【個人的】と【私的】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「個人的」(読み方:こじんてき)と「私的」(読み方:してき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「個人的」と「私的」という言葉は、どちらも個人に関わっているさまを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




個人的と私的の違い

個人的と私的の意味の違い

個人的と私的の違いを分かりやすく言うと、個人的とは集団に対する一個人を意味しており、私的は単に自分を意味しているという違いです。

個人的と私的の使い方の違い

一つ目の個人的を使った分かりやすい例としては、「これは私の個人的な見解なのですが」「個人的にお勧めしたい小説」「個人的意見は要りません」「個人的な価値観の位置づけ」「個人的にあり得ない話だ」などがあります。

二つ目の私的を使った分かりやすい例としては、「私的諮問機関を設置する」「私的自治の原則を考える」「私的年金の計画を立てる」「オンラインでの私的な会合を愉しむ」「私的利用のマンション」などがあります。

個人的と私的という言葉は、日常生活やビジネスシーンなど幅広い場面で使われており、とても馴染みのある言葉なはずです。どちらも個人に関わっている様子を表すのですが、個人的と私的では意味合いや表す事柄が異なります。

個人的という言葉は、社会や組織などのグループに対する「一個人として」という意味合いがあり、意思や気持ちを表す時に使われることが多い言葉です。

私的という言葉は、公ではない「自分に関する事柄として」という意味合いがあり、事情や事由を表す時に使われることが多くあります。

上記の「個人的にお勧めしたい小説」とは、世間一般の評価は関係なく一個人としてお勧めしたい小説であることを表します。これが、「私的にお勧めしたい小説」となると、自分に関係する内容や利益など事情があってお勧めしたい小説であることを表します。

個人的と私的の英語表記の違い

個人的も私的も英語にすると「personal」「individual」「private」となり、例えば上記の「個人的な見解」を英語にすると「personal view」となります。

個人的の意味

個人的とは

個人的とは、個人を主体とするさまを意味しています。

表現方法は「個人的な意見」「個人的な理由」「個人的に好き」

「個人的な意見」「個人的な理由」「個人的に好き」「個人的には」などが、個人的を使った一般的な表現方法です。

個人的の使い方

個人的を使った分かりやすい例としては、「彼女の個人的見解を聞いてみたい」「個人的記憶と集合的記憶の違い」「そのニュースを聞くと個人的苦痛を感じる」「個人的な都合で会社を休む」などがあります。

その他にも、「個人的な話をしても宜しいでしょうか」「この画風は個人的に嫌いなタイプだ」「個人的な連絡はナシの関係だ」「個人的な問題は言いたくない」「その考えは彼の個人的な主張だ」などがあります。

個人の意味

個人的という言葉は、公的な立場や他人にとらわれない一人の人間としてのさまを表しており、意思や気持ちを表す時に使われることが多くあります。個人という言葉は、個々の人という意味があり、社会や組織などのグループと対比して使われる言葉です。

「個人的見解」の意味

個人的という言葉を用いた日本語には「個人的見解」があり、物事に対する一個人としての評価や考えを意味します。平たく言えば、「自分の考え」なのですが、世間一般の評価や自分が所属する組織とは関係がない意見であることを強調した表現になります。

個人的の対義語

個人的の対義語・反対語としては、世間一般にあるようなさまを意味する「世間的」などがあります。

個人的の類語

個人的の類語・類義語としては、公の資格や立場を離れたひとりの人間を意味する「一個人」(読み方:いっこじん)などがあります。

個人的の個の字を使った別の言葉としては、個人または個体に備わった特有の性質を意味する「個性」、ちょうどよいことを意味する「好個」(読み方:こうこ)などがあります。

私的の意味

私的とは

私的とは、個人に関わっているさまを意味しています。

表現方法は「私的な感情」「私的な理由」「私的な話」

「私的な感情」「私的な理由」「私的な話」などが、私的を使った一般的な表現方法です。

私的の使い方

私的を使った分かりやすい例としては、「後見人が私的に財産を使い込んだ」「社会保障に関する公的サービスと私的サービス」「勤務時間は私的な都合も考慮してくれた」などがあります。

その他にも、「国民の血税を私的流用することは許されない」「私的な関係であれば祝儀の受領が認められる」「仕事上関係のない私的な会話をすることを禁ずる」「職場外の私的な付き合いがあった」などがあります。

私的の語源

私的という言葉は、「私」に性質を表す「的」という接尾語が付いた言葉です。「私」という言葉は、公でない個人の立場や自分に関する事柄という意味があります。つまり、私的という言葉は、個人の立場や事柄としてを意味しており、事情や事由を表す時に使われることが多くあります。

「私的流用」の意味

私的という言葉を用いた日本語には「私的流用」があり、自分の利益のために本来の目的とは別の用途に使用することを意味します。ここでの私的は、自分の利益のためという事情を表しています。

私的の対義語

私的の対義語・反対語としては、公共のことに関わっているさまを意味する「公的」などがあります。

私的の類語

私的の類語・類義語としては、自分個人のことを意味する「私事」、私生活に関係したことを意味する「プライベート」などがあります。

私的の私の字を使った別の言葉としては、自分一人の意見や見解を意味する「私見」、公的な事と私的な事を意味する「公私」、自分のための利益を意味する「私利」などがあります。

個人的の例文

1.「あくまで個人的な意見ですが」という前置きがあると、身構えてしまう。
2.どんな事情があるにせよ、個人的な感情を仕事に持ち込むことはご法度だ。
3.個人的に好きなたい焼きの食べ方は、頭からでも尻尾からでもなく腹から食べる方法だ。
4.「個人的には…」が口癖の人は多いが、わがままな印象を受けてしまう。
5.個人的な理由での注文キャンセルは認められません。
6.個人的な興味から、迷宮入りした難事件について独自に調べている。
7.個人的に趣味ではないデザインだが、多数決で決まったユニホームだから仕方が無い。
8.取引先の担当者と馬が合い、仕事の流れで飲みに行ったことを上司に話したら、そういう個人的付き合いは持たないよう注意された。
9.日本の社会問題はあくまで仕組みの問題であり、個人的努力ではどうにかなる問題ではないことを認識すべきだ。
10.記者のゴシップ記事をもとにした質問に官房長官はここは政府の見解を述べる場であって個人的な見解を述べる場ではないと回答を拒否した。

この言葉がよく使われる場面としては、個人を主体とするさまを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3のように、個人的という言葉は一個人としての意思や気持ちを表す時に使われることが多い言葉でです。例文5で使われている個人的は、社会や組織などのグループに対する「個人として」を表しています。

私的の例文

1.その会社は、粉飾決算や社長の資金私的流用などが明るみになり刑事事件にまで発展した。
2.著作権に関して「私的目的以外の複製はNG」と書いてあるが私的使用目的以外の間違いだろう。
3.私的ナンバーワンのスイーツは意外とコンビニスイーツだったりする。
4.会社を休む場合に「私用のため」と報告するが、休む時はいつも私的な用事なので言う必要はない。
5.私的年金は確定給付型と確定拠出型の2種類があると説明を聞いたが、どちらが良いのか選べない。
6.あの市会議員は政務調査費を使って温泉旅館に106回泊まっていたが、私的な用途で公費を使ったとしか思えない。
7.今夜は重役陣の私的な会合があるので、写真週刊誌の記者に嗅ぎつけられないよう注意しなければならない。
8.転職する同僚のためにお金を集めプレゼントを送ったのだが、集めたお金の割に安っぽいプレゼントだった。どうやら幹事役の子が集めたお金の一部を私的流用したらしい。
9.中国は社会主義国家なので土地の私的所有は認められておらず、土地の使用権という形で人民は国家に土地を借りているに過ぎない。
10.私の勤める会社ではの会社の電話を社長の許可なく私的に使ってはいけないことになっている。

この言葉がよく使われる場面としては、個人に関わっているさまを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「私的使用」とは、個人または家庭内など限られた範囲内において使用することを意味します。利益を得るためなどに公共の場で使用することは私的利用になりません。

個人的と私的いう言葉は、どちらも個人に関わっているさまを表す言葉なのですが、特に社会や組織などのグループとの対比を強調したい時は「個人的」を使うようにしましょう。

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