似た意味を持つ「フェードアウト」と「フェーズアウト」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「フェードアウト」と「フェーズアウト」という言葉は、「少しずつ消えること」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
フェードアウトとフェーズアウトの違い
フェードアウトとフェーズアウトの意味の違い
フェードアウトとフェーズアウトの違いを分かりやすく言うと、フェードアウトは徐々に消えていくことを表現する時に使い、フェーズアウトは段階的に終わらせることを表現する時に使うという違いです。
フェードアウトとフェーズアウトの使い方の違い
一つ目のフェードアウトを使った分かりやすい例としては、「フェードアウト機能が搭載されていないがこのソフトは使い心地がいい」「BGMのフェードアウトが早すぎて映像だけの時間ができている」「眠気に勝てずフェードアウトしていった」などがあります。
二つ目のフェーズアウトを使った分かりやすい例としては、「その計画をフェーズアウトする話を聞いて驚いた」「時間を掛けてフェーズアウトを行う」「エネルギー問題におけるフェードアウトの影響は十分に考慮されなければならない」などがあります。
フェードアウトとフェーズアウトの使い分け方
フェードアウトとフェーズアウトはどちらも少しずつ消えていくことを意味する言葉で、カタカナでは一文字違うだけですが、意味や英語表記が異なります。
フェードアウトは、動画編集において映画や音楽などが少しずつ消えていくことを指しますが、他にも役目を果たして消えることや、離れることなども意味します。
一方のフェーズアウトは、段階的な廃止を意味する言葉です。
つまり、フェードアウトは消える側に対して使い、フェーズアウトは消す側に対して使うという点が、これら二つの言葉の明確な違いです。
フェードアウトとフェーズアウトの英語表記の違い
フェードアウトを英語にすると「fade out」となり、例えば上記の「フェードアウト機能」を英語にすると「fade-out function」となります。
一方、フェーズアウトを英語にすると「phase out」となり、例えば上記の「計画がフェーズアウト」を英語にすると「phase out the project」となります。
フェードアウトの意味
フェードアウトとは
フェードアウトとは、徐々に消えて最終的に無くなることを意味しています。
その他にも、勢いのあったものが衰えて弱くなることや、徐々に姿を消すことなどの意味で使われることもあります。
表現方法は「フェードアウトする」「フェードアウトを狙う男」「フェードアウトで別れる」
「フェードアウトする」「フェードアウトを狙う男」「フェードアウトで別れる」などが、フェードアウトを使った一般的な言い回しです。
フェードアウトの使い方
「照明がフェードアウトしたが語りは続いている」「フェードアウトした画面が突然切り替わった」「視界がフェードアウトした途端に体に衝撃を感じた」などの文中で使われているフェードアウトは、「少しずつ消えていくこと」の意味で使われています。
一方、「仕事の引き継ぎをしてフェードアウトしていく」「彼との関係からフェードアウトしたところで追いかけられる気がする」などの文中で使われているフェードアウトは、「徐々に消えることや離れること」の意味で使われています。
フェードアウトは英語で「fade out」「fade-out」と表記され、色や光が次第に消えていくことや、暗くなること、ぼんやりすることを表します。「フェイドアウト」と表記されることもありますが、意味は変わりません。
フェードアウトのフェードという言葉は、映像編集や音響に関する用語として多く使われていますが、この意味が転じて、人間関係において特定の他者や組織などから徐々に離れることも意味するようになります。
フェードアウトの対義語
フェードアウトの対義語・反対語としては、徐々に明るくなり全て現れることや、徐々に音が大きくなることを意味する「フェードイン」があります。
フェードアウトの類語
フェードアウトの類語・類義語としては、盛んだった勢いが衰えることを意味する「退潮」、お互い別れを切り出さないまま徐々に連絡が取れなくなり関係が失われることを意味する「自然消滅」などがあります。
フェーズアウトの意味
フェーズアウトとは
フェーズアウトとは、段階的な廃止を意味しています。
フェーズアウトの使い方
フェーズアウトを使った分かりやすい例としては、「無駄な計画はフェーズアウトするべきだ」「最寄りにあるローカル線の使用率からフェーズアウトが決定した」「フェーズアウトに移行しようにもデメリットが大きい」などがあります。
その他にも、「石炭のフェーズアウトに関する記事を見た」「その製品のフェーズアウトすることによるリスクを考える」「LED電球によって白熱電球がフェーズアウトしたかと言われるとそうではない」などがあります。
フェーズアウトは英語で「phase out」「phase-out」と表記され、次第に廃止することを表します。「フェイズアウト」と表記されることもありますが、位相を反転させることや反転させた音を表す音楽用語として使われています。
フェーズアウトのフェーズという言葉は、段階や時期を表しますが、動詞として使う場合は段階的に計画することや実行することを意味します。
フェーズアウトとフェーズダウンの違い
また、フェーズアウトは「フェーズダウン」という表現と類似していますが、段階的な削減や縮小を表すため、最終的にゼロになるフェーズアウトとは意味が異なります。
フェーズアウトの対義語
フェーズアウトの対義語・反対語としては、段階的な導入を意味する「フェーズイン」があります。
フェーズアウトの類語
フェーズアウトの類語・類義語としては、事件や計画などがいつの間にか無くなることを意味する「立ち消え」、焼けてすっかりなくなることを意味する「煙になる」などがあります。
フェードアウトの例文
この言葉がよく使われる場面としては、徐々に消えて最終的に無くなることなどが挙げられます。
例文1や例文2のように、映像や音楽に対して使われることが多い言葉ですが、例文3や例文4のように人間関係や役割から身を引くことに対しても使われています。
フェーズアウトの例文
この言葉がよく使われる場面としては、段階的な廃止などが挙げられます。
例文4のように、制度や計画の漸次廃止だけではなく、バスや電車の路線などを徐々に減らす場合にも使われています。
フェードアウトとフェーズアウトは、どちらも「少しずつ消えること」を表します。どちらを使うか迷った場合は、消えていくことを表す場合は「フェードアウト」を、終わらせることを表す場合は「フェーズアウト」を使うと覚えておけば間違いありません。