同じ「あわせて」という読み方、似た意味を持つ「合わせて」と「併せて」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「合わせて」と「併せて」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「合わせて」と「併せて」の違い
「合わせて」と「併せて」の意味の違い
合わせてと併せての違いを分かりやすく言うと、「合わせて」は食い違いのないように合致させることであり、「併せて」は二つ以上のものを同時並行で一緒に表現することを意味するという違いです。
「合わせて」はお金や合計や予定の場面で使う
合わせては、英語で表現するところの「Match」(読み方:マッチ)と似た意味を持つ言葉であり、併せてというのは、英語で表現するところの「Plus」(読み方:プラス)と似た意味を持つ言葉であると考えるとわかりやすいでしょう。
合わせてというのは、「合致」や「適合」「合計」などの意味で使われる言葉です。例えば「彼と予定を合わせておく」「友達と服装を合わせて出掛ける」「いろんな店で買い物をしたら、合わせて5000円を使っていた」などのように使用されます。
「併せて」は確認やお礼の場面で使う
対する併せてというのは、「併合」や「併用」「併設」などの意味で使用される言葉です。また、接続詞として「その上」「さらに」「同時に」などの意味で使われることもあります。
これら接続詞として使用される場合には、一般的にはひらがなで「あわせて」と書かれることが多いものです。明らかに接続詞として使っている場合にはひらがなで表記するようにすると良いでしょう。
併せてという言葉を使うのは、例えば「資料Aと資料Bを併せてご確認ください」「先生のご健康と、併せてご家族様のご多幸を願います」などのように使用されるものです。
併せてという言葉で使用される「併」という字は、「並べる」という漢字と似た意味を持つ言葉だと考えるようにしても、その意味が分かりやすくなります。
「合わせて」の意味
「合わせて」とは
合わせてとは、食い違いのないようにしたり、釣り合うように調和させたりすることを意味しています。「合致」や「適合」「合計」などの単語を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
合わせてという表現は、「合わせる」という言葉を前後の文脈に従うかたちで変形させたものです。意味としては、二つ以上のものを食い違いのないように一致させたり、相応しいように調和させたりすることを示します。
表現方法は「合わせていただく」「タイミングを合わせる」「時期を合わせる」
「合わせていただく」「タイミングを合わせる」「時期を合わせる」「日程を合わせる」「人に合わせる」などが、合わせるを使った一般的な言い回しです。
「合わせて」の使い方
合わせてを使った分かりやすい例としては、「こちらの都合に合わせていただき感謝いたします」「タイミングを合わせて出発しましょう」「時期を合わせてお会いしましょう」「最初はよくわからないので人に合わせることにした」「多くの人がいるので日程を合わせるのが困難だ」などがあります。
「予定を合わせる」「口裏を合わせる」「リズムに合わせる」の意味
例えば「友達と予定を合わせる」というのは、食い違いのないように合致させていることを意味します。他にも「妻と歩調を合わせて歩く」「口裏を合わせて言い訳をする」「リズムに合わせて踊る」などのように使うことが出来ます。
「服装に合わせる」「風景に合わせる」の意味
調和させるという意味では、例えば「服装に合わせてカバンを選ぶ」「周辺の風景に合わせて建築物をつくる」などのように使用されます。これは、適合させるという意味で使用されているものです。
このように「合わせて」という言葉は、一致させたり合計したりすることを意味します。英語で表現するところの「Match」(読み方:マッチ)と考えるとわかりやすいでしょう。
合わせてという言葉に使われている「合」という字は、集まる、当てはまる、一緒になる、などの意味を持つ言葉です。
「合わせて」の対義語
合わせての対義語・反対語としては、距離を遠くすることを意味する「離す」、1つのまとまりを複数に分割することを意味する「分ける」などがあります。
「合わせて」の類語
合わせての類語・類義語としては、あるものの中に別のものを加えることを意味する「混ぜる」、ものとものを隙間なく引っ付けることを意味する「くっ付ける」、2つ以上のものが1つになることを意味する「合体させる」などがあります。
合わせての「合」という字を使った単語としては、ずれや矛盾がなく前後や上下などがそろうことを意味する「整合」、ひとつの場所に集まることを意味する「集合」、一緒に合わせて計算することを意味する「合算」などがあります。
「併せて」の意味
「併せて」とは
併せてとは、二つ以上のものを一緒にしたり、「その上」「さらに」「同時に」というような接続詞的な役割を意味しています。「併合」や「併用」「併設」などの単語を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
表現方法は「併せてご確認ください」「併せてご多幸をお祈りします」
併せてという表現は、「併せる」という言葉を前後の文脈に従うかたちで変化させたものです。意味としては、二つ以上のものを一緒にまとめることや、複数のことを同じように並べるということを示します。
「併せて」の使い方
例えば「A社とB社を併せて経営することになった」というのは、二つの会社が併合することを意味します。他にも「この書類と先日お送りしたメールを併せてご確認ください」「ご健勝、併せてご家族のご多幸を祈ります」などのように使うことが出来ます。
このように「併せて」という言葉は、併合させたり、併用したり、なにかを同時にまとめて表現したりすることを意味するものです。英語で表現するところの「Plus」(読み方:プラス)であると考えるとわかりやすいでしょう。
「併せて」の語源
併せてという言葉に使われている「併」という字は、並べる、あわせる、一緒にという意味を持つ言葉です。「併」という字は、人を表す「イ」(読み方:人偏)に、人を並べて繋いだ形を表現して出来た漢字です。
「併せて」の類語
併せての類語・類義語としては、複数のものをひとつにすることを意味する「一緒に」、同じタイミングで物事を行うことを意味する「同時に」、あるものに何かを追加することを意味する「加えて」などがあります。
併せての「併」という字を使った単語としては、他のものと一緒に設置することを意味する「併設」、あるものを他のものとともに用いることを意味する「併用」、二つまたはそれ以上のものが同時に存在することを意味する「併存」などがあります。
「合わせて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、異なるものを食い違わないように合致させたり、釣り合い調和するように適合させたりすることを表現したい時などが挙げられます。合わせては、英語で表現するところの「Match」と考えると良いでしょう。
「合わせて」という表現は、副詞的に使われることの多い言葉です。副詞というのは、主語にはならない言葉であり、何か他の言葉を飾るためにあるものです。「合わせて」という言葉は、主語になることはありません。
その代わり、様々な言葉を飾り、詳しくする役割を持ちます。「合わせて」というのは、合計の意味も持ちます。例えば「キャンプの参加者は合わせて20名です」というように使用されることもあります。
「合致」や「適合」などの意味の他に、漢字の意味の通り「合計」という意味も持つものだと覚えておくと良いでしょう。
「併せて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、二つ以上のものを一緒にしたり、並列して表現したい時などが挙げられます。
また、接続詞的に「その上」や「同時に」などのように使用されることもあります。英語で表現するところの「Plus」と考えるとわかりやすいでしょう。
「併せて」という表現は、接続詞として用いられる場合には、ひらがなで「あわせて」と書き記されることもあります。文法的には、接続詞はひらがな表記の方が良いとされます。明らかに接続詞として使用している場合にはひらがなで書くようにしましょう。