【初夏】と【立夏】と【孟夏】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「初夏」(読み方:しょか)と「立夏」(読み方:りっか)と「孟夏」(読み方:もうか)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どれを使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「初夏」と「立夏」と「孟夏」という言葉は、どれも夏のはじまりを意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




初夏と立夏と孟夏の違い

初夏と立夏と孟夏の意味の違い

初夏と立夏と孟夏の違いを分かりやすく言うと、初夏は旧暦の夏のはじまりのことで、立夏は二十四節気の夏のはじまりの日のことで、孟夏は初夏を常用漢字ではない字で表現したものであるという違いです。

初夏と立夏と孟夏の使い分け方

初夏というのは、夏のはじめのことを意味しています。しかし、この夏のはじめというのは、旧暦で言うところの4月のことであり、現在の暦では5月初旬から6月初旬までの期間のことを意味しています。

旧暦の夏は4月から6月までのことを指していて、4月を初夏、5月を仲夏、6月を晩夏としていました。このように、どの暦を使っているのかによって、季節にズレが生じるものなので、使用する際には注意が必要です。

また、この言葉は、手紙などの冒頭で季語として使用されることの多いものです。例えば「初夏の候、いかがお過ごしでしょうか」などのように使用されます。この言葉は4月の頭あたりから使用できるものです。

次に、立夏という言葉を考えます。立夏というのは、太陽の動きによって季節を正しく示すための二十四節気の中のひとつです。二十四節気は、季節を二十四の言葉で分けて表現しているものです。

立夏は二十四節気の中の七番目に位置する季節であり、夏という季節のはじまりを意味しています。立夏は、日付が決まっているもので、例年5月6日あたりですが、毎年変化するものであると覚えておくようにしましょう。

最後に孟夏という言葉を考えます。この孟夏というのは、初夏と同じ意味を持つ言葉です。孟夏の「孟」という字が常用漢字表外の表現なので、一般的には「孟夏」ではなく「初夏」という言葉を使用します。

しかし、この孟夏という表現を使ってはいけない決まりはありません。個人的なこだわりがある場合や、年配の方へ宛てた手紙などを書く場合に使用すると良いでしょう。その際は冒頭で「孟夏のみぎり、いかがお過ごしですか?」などのように使います。

初夏の意味

初夏の時期はいつ?

初夏とは、夏のはじめの頃や陰暦でいう4月のことを意味しています。初夏の期間としては、およそ夏のはじまりの一か月のことを指します。

初夏の由来

初夏というのは、昔の暦においては、4月のことを指していました。この昔の暦のことを旧暦と呼びますが、旧暦での夏というのは4月から6月までのことを指しています。そのうち4月を初夏、5月を仲夏、6月を晩夏と呼んでいました。

初夏の読み方

初夏と書いて、一般的には「しょか」と読みますが、場合によっては「はつなつ」と読まれることもあります。

「初夏の挨拶」の時期

現在の暦では、初夏というのは5月初旬から6月初旬あたりの一か月間のことを意味しています。ビジネスシーンなどで、初夏の挨拶と言えば、この辺りの時期のことを指すのだと覚えておくようにしましょう。

「初夏の候」の時期

例えば、5月初旬から6月初旬までの間に手紙を書く場合などには、冒頭に「初夏の候」(読み方:しょかのこう)という言葉を入れたりします。これは季語として、使われているものです。

天気予報の初夏の時期

また、天気予報などで「本日は初夏の陽気で」などという表現がされた場合、これは5月初旬から6月あたりの気候であるという意味になります。一般的には梅雨入り前までの時期を初夏であると分類しています。

この初夏の頃というのは、穏やかな晴天が多いとされていますが、突然に寒気が入ってきたり、落雷があったり、ひょうが降ることがあったりする変わりやすい季節でもあると言われています。

立夏の意味

立夏の時期はいつ?

立夏とは、二十四節気のひとつであり、太陽暦で言うところの5月6日あたりを意味しています。この立夏というのは、初夏のはじまりを示すとも言われているもので、例年5月6日あたりを示しますが、日付は毎年変わるものです。

立夏は二十四節気の一つ

この立夏が含まれる二十四節気というのは、太陽太陰暦で季節を正しく表現するために用いられていた言葉です。太陽の動きを二十四等分して、それぞれに季節の名称を与えたものです。

二十四節気は、正月節である立春からはじまり、雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒という名称で表現されます。

このうちの夏にあたる最初の節が「立夏」です。立夏というのは、夏のはじまりとされる5月6日あたりのことだと覚えておくようにしましょう。

立夏の語源

立夏という言葉に使われている「立」という字は中国語で「はじまり」という意味を持つ言葉です。

「立夏の候」の時期

この言葉も手紙などの冒頭で季語として使用することが出来るものです。例えば「立夏の候、皆様いかがお過ごしでしょうか」などのように時候の挨拶として使います。

しかし、立夏というのは毎年日にちが決まっているものです。手紙などで書き記す際には、時期を外さないように気を付けて使用するようにしましょう。

立夏を過ぎた辺りの時期に出す手紙では「立夏が過ぎましたが、いかがお過ごしですか」と書いたりする場合もあります。

天気予報の立夏の時期

天気予報などで「立夏」が使用される際には、「今日は二十四節気の立夏です」という風に紹介されたりします。例年5月の初旬を指すので、立夏という言葉と同時に「風薫る季節」や「薫風」(読み方:くんぷう)などの言葉で表現されることも多々あります。

孟夏の意味

孟夏の時期はいつ?

孟夏とは、夏のはじめのことであり、旧暦の4月、太陽暦の5月から6月までの季節を意味しています。孟夏という言葉は、初夏という言葉と同じ意味を持つものです。しかし、孟夏の「孟」という字が常用漢字ではないので、現在ではあまり使用されません。

孟夏は常用外漢字

孟夏というのは、現代で言うところの「初夏」とまったく同じ意味で使われている言葉です。孟夏の「孟」という字は「初め」という意味で使われていた漢字です。しかし、この字は現在、常用漢字表からは外れています。

孟夏と表現すると、少々古風な印象を与える言葉になります。年配の方に手紙を書く際などに、あえてこの表現を使ったりする場合もあります。孟夏も初夏と同じく季語であり、手紙の冒頭で使用されます。

孟夏の使い方

例えば「孟夏のみぎり、いかがお過ごしでしょうか?」という風に使われます。この「みぎり」という表現は「候」と同じように、季語の末尾に付けられ表現です。

「みぎり」の方が柔らかな表現であり、「候」はビジネスライクで、きっちりとした印象を与える表現です。昔は「みぎり」は男性よりも女性が使う言葉であるとされていました。

また、孟夏というのは、平安時代、陰暦の4月1日に行われた旬の行事のことを意味する言葉でもありました。この行事は、天皇が紫宸殿(読み方:ししんでん)において政務を行い、天皇に仕えている人と共に酒宴をするものでした。

このように、孟夏という言葉は現代ではあまり使用されないものですが、手紙などを送る際に、冒頭の挨拶として使用する分には十分に通用するものであるので、覚えておくようにしましょう。

初夏の例文

1.緑の香りが豊かになる初夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
2.明日からの連休は初夏の陽気となりそうです。
3.初夏の風が、爽やかに吹いている。
4.今日は久々の初夏の陽気な朝だというのに、我が家では重苦しい空気が立ちこめていた。
5.公園を歩いていると、初夏の日射ひざしが降り注いでいて、新緑がキラキラと輝いているのが見えました。
6.今日は春の陽気というか、春を飛び越えて初夏のような汗ばむ陽気でしたから、何を着ていいか迷いました。
7.初夏の候、山本様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。日頃のご厚情とご鞭撻に感謝とお礼を申し上げる次第です。
8.その年の初夏の暑さは、今思い出しても、その瞬間にじわりと汗をかいてしまうほど凄いものであった。

この言葉がよく使われる場面としては、5月初旬から6月の梅雨入り前までの期間について表現したい時などが挙げられます。季節の挨拶をする手紙などで、冒頭に使用されることも多い言葉です。

初夏というのは、旧暦と現在の暦で、指し示す時期が少し異なります。旧暦では4月から6月の期間、現在の暦では5月から6月までの期間についてを示すものであると覚えておくようにしましょう。

立夏の例文

1.立夏というのは、二十四節気のひとつらしいよ。
2.立夏が過ぎ、夏の香りが少しずつ感じられる季節になってきました。
3.今年の立夏はゴールデンウイークの最終日と被るみたいだね。

この言葉がよく使われる場面としては、二十四節気の中での夏のはじまりを表現したい時などが挙げられます。立夏というのは、例年5月6日あたりを指す言葉ですが、正確な日付は毎年変わるものです。

立夏というのは、旧暦で考えた際の夏のはじまりを意味しています。旧暦で夏を表す言葉は「立夏」からはじまり「小満」「芒種」「夏至」「小暑」「大暑」の6つに分けられています。

現代で考えると5月を夏と捉えるのは、少し難しくもありますが、季語としては5月に使用する言葉ですので、ビジネスメールや手紙などで、上手に使用するようにしていきましょう。

孟夏の例文

1.孟夏のみぎり、若葉の緑が美しい季節となりました。
2.孟夏というのは夏の初めであり、初夏と同じ意味らしい。
3.孟夏の「孟」という字は季節のはじまりを示すので、春のはじまりは「孟春」と表現されます。

この言葉がよく使われる場面としては、夏のはじめのことや旧暦の4月、太陽暦の5月から6月までの期間を表現したい時などが挙げられます。初夏と同じように、手紙やビジネスメールなどの冒頭で、季節の挨拶として使用されたりします。

また、孟夏というのは、平安時代の行事のことを示す場合もあります。季節の挨拶として使用する場合であっても、少し古い表現となるので、孟夏よりも初夏を使った方がその意味が伝わりやすくなります。

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