【光速】と【音速】と【マッハ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「光速」(読み方:こうそく)と「音速」(読み方:おんそく)と「マッハ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「光速」と「音速」と「マッハ」という言葉は、伝わる速さという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




光速と音速とマッハの違い

光速と音速とマッハの意味の違い

光速と音速とマッハの違いを分かりやすく言うと、光速は光の伝わる速さを表現する時に使い、音速は音の伝わる速さを表現する時に使い、マッハは音の伝わる速さの単位を表現する時に使うという違いです。

光速と音速とマッハの使い方の違い

光速という言葉は、「光速度を調べるような研究をしてみたい」「天文学を学んでいるとたまに光速について触れる」などの使い方で、光の伝わる速さを意味します。

音速という言葉は、「花火の音速を計算して祭りの場所にあたりを付ける」「音速は気温によって左右される」などの使い方で、音の伝わる速さを意味します。

マッハという言葉は、「マッハ3ともなると速すぎて熱を生む」「マッハで帰宅して家族に驚かれた」などの使い方で、音の伝わる速さの単位を意味します。また、あまりにも速い様子も意味します。

光速と音速はどっちが速いか

伝わるのが速い順に並べると、光速>音速となります。花火が打ち上げられたり雷が光った後、少しだけ時間が経ってからその音が聞こえることがありますが、それは実際に花火が打ち上げられた場所、雷が落ちた場所から離れている場合、時間差が生じます。

光は瞬間的に届きますが、音は1秒およそ340mの速さで伝わります。そのため、雷が光ってから音が鳴るまでの間が5秒だとすると、雷が落ちた場所から1700m離れていることが分かります。

ただし、音が空気中を伝わる速度はその場の気温によって変化します。上の1秒でおよそ340mの速さというのは15度の時で、0度の場合は1秒でおよそ331mの速さとなるため、寒い日は音が伝わりにくく、暖かい日は音が伝わりやすくなります。

一方、マッハは音速の単位として使われている言葉なので、気温15度場合1秒につき約340mの速さを表すこととなり、この数値は気温で左右されます。

これが、光速、音速、マッハの明確な違いです。

光速の意味

光速とは

光速とは、光が伝わる速さを意味しています。

光速は高速度の省略語

もとは「光速度」と表記される言葉を略したのが「光速」で、意味はどちらも変わりません。

光速の速さ

太陽から地球までの距離で約8分、月から地球までで2秒掛からないくらいの速さで光は伝わり、1秒間の間で地球を7周半することができるような速さです。

光速を使った言葉として、「光速度不変の原理」「超光速運動」があります。

「光速度不変の原理」の意味

一つ目の「光速度不変の原理」とは、止まっている人から見ても、光速に近い速さで移動している人から見ても、光の速さは1秒につき30万km進んでいるという原理を指す言葉です。

有名なアインシュタインの相対性理論は、特殊相対性理論と一般相対性理論に分けられますが、前者に分類される二つの原理のうちの一つが「光速度不変の原理」です。

「超光速運動」の意味

二つ目の「超光速運動」とは、見かけ上の運動が光速度を超えているかのように見える現象を指す言葉です。

音速の意味

音速とは

音速とは、音波の速さを意味しています。

音速を使った言葉として、「超音速」「極超音速」があります。

「超音速」の意味

一つ目の「超音速」とは、マッハ数1.3から5.0までの音速よりも速い速度を意味する言葉で、マッハ数で表されます。この言葉の対となるものに、音速よりも遅い速度を意味する「亜音速」があります。

超音速で飛ぶ飛行機を「超音速機」と言いますが、現在は軍用機のみが該当します。かつては民間のための旅客機にも超音速機がありましたが、2003年にコンコルドという機体が運航を終えた時には軍用のもののみとなっています。

「極超音速」の意味

二つ目の「極超音速」(読み方:きょくちょうおんそく)とは、音速を大きく上回る速度を意味するもあります。

「極超音速兵器」と呼ばれるものも存在し、音速の5倍以上の速度で飛行するミサイル兵器を指します。経路の予測がしにくく、従来の防衛システムでは迎撃が難しいとされています。

マッハの意味

マッハとは

マッハとは、飛行機など高速で移動する物体の超音速の速さを表す単位を意味しています。

マッハの由来

オーストリアの物理学者エルンスト・マッハに由来した単位で、航空技師のヤコブ・アッケレートによって名付けられました。

マッハ1の速さ

本州の両端に位置する青森県から山口県まで、本来は8時間以上掛かりますが、マッハ1の速さで移動した場合は1時間半程度で移動を終えます。飛行機はこのマッハ1に近い速度で飛んでいて、軍用機ともなればその速度は上がります。

機体が飛ぶ高度によって気温や気圧が変化することから、ジェット機が飛ぶ高度であれば1秒あたり300mの速さで音が伝わるため、マッハ1の大きさも変わってきます。

現代においては、マッハという言葉を使ってあまりにも速い様子を表すため、文学作品や映画作品のタイトルなどに使われることもあれば、日常会話の中で使われることもあります。

「マッハバンド」の意味

マッハを使った言葉として、「マッハバンド」があります。これは、錯視の一種です。白、灰色、黒にそれぞれ塗りつぶされた領域があり、それらを繋げるため徐々に明度が変化していくグラデーションの領域もあるとします。

その場合、だんだん暗くなっているはずなのに、明るさの変わらない部分よりグラデーション部分がより暗く、もしくはより明るく見えるようになります。また、マッハバンドが見えるような効果をマッハ効果と言います。

光速の例文

1.ガリレオやフーコーらはどうして光速の測定を試みようと思ったのか、ということから学んでみたい。
2.光速に関する研究が発展すればタイムマシンも夢ではないのではないだろうかと息巻く。
3.亜光速などの話題が出てくるSF作品はいつの時代でも多くの人にとって魅力的である。

この言葉がよく使われる場面としては、光の伝わる速さを意味する時などが挙げられます。

例文3の「亜光速」とは、光の速さに限りなく近い速度を意味する言葉です。

音速の例文

1.小学生の頃は雷が光ってから聞こえるまでの時間を使って音速を計算し、距離を求めるなどしていた。
2.音速の壁によって飛行機はマッハ1以下に設定されている。
3.拳銃から発された銃弾は目に留まらぬ速さで音速を超えていることがテレビなどで分かる。

この言葉がよく使われる場面としては、音が伝わる速さを意味する時などが挙げられます。

例文2の「音速の壁」とは、航空機にとって音速のような速度で飛行するのは困難である状況を表した言葉で、音の壁とも言われます。

マッハの例文

1.マッハ1.5やマッハ2の旅客機が一般的になったら、今よりも速く遠方に到着するのだろう。
2.マッハ数と距離の計算をしていると、自分もこの速さで様々な場所に旅行が出来たらいいのにと思ってします。
3.その仕事をマッハで片付けるよう上司に言われたが一人では難しい。

この言葉がよく使われる場面としては、音が伝わる速さの単位を意味する時などが挙げられます。

現代では、例文3のように形容詞的、副詞的な使い方をして、あまりにも速い様子を意味することもあります。

光速と音速とマッハどれを使うか迷った場合は、光が伝わる速さを表す場合は「光速」を、音が伝わる速さを表す場合は「音速」を、音が伝わる速さの単位を表す場合は「マッハ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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