立てることを意味する「介して」、全般の傾向としてのことを意味する「総じて」、大体においてのことを意味する「概して」、物事や事柄の大体のことを意味する「大方」などがあります。
「通して」の意味
「通して」とは
「通して」とは、何かを媒介にして行うことを意味しています。
「通して」の読み方
「通して」の読み方は「とおして」です。誤って「とうして」「つうして」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「経験を通して」「を通して学ぶ」「1年を通して」
「経験を通して」「を通して学ぶ」「1年を通して」などが、「通して」を使った一般的な言い回しです。
「通して」の使い方
「通して」を使った分かりやすい例としては、「ブログを通して自分の意見を様々な人に伝えたいです」「この本を通してたくさんのことを学ぶことができました」「相撲や弓道を通して日本の文化を学びました」などがあります。
「通して」は「通す」の連用形「通し」に、接続詞の「て」が合わさり、何かを媒介にして行うことの意味で使われている言葉です。
例えば「一年間を通して」という言い回しがあった場合、一年間ずっとという意味合いになります。
「通して」はビジネスシーンでも使える言葉ですが、「通して」自体は敬語表現ではありません。そのため、上司や取引先などの目上の人に対して使う場合は、前後の文章に敬語表現を使い、文章全体を敬語表現にするようにしましょう。
「通して」の類語
「通して」の類語・類義語としては、大体のことを意味すつ「大抵」、全部とまではいかなくてもほぼそれに近い部分のことを意味する「粗方」などがあります。
「通じて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かを媒介にして行うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「通じて」は能動的に何かを媒介にする場合に使う言葉です。
「通して」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、何かを媒介にして行うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「通して」は能動的に何かを媒介にする場合に使う言葉です。
「通じて」と「通して」はどちらも何かを媒介にして行うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、受動的に何かを媒介にして行うことを表現したい時は「通じて」を、能動的に何かを媒介にして行うことを表現したい時は「通して」を使うと覚えておきましょう。